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2013年5月1日午前7時05分
日本原子力研究開発機構は30日、高速増殖炉「もんじゅ」(敦賀市)の敷地内を走る破砕帯(断層)の調査について最終報告を原子力規制委員会に提出した。敷地内断層が活断層だと示す痕跡はなく、もんじゅ西側500メートルに位置する活断層「白木―丹生断層」に引きずられて動くこともないとした。規制委は今後、専門家による調査団を組織し現地に派遣し、報告内容を検証する。
もんじゅの敷地内断層は原子炉建物と補助建物の下に8本、堤防側に1本確認されている。マグニチュード6・9の地震を起こす恐れのある白木―丹生断層が動くと、これらの断層が連動して動く可能性を完全には否定できないとして、旧経済産業省原子力安全・保安院が昨年8月、再調査を指示していた。
原子力機構は原子炉補助建物直下で長さ70メートル以上と最も大きい「a破砕帯」を代表的なものと位置付け、同建物北東側ではぎ取り調査を実施。はぎ取り箇所からa破砕帯の延長とみられる二つの断層を確認した。
調査ではこの断層内にあった粘土を約4千万年前につくられたものと測定し、破砕部は古い年代に形成された地質構造だと推定。破砕部の性状が白木―丹生断層と比較しても違うため、活断層であることを示す痕跡はないとした。
断層の活動時期に関しては、13万〜12万年前以降の活動を否定できるかがポイントになるが、断層の上に乗る新しい時代の地層が残っておらず、原子炉補助建物南側で行ったボーリング調査でも年代を特定する火山灰などは確認できなかった。
ただ、過去の堆積物と地形調査などから、a破砕帯周辺は少なくとも2・9万〜2・6万年前以降は動いていないと報告。白木―丹生断層は約9千年前以降も活動しているため、連動していないとし、海上音波探査でも白木―丹生断層と敷地内断層のつながりを示す構造は認められないとした。
規制委は調査団を現地に派遣する方針だが、メンバーや調査時期については未定。原子力機構は「受け入れの準備に1カ月程度は必要」としている。
一方、白木―丹生断層をめぐっては、関電も美浜原発の敷地内断層について連動性を調べており、5月末に最終報告する予定。2月に出した中間報告では「白木―丹生断層から敷地内に向かって分岐、派生する活断層を示唆する構造はみられなかった」としている。
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