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インドと原子力協定、政府合意へ 原発輸出に弾み
14年1月にも署名、海外勢と18基争奪
2013/5/20 2:00
http://www.nikkei.com/article/DGXNASFS19007_Z10C13A5MM8000/
日本、インド両政府は5月末の首脳会談で、東京電力福島第1原子力発電所事故後に中断した原子力協定交渉の再開で合意する。2014年1月の署名に向け協議を急ぐ。インドは20年までに原発18基の建設を計画し、9兆円規模の商機を見込む。核拡散防止条約(NPT)未加盟のインドに技術管理の徹底を求めつつ、日本企業が原発を輸出できる環境を整える。
原子力協定は技術の平和利用を国家間で約束するもので、原発輸出の前提となる。安倍政権は原発を積極的に輸出する方針で、5月には福島原発事故後、初の原子力協定の締結をトルコ、アラブ首長国連邦(UAE)と合意した。10年6月に始めた日本とインドの公式協議は10年11月を最後に開いていない。
安倍晋三首相は27〜30日に来日するインドのシン首相と会談し、協議再開と議論の加速を確認する。共同声明には「早期妥結」などの表現を盛り込み、早ければ来年1月の通常国会召集前に安倍首相がインドを訪れ、首脳会談で協定に署名する。
インドは非核保有国に国際原子力機関(IAEA)の査察などを約束させるNPTに入らずに核兵器を持っている。日本ではこれまで、NPT未加盟国との原子力協定の締結に慎重な意見が強かった。
米国やフランス、ロシアなどはNPT体制の例外としてインドと原発で協力しており、日本は出遅れている。日米など46カ国が参加して原子力技術・機器を輸出管理する原子力供給国グループ(NSG)は08年、インドへの核関連物質・技術の移転を認める方針を決定。インドは自主的な核実験凍結を宣言し、IAEAと一部の原子炉を査察下に置く協定を結んだ。
急増する電力需要に対応するため、インド政府は50年には原発の発電能力を4700万キロワットと今よりも11倍強に増やし、全発電量の4分の1を賄う方針だ。原発1基の新設費は約5000億円。東芝、日立製作所、三菱重工業の日本の原発メーカー3社、原子炉の圧力容器部材で世界シェアトップの日本製鋼所には新たな大型受注の好機になる。
インドでは原発事故が起きたとき、事業者だけでなく原子炉メーカーも訴訟のリスクを負う。米の原子炉メーカーなどは訴訟を嫌って受注に消極的だが、日本はむしろ「世界トップクラスの日本の技術を堂々とアピールできる」(政府関係者)と前向きにとらえる。独自技術にこだわる中国やロシアの原発市場とは異なり、日本勢が入り込める余地は大きい。
新興国の原発市場を狙うのは日本だけではない。中国や韓国、ロシアは日本より価格を抑えて受注しようと攻勢をかけている。日本は運営ノウハウや技術者の育成なども一体で支援し、激しい競争に挑む。
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