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6/8 22:30 小出裕章 (京大助教) 非公式まとめ
20130608 ラジオフォーラム 第22回 小出裕章ジャーナル
2013年6月8日に放送された「ラジオフォーラム第22回」番組での「小出裕章ジャーナル」の内容を文字起こし致しました。
【主なお話】
「高速増殖炉もんじゅで約1万点の機器点検漏れが見つかった問題、施設を運用する日本原子力研究開発機構や国の安全対策の姿勢、またその問題点について。日本原子力発電の敦賀原発2号機直下に活断層があるとの評価を、原子力規制委員会が下した件」
【パーソナリティー】
今西憲之(ジャーナリスト)
【電話出演】
小出裕章(京都大学原子炉実験所助教)
▼ラジオフォーラム
http://www.rafjp.org
▼文字起こしは以下。
◆今西
さて、ラジオフォーラム、今日はこのコーナーからスタートです。
それでは、小出さんとお電話がつながっています。
もしもし、まいどぉ、小出さ〜ん。
◆小出
はい、こんにちは。
◆今西
今日もよろしくです〜。
◆小出
こちらこそよろしくお願いします。
◆今西
先だってからですねぇ、大きなニュースとしてぇ、伝えられてる中でですねぇ、やはり福井県敦賀市にありますですねぇ、日本原子力研究開発機構のですねぇ、高速増殖炉「もんじゅ」でですねぇ、まぁ重要な機器にですねぇ、点検漏れが1万点も見つかったとぉ、いうニュースが伝えられておりますけれどもぉ、1万点のですねぇそういう機器、まあ部品なんかがですねぇ、点検時期が過ぎてたにも関わらずぅ、そのまま放置されていたと、いうことがぁ原子力規制委員会のですねぇ、え〜調査で分かったということなんですがぁ、1万点も期限が切れとったということでですねぇ、こんなもん放っといてもし運転再開しとったらえらいことになるなぁと思うんですがあ、小出さん、その辺いかがお感じになられましたでしょうか。
◆小出
もちろん、私もそう思います。
ただし、何か日本原子力研究開発機構だけがさぼっていたという風に報道されているようなのですが、いったいこれまで国の規制機関は何をしていたのかと私はむしろそちら側が不安です。
◆今西
なるほど。
◆小出
はい。
◆今西
まぁ、原発事故が起こってですねぇ、国民の関心が急に原発に向いてきたぁ、それで慌てて、きちんと規制する側も見始めた、そんな風に取られかねないですよねぇ。
◆小出
もちろんそうですね、要するにきちっとこれまで規制も何もして来なかったということなんですね。
何か国のほうが偉そうにその原子力研究開発機構が悪いという風に言ってますけれども、悪いのは国も同罪だと私は思います。
◆今西
なるほど、そういう中でですね、え〜、監督官庁がですねぇ、文部科学省だそうなのですがねぇ、その文部科学省ですねぇ、毎年、日本原子力研究開発機構、まあ昔は動燃と呼んだですねぇ。
◆小出
そうです。
◆今西
え〜、ところなんですがぁ、え〜、安全確保の徹底とかですねぇ、ま、もんじゅの研究開発についてというですねぇ、評価基準がいろいろあってですねぇ、その中でぇ、A評価、順調であると、いう評価をですねぇ、ずっと下してた。
◆小出
んふふ…。
◆今西
という報道もあるんですが、何か小出さん、マンガみたいな話なんですけどねぇ、はぁ〜い。
◆小出
はい、本当にマンガのような話ですね。
え〜、元々、今、今西さんもおっしゃってくださったように、動燃という組織ですけれども、正式名称で言えば「動力炉核燃料開発事業団」といいました。
◆今西
はい。
◆小出
え〜、新しいまあ形の原子力発電所を作ったり、あるいは核燃料をどうやって調達するかということを考える研究所の筈だったのですけれども。
◆今西
一種の国営の研究所のようなものですよね、実質的には。
◆小出
そうです、はい、元々は科学技術庁傘下でしたし、今は文部科学省の傘下にあるのですが、言ってみれば国営のものです。
で〜、その動力炉核燃料開発事業団が手掛けた所謂発電用の原子炉というのは、「ふげん」という原子炉と「もんじゅ」という原子炉の二つなのですが、ふげんはもうとうの昔にこんなものは役に立たないといって廃炉になってしまいましたし、もんじゅも造ってはみたものの、未だに1キロワットアワーの発電も出来ないまま1兆円を越えるお金を捨ててしまったという本当にどうしようもないものなのです。
そいで〜核燃料に関しても、人形峠でウラン鉱山を掘ってみたりしたわけですが。
◆今西
そうですね。
◆小出
そこも結局何の役に立たないまま、放射能のゴミを周辺に撒き散らせて知らん顔をしていうというそういう組織ですし、海外でウラン鉱石を調達しようとしてきたのですけれども、まったくそれも出来ないという、想像を絶するほどダメな組織なのであって、A評価なんていうものはどれを考えてもあり得ない組織です。
◆今西
おまけにあれですよね、ナトリウム漏れ事故というですねぇ、重大な事故を起こしぃ、その上その事故の詳細を隠しぃ、地元の方々にたいへん迷惑をかけですねぇ、恐怖を与えた、というとんでもない組織ですもんねぇ。
◆小出
そうです。
◆今西
ですよねぇ。
◆小出
はい。
◆今西
それでまたぁ、同じ福井県でですねぇ、え〜今度はですねぇ、え〜日本原子力発電、まぁあのよく日本原電と言われるですねぇ、会社がありますぅ。
ま、電力会社、関西電力だとかぁ、中部電力がですねぇ、株主になってる発電の専門の会社ですよねぇ。
◆小出
そうです。
◆今西
そのぉ〜日本原電が保有する敦賀原発の2号機のですねぇ、え〜下にあるですねぇ、断層がですねぇ、活断層だったぁというですねぇ、え〜調査がですねぇ、調査報告書がこのほどまとまりですねぇ、敦賀原発2号機がですねぇ、ま、廃炉に迫られるのではないかという報道も大きくなされてます。
◆小出
はい。
◆今西
その活断層ですねぇ、地震の多い日本においておまけに活断層の上に原発があるなんてとんでもないことやと思うんですけれどもねぇ、こんなことがあっていいんでしょうか。
◆小出
え〜、あっていいも何も実際にある、のですね。
◆今西
ははい。
◆小出
日本というのは、皆さんご承知の通り世界一の地震国なわけです。
え〜、なぜかと言えば、大陸を造っているプレートという、まあ大きな固い岩盤があるのですが、その岩盤が4枚も日本列島周辺でこすれ合って動き合ってるという、まあ地球上ではとてもまあ特異な場所であって、え〜、地震が起きないほうがむしろ不思議だし、岩盤が割れて断層が走るということなど当たり前のことなのです。
え〜、そんなところに原子力発電所を造ってしまうという、そのこと自身が間違いなのであって、え〜、日本という国、既に58基もの原子力発電所を造ってしまった、そして、それら全てが所謂断層と無縁ではいられないという、そういう場所なのです。
え〜、調べてみればあちこちまた活断層というものが見つかってくるわけで、活断層と無縁の原子力発電所など日本には無いと私は思います。
◆今西
それで、小出さんね、ま、報道ではね、2号機だけが廃炉という風に書かれているんですがね、要するに断層というのは要するにそこがずれてしまったらその範囲全体でですね大きな地震になったりですねぇ、多大なる被害が出てしまうわけですよねぇ。
◆小出
そうです。
◆今西
それを考えるとぉ、敦賀原発全体も含めですね、あの福井県にはたくさんあの原発があるのですが、そこも見直さなければならないと、私はそう考えるのですがぁ。
◆小出
はい、私もそう思います。
ただし、断層が動いて地震というものが起きるわけですけれども、え〜、原子力発電所については、これまで地震が起きたときの揺れに関しては耐震設計を施したと言ってきた、のです。
ただし、もし原子炉の真下に断層があって、それが動いてしまうようなことになると、今度は揺れではないんですね。
要するに変位と私たち呼んでいますけれども、要するに土地自身がずれてしまうわけ、高さ方向にずれたり、水平方向にずれたりしてしまうわけで、それはもう揺れではなくて、もう直接的に建物、建屋、あるいは機器が破壊されてしまうということで、そういうものに関しては、いかなる計算も出来ませんので、活断層の真上にはとにかく造ってはいけないということになってきたのです。
そいで、敦賀2号機の場合にはまさに活断層の真上に原子炉が載ってしまっているということが、最近になって分かったと言っているわけで、もちろんそんなものを動かしてはいけません。
◆今西
まぁ私もぉ大阪に住む身としてですねぇ、そう遠くない福井県にそういう原発がある、これ不安でならないのですけれども、今どぉ〜すればいいんでしょうか。
◆小出
もちろん止めればいいのです。
◆今西
はいぃ。
◆小出
ただし、止めたところでこれまでに作ってしまいました使用済みの燃料、所謂核分裂生成物をたくさん含んだ使用済み燃料そのものが消えてくれるわけではありませんので、まずは止める、そして止めた後に、これまでに作ってしまった毒物をなんとか周辺に撒き散らさないように今後長い間苦労を重ねなければいけないということになっています。
◆今西
なるほどぉ。
それでまぁ敦賀、ええぇ〜日本原電のですねぇ敦賀原発っていうとですねぇ、関西電力がですねぇ、え〜ここからですねぇ、受電している割合も結構多いのですがぁ、あのラジオネームのしろくまさんという方から質問が来ておりましてですねぇ、え〜敦賀原発がもし止まってしまうとですねぇ、またあの今年の夏のですねぇ、電力需要ですねぇ、大丈夫なのかと心配する声があるのですけれども、その辺について小出先生いかがでしょうか。
◆小出
まったく大丈夫です。
◆今西
はい。
◆小出
日本には火力発電所と水力発電所が既に膨大にありますので、原子力発電所の全てを即刻停止させたところで、電力の供給に支障が出ることはいついかなるときもありません。
え〜、昨年、大飯の原子力発電所を動かさないと、停電になってしまうぞと国と電力会社が脅かしをかけてきまして、多くの方は何かそうだと思ってしまったようなのですが、そんなことは元々ないのです。
大飯の原発なんか動かさなくても、去年も十分に火力発電所は余っていましたし、今年も原子力発電所のすべてを止めたとして何の問題もありません。
◆今西
なるほどなるほど。
分かりましたぁ。
◆小出
はい。
◆今西
小出さん、今日もいろいろありがとうございましたぁ。
◆小出
いえ、ありがとうございました。
◆今西
以上、小出裕章ジャーナルでした。
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