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2013年6月29日
まるで重大事故など起きなかったかのようなやり方ではないか。
福島第1原発事故後初めて、フランスで製造されたプルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料が、関西電力高浜原発(福井県)に届いた。
関電は、7月の原発新規制基準施行後、MOX燃料を使うプルサーマル発電を前提に高浜原発の再稼働を申請する方針だ。
福島第1原発3号機では、プルサーマル発電が行われていた。炉内の状況の把握すら困難な現状では、MOX燃料が事故に及ぼした影響も解明できない。
関電は「資源の乏しい日本でプルサーマルの推進は重要」と主張するが、このような理屈を信じる国民は今やほとんどいないだろう。
プルサーマルは、破綻した核燃料サイクル計画を延命させるための窮余の策にすぎない。
核燃料サイクルは使用済み核燃料を再処理し、取り出したプルトニウムを高速増殖炉で燃やすのが目標だ。高速増殖炉は理論上、消費した以上のプルトニウムを生む。
だから、原子力は資源小国・日本にとって「準国産エネルギー」というのである。
だが、高速増殖炉と再処理工場という中核施設がトラブル続きで、サイクルがつながる見込みはない。
核兵器にも転用可能なプルトニウムの在庫を減らすため、にわかに主役に仕立てられたのが、軽水炉でMOX燃料を使うプルサーマルだ。
MOX燃料は割高な上、制御しにくいといった安全上の難点が指摘されている。コストを電気料金に転嫁できなければ、電力会社も使用をためらうはずだ。
それでも電力業界はプルサーマルを含む核燃料サイクルに固執する。
路線転換すれば、青森県がこれまで再処理を前提に受け入れてきた使用済み核燃料を全国に返送する方針を示しているからだ。そうなれば、保管場所がなくなり、即時停止を余儀なくされる原発も出てくる。
こうして非現実的な計画が本来の目的とはかけ離れた理由で、国民に巨額の負担を押しつけたまま、ずるずると続いてきた。
政府はこの状態に終止符を打つべきなのに、安倍晋三首相は核燃料サイクルを堅持する姿勢を示している。無責任と言わざるを得ない。
北海道電力は泊原発3号機でプルサーマルを予定していたが、現在は凍結している。電源開発はMOX燃料を全炉心で使う世界初の商業炉の大間原発(青森県)を建設中だ。
高浜のプルサーマルを突破口に、核燃料サイクルがなし崩しに再開されるのは許されない。
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