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2013年4月30日 電力10社の平成25年3月期の決算が発表された。 「沖縄電力だけ原発を持っていない」
「原子力発電所が攻撃を受けた時は核兵器でやられるよりももっとひどい被害が出る」小出裕章ジャーナル5/11ラジオフォーラム
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2013-05-12(10:58) みんな楽しくHappy♡がいい♪
ラジオフォーラム
放送日:5月11日(土)〜17日(金)
パーソナリティ:西谷文和(ジャーナリスト)
小出裕章ジャーナル
西谷:
小出先生、今日はですね、沖縄の特集という事でいろいろとお聞きしたい事がありまして、
まずズバリですね、日本の電力会社で沖縄電力だけ原発を持っていないんですよね、
これはやはり基地があるからですかね?
小出:
本当の思惑がどうかは私にはわかりませんけれども、
沖縄というところは皆さんご存じのとおり基地だらけになってしまっているわけで、
そういうところに原子力発電所を建てるという事は、事実上できないと思います。
西谷:裏を返せば米軍は危険だという事を知っていて、そういうものはそういうところには造らないんだと。
小出:
もちろんです。
原子力発電所が攻撃を受けた時にどんな被害が出るか?という事は、
米国の中では度々計算まで行われていて、
西谷:計算までですか?
小出:
はい。
「核兵器でやられるよりももっとひどい被害が出る」というような事まで計算している訳ですから、
基地のところに原子力発電所を建てるという事は、実質的にはあり得ないともいます。
西谷:
日本の電力会社って、発送電株式会社という戦時中はひとつにまとめられて、
で、戦後GHQがその電力会社を9つに分割して、東京電力や関電にしたわけですよね。
小出:そうです。
西谷:その時に沖縄は日本じゃないので、
小出:そうです。
西谷:これは絶対米軍というかアメリカの意向が働きますよね、そうすると。
小出:
もちろん働きますし、
西谷さんが考えておられるように基地がある所に原子力発電所は不適切だっていう事は、
当然米国としては思っていたはずですし、
米軍としてもそう思っていたし、今でも思っているはずですので、
沖縄に原子力発電所が建てられる事は無いと思います。
西谷:
あの、沖縄電力の方は、とは言え建てたいようで、
なんかこっそり揚水発電所なんかつくっているという話も聞きますが。
小出:
そうですか。
実際もし沖縄電力が原子力発電所を建ててしまうとですね、一番困るのはやはり沖縄電力だとおもいます。
というのは、原子力発電所で何か事故が起きると、
一斉に原子力発電所というのは日本中止まってしまったりするわけで、
沖縄でたとえば大きな原子力発電所を建ててそれが止まってしまうなら、
やはり電力供給が出来なくなってしまいますので、
やはり沖縄のような所では小規模分散型というのが一番、電力会社としても良いと思います。
西谷:結果的には沖縄電力は得をしているという事でしょうね
小出:ま、そうですね、はい。
西谷:実はですね、オスプレイというのが配備されて、良く落ちる飛行機で有名なんですけれどもね。
小出:そうですね。
西谷:
あれいろんな、オレンジルートとかで本土へも飛んでいくんですけど、
小出先生もね、四国の伊方原発、裁判等でかかわっておられるんですけれど、
その伊方から約1kmのところに1988年6月に米軍機が墜落した事故がおきまして、
あの…、飛行機が落ちたら壊れますよね?原発って。
小出:
私は壊れると思います。
特にですね、原子力発電所という構造物は、
一番外側には原子炉建屋があるし、それから格納容器というものがあるわけですけれども、
どんな構造物も天井の部分というのは、かなり薄いんです。
西谷:薄いんですか
小出:
壁はですね、コンクリートでもなんでも1m2mの厚さのコンクリートの壁をつくることができるんですが、
天井というのは何処でも薄いです。
というのは構造として持たないのです、分厚くしてしまうと。
西谷:重くなるから。
小出:
そうです。
ですから原子炉建屋の屋根なんていうものは、ま、言ってみればペラペラですので、
西谷:
怖いです、先生それ。
もしオスプレイが落ちたら
小出:
そうです。
横方向から突っ込んでくるものについては彼らも「大丈夫だ」という事を言っている訳ですけれども、
真上から落ちてくるようなものに関してはほとんど無防備だと言っていいと思います。
西谷:
あの、なんていうんでしょうね、
沖縄国際大学に落ちた事件があったでしょ
小出:はい、ありました。
西谷:
あれ、ちょっと、ちょっと話がずれますが、
あの時に米軍は防護服を着てきたんですよね。
小出:そうです。飛び込んできました。
西谷:
沖縄の人達は普通の服で見てたんですが、
先生、あれ、防護服を着てたのはなぜ?
小出:
あのヘリコプターにはですね、
プロペラのところにストロンチウム90という放射性物質を積んでいました。
西谷:えーー、そうなんですか
小出:
6枚のプロペラの羽根があったんですが、
それの一つ一つにストロンチウム90というかなり毒性のたかい放射性物質が積んであった
西谷:それって、確か骨に入ったら大変なことになるという、
小出:
そうです、はい。
それが火災で、ま、壊れて火災で蒸発してしまったりしているわけで、
米軍の方はもちろん放射性物質を積んでいるという事も知っていた訳ですから、
当初から防護服を着てきましたし、
放射能の測定器も持って現場に駆けつけてきました。
西谷:
沖縄の人はそれを知らずに、ま、やじうまみたいな形でね。
抗議もしていましたよね。
で、あの時ね、撮影も禁止だったんですよ。
小出:そうです、もう
西谷:だから非常に機密だったんですよね。
小出:
はい、現場はとにかくもう…、
日本というこの国の筈なんですけれども、米軍が現場を封鎖しました。
その外側を沖縄県警の警察官が米軍を守るような形で取り囲んで、
その周りに人々が、沖縄国際大学の関係者もいた訳ですけれども、
現場に近づくことすらが出来ないという、そういう状態でした。
西谷:
あの、先生、
戦争と原発が非常に繋がっているという事で、前回話をしましたが、
結局、米軍の情報というのは多々あってですね、
福島の事故でも米軍の軍艦は逃げたじゃないですか。
小出:そうです。
西谷:あれも先生、データを持っていたという事ですか?
小出:
日本ではですね、原子力発電所の事故が起きたら、
どちらの方向にどれだけ放射性物質が飛んでいくかという事を
計算するためのSPEEDIという計算コードがあったのです。
西谷:ありましたね。
小出:
確か120億円位投入したと思うんですけれども、
何十年かかけて開発したその計算コードがありまして、
実際にその計算コードは事故の直後から動いていたのです。
ただし、原子力発電所からどれ位の放射性物質が時々刻々出ているか?という事が分からなかったがために、
あまり正確な計算になりはしなかったのですけれども、
それでもずーーっと計算を続けていて、
何月何日何時の時点でどちらの方向が危ないというようなデータはちゃんと持っていたのです、日本の政府は。
ただしそれを「あまり正確じゃない」という事で「日本国民には知らせない」という事にしたのですけれども、
西谷:飯館村の方向へ行くという事を知っていたんですよね。
小出:そうですそうです、それも知っていたんですけれども、日本国民には知らせなかったのです。
西谷:そっちの方へ逃げたんですよね、浪江の人達はね。
小出:
そうです。
ただし米軍には知らせていたのです。
西谷:米軍だけには知らせていた。
小出:
そうです。
ま、米軍というか、米国には知らせていたんですね。
ですから米軍としてはSPEEDIのデータを持ちながら、
何時自分たちの方へ放射能が来るかという事も知りながら行動していた訳で、
自分たちの方に放射性物質が飛んできた途端に彼らは逃げたという事になったわけです。
西谷:
「どこの国やねん」と思いますけれども、
彼らは80km逃げましたもんね。
小出:
そうです。
もう深刻な事故だという事は原子力の専門家であれば誰でも分かっていた訳ですし、
距離をとるという事が原則な訳ですから、
とにかく距離を離して逃げようと、彼らは、米国という国は考えたんですね。
ごくごく当然な判断だったと思います。
西谷:
これ、たとえばですよ、万が一、
ま、あんまり考えたくないんですけれども、
オスプレイがですね、伊方に落ちたらですよ。
これやはり米軍だけが逃げるみたいな事になるんでしょうかね?
小出:(笑)ま、なるかもしれませんね。
西谷:
なんというか、あの、沖縄もそうですし原発もそうですし、
「結局この国はどっち向いて政治しているんだ」と、そういう気がしますが、先生はどう思いますか?
小出:
もちろんそう思いますし、
日米安全保障条約というものがあるわけですし、
日米地位協定というものもあって、
日本は完全にその点で言えば主権を奪われたまま今でもあるわけですね。
ですから日本というこの国が米国につき従うのは国益だという事を、
国家のトップがずっと言ってきたりしている訳ですから
ま、米国ばかり見ているというのは事実だと思います。
西谷:
いずれにしても天井が厚く出来ないのならば、もう本当に何が降ってくるのかわかりませんから、
はやく止めて廃炉にするべきだという事でしょうね。
小出:私はそう思います。
西谷:
今日は沖縄の特集という事で、
「沖縄電力には何故原発が無いのか」というところから、戦争の話も含めてお聞きしました。
小出先生どうもありがとうございました。
小出:ありがとうございました。
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