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4号機に使用済燃料プールから燃料を取り出すための鉄骨建方が建設された。取り出された燃料が降りてくる開口部=28日午後、福島県大熊町(松本健吾撮影)
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/130629/dst13062901000002-n1.htm
2013.6.29 00:58
4号機に使用済燃料プールから燃料を取り出すための鉄骨建方が建設された。取り出された燃料が降りてくる開口部=28日午後、福島県大熊町(松本健吾撮影)
単独取材が許された福島第1原発では、4号機の建屋カバーの建設が進むなど、廃炉に向けた作業が目に見える形で進んでいた。ただ、トラブルも相変わらず発生しており、30年以上ともされる廃炉への道のりの遠さも見せつけた。
内部は薄暗く
「燃料取り出し用のカバーです」。担当者の案内で、4号機原子炉建屋カバーの内部に入った。
カバーといっても、厚さ約3メートルの鉄骨で組まれた建造物で原子炉の約半分を覆っている。高さは約53メートルもある。巨大なクレーンを鉄骨に設置し、燃料を冷やしたままつり上げて搬出するため、これだけの施設が必要となる。現在は外壁のパネルを張る作業が行われていた。
4号機は3号機で発生した水素が配管などを通じて建屋内に入り水素爆発したとされている。原子炉には燃料はないが、燃料貯蔵プールには事故のあった4基で最多の1533体の燃料が保管されている。
プール階下の壁の一部は水素爆発により吹き飛んでおり、プール崩壊の危険性を指摘する声も根強い。東電も4号機からの燃料取り出しを最優先課題の一つとしている。
燃料は今でも崩壊熱が発生している。このため燃料はつねに水で冷やし続ける必要がある。専用の容器に水と一緒に燃料を入れ、カバーに設置されたクレーンでプールから引き上げ、地上まで下ろすことになる。
カバーの内部は薄暗く、鉄骨で組まれた無機質な空間が広がっていた。中央付近は天井まで吹き抜けで、ここからクレーンを使い、燃料が地上に下ろされるのだという。巨大で堅牢(けんろう)な施設を目の当たりすると、取り出し作業がいかに大がかりで慎重を要するものかがうかがえた。
「カバーは10月末には完成し、11月には燃料の取り出しが始められる予定です」と東電担当者。廃炉までの工程全体から見ればわずかな前進だが、事態は良い方向に向かっていることが確認できた。
地下水も危険
ただし、懸念もある。その最たるものは増え続ける汚染水の問題だ。汚染水は地下水が原子炉建屋に入り込むことで毎日400トンずつ増えている。
汚染水の増加をくい止めるため、建屋に入る前の地下水をくみ上げたり、建屋の周囲の土壌を凍らせたりして地下水の流入を防ぐ計画も予定されているが、いずれも効果は未知数だ。
最近最も懸念されているのが、2号機の海側の観測用井戸から見つかった地下水の汚染だ。
井戸は事故直後に高濃度汚染水が海に流出した場所のすぐ近くにあり、高濃度汚染水が流れ込んでいる可能性がある。地下水脈を通じて海に流出している疑いもあり、原子力規制委も高い関心を示す場所だ。
井戸の近くでもバスから降りた。目の前に見える海まではわずか27メートル。あまりの近さに不安がよぎる。
廃炉への道のりは一歩ずつ前へと進んではいる。ただ、事故直後に緊急避難的に講じた対策には、懸念材料も残り総点検の必要性も強く感じた。
(蕎麦谷里志、玉崎栄次)
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