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除染に群がる暴力団 給料ピンハネ、税金を資金源に
http://www.asahi.com/national/update/0505/TKY201305050237.html
2013年5月6日11時37分 朝日新聞
除染をめぐる事件の構図
http://www.asahi.com/national/gallery_e/view_photo.html?national-pg/0505/TKY201305050238.jpg
福島県内の除染を暴力団が狙っている。山形県の暴力団幹部が作業員を送り込んで給料をピンハネした事件で、除染に使われる税金を資金源にする実態が初めて浮き彫りになった。
■人手不足「チェック甘いと思った」
「震災復興に税金が投入されていることは、わかっていますよね」
元暴力団幹部A(40)は検察官の質問に淡々と答えた。「はい、なんとなく」
3月5日、山形地裁。審理は初公判のこの日で終了し、検察は懲役8カ月を求刑した。約3週間後、地裁はAが派遣業の許可を持たずに福島県伊達市の除染現場に7人を派遣したと認定し、懲役8カ月執行猶予3年を言い渡した。賃金を中抜きした「悪質な犯行」と断じたものの、事件後に暴力団を辞めたことを考慮して実刑は避けた。
政府が復興の柱に位置づける除染に、なぜ暴力団が介在したのか。
Aが所属した指定暴力団の事務所を山形県警から聞いた。県警本部から500メートルほどの住宅街。茶色の屋根に黄土色の壁の2階建てで周りの民家に溶け込んでいる。表札はなくインターホンの脇に「ご用の方はボタンを押してください」とある。組員約40人を抱え、県内最大勢力だという。
県警によると、Aが除染に目を付けたのは昨年11月ごろ。手っ取り早く稼ぐため、伊達市発注の除染で3次下請けに入ったB社に作業員を送り込んで彼らの給料の一部を抜き取ったと取り調べに供述した。「除染は人手がいるからチェックが甘いと思った。事業を拡大していこうと思っていた」とも話したという。
Aは建設業の知人に「仕事のないヤツはいないか」「簡単な仕事で1日1万2千円出す」と触れ回り、少なくとも7人が応じた。AはB社から7人分の賃金を受け取り、少なくとも十数万円を抜き取ってから配ったという。検察側はAがその一部を暴力団に上納したと裁判で指摘した。
7人の中にはAが暴力団関係者だと気づいていた人もいた。Aと十数年前に知り合ったB社社長も、暴力団員かもしれないと思いつつ、本人には突き詰めなかったと警察に話した。
Aの罪は労働者派遣法違反(無許可派遣)。最高刑は1年以下の懲役か100万円以下の罰金で、執行猶予が付く場合も少なくない。県警幹部は「労働者派遣法は暴力団の関与を想定しておらず、刑は軽くなる」。別の幹部は「山形の事例は氷山の一角」と話す。判決後、Aの自宅を繰り返し訪れて家族に取材を依頼したが、今も応じていない。
■「偽装請負」横行、追いつかぬ対策
不正行為を口外したらどんな仕打ちを受けるかわからない――。朝日新聞が続けている「手抜き除染」や「除染手当中抜き」の取材で、作業員がよく口にするのが暴力団への恐怖だ。
飯舘村の除染に入る3次下請けは、2次下請けの幹部が「俺はスジの者だ。毎週、上納に行っている」と話すのを聞いた。逮捕歴を武勇伝のように語っていたという。いわき市の業者も別業者から「うちはそのスジだからよろしく」と作業員受け入れを迫られた。伊達市の除染で働いた男性は「暴力団員だったと名乗る責任者から指示に従うよう脅された」と証言。ある下請けは「暴力団かどうかを気にしていたら作業員は集まらない」と明かす。
環境省や自治体が発注する除染には、ゼネコンを頂点に数万もの業者が関与しているとみられる。労働コストを抑えるため、各地の零細業者を通して作業員をかき集める建設業界の仕組みが持ち込まれた結果、実態は人材派遣なのに仕事を請け負う形を装う違法な「偽装請負」が横行。下請け構造は外から見えにくい。Aの事件の取材でも元請けゼネコンは「個別の商取引」として説明を拒んだ。
行政の対策も追いついていない。伊達市の担当者は「2次下請け以下の業者は把握していなかった。B社の名前は聞いたことがなかった」。厚生労働省の担当者は「身元確認には限界があり、警察に動いてもらうしかない。逮捕直後は再発防止が叫ばれたが、最近は聞かなくなった」と自嘲気味だ。原発労働と暴力団の関係に詳しいフリーライターの鈴木智彦氏は「人集めが難しくなっても1次、2次の下請けが全作業員の直接雇用を徹底して行わない限り、暴力団排除は不可能だ」と話す。
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