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http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20130609/dms1306090707000-n1.htm
2013.06.09 夕刊フジ
国連科学委員会は先月31日、「東京電力福島第1原発事故が周辺住民の健康にどんな影響を与えたか」についてまとめた報告書案を発表した。
事故後、周辺住民が素早く避難したため、旧ソ連のチェルノブイリ原発事故と比べ、被曝線量は10分の1に減少し、「周辺住民や大半の原発労働者について、ただちに健康への影響は認められず、将来的にも健康への影響があるとは考えにくい」と指摘している。
こうした内容のことは、私は事故直後から発言しているが、日本人が言っても信用してくれない。国連科学委が発表をしたのはいいことだ。
この中で重要な指摘は、避難区域内の乳幼児の事故後1年間の甲状腺への被曝線量は、82ミリシーベルトが一番大きかったということだ。「健康への影響があるかもしれない」といわれるのは、100ミリシーベルト以上。
しかも、がんになる、というのではなく、その確率が統計的に少し高くなる、という目安。1回のCT検査で浴びるのが70ミリシーベルトといわれるから、82ミリシーベルトなら心配はいらないということだ。
また、報告書案によると、福島第1原発事故で大気中に放出されたヨウ素131とセシウム137という放射性物質は、チェルノブイリ原発事故と比べ、それぞれ3分の1未満、4分の1未満とはるかに少なかった。
さらに、チェルノブイリでは外に飛び散ったストロンチウムやプルトニウムといった物質についても、今回は固まった炉心の下にドロッと溶けた状態にあるので、あまり出てきていない。
ほとんど外には出てこなかった米国のスリーマイル島事故よりは重大だが、チェルノブイリのように核分裂生成物が広範囲に飛び散った事故とは違う、というわけだ。
ということであれば、現在の放射線物質の除染基準を見直すべきではなないか。「除染の目安を年1ミリシーベルトにする」というデタラメがまかり通っている現状は、明らかにおかしい。自然科学に弱い民主党首脳部が「10ミリシーベルトでは子供たちがかわいそうだ」と泣いた東大教授の涙の辞任記者会見を見て発作的に決めた基準だからだ。
先日、自民党の要人に会ったとき、私は「除染基準を見直したらどうか。私だったら100ミリシーベルトにする」と言ったら、「えーっ、せめて15ぐらいが妥当だと思いますが…」と答えていた。
1ミリシーベルトなんて、自然の放射線と同じようなもの。この「1」が基準というなら、除染は永遠に続くことになる。無意味かつ高価な基準で除染利権を利するだけだ。せめて、かつての10〜15に戻したい。
もうひとつ、国連科学委の発表では、「汚染された食品の摂取も早くから防いだために、発がん率が抑えられた」としている。だが、これは正確ではない。
海に流れていった量について、今回、彼らは測定していない。しかし、コウナゴなどは放射能にかなりやられている。これは植物連鎖にも入り込むと思われるので、相当長い期間、何十年も周辺近海の海産物は食べない方が無難だ。
■ビジネス・ブレークスルー(スカパー!557チャンネル)の番組「大前研一ライブ」から抜粋。
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