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安倍首相がついにトルコと原発輸出に関しての優先交渉権を決めてしまった。
トルコのシノップと言うところへ原発を建設するのだという。既にトルコでは、アックユ・プロジェクトとして、地中海沿岸にロシア製原発の建設が決まっている。そして、このアックユ・プロジェクトがかなりの問題点をはらんでいるのだ。次に引用する記事にも書かれているように、トルコ政府は原子炉の運転管理に関わらず、廃炉や使用済み核燃料の管理もロシア側にまかされている。
そのことを述べた部分を次に抜き出しておく。よく読んでいただきたい。
Aこれを受け 2010 年 12 月、露の「ロスアトム」は、同プロジェクト実行の
ため 100 %子会社「アックユ発電会社(AEG)」を設立した。露のプロジェク
ト遂行責任を維持するため、株式の 51 %以上は保持する約束になっている。
Cアックユ・プロジェクトは、世界初の「建設・所有・運転(BOO)」契約
である。総建設費 200 億米ドルは露側が負担。その返済のため「トルコ電
力取引・契約会社(TETAS)」が AEG から 15 年間にわたり 12.35 米セント
/kWh で電力を購入する(TETAS の 2011 年の平均購入価格 8.35 米セント
/kWh より高いが、2019 年時点の購入価格では割安のはずと AEG は説明し
ている)。
DAEG は、建設、運転、保守、廃炉措置、使用済燃料・放射性廃棄物管理、
損害賠償に責任を負う。AEG は、「廃炉措置」、「使用済燃料・放射性廃棄
物管理」に各 0.15 米セント/kWh の基金を積み立てる。これらの内容や条
件を規定する「露土政府間協定(IGA)」が 2010 年 5 月に結ばれている。
もし事故が起こった場合は損害賠償までもロシア側が持つ契約になっているのだ。
日本が優先交渉権を得たシノップ・プロジェクトは140 万 kW 級原発×4 基を黒海沿岸に建設するものであり、こちらは黒海が大西洋とは通じていない閉鎖した大きな湖であることから、海水温度の上昇や放射能汚染の危険性がある。なによりも黒海はウクライナなどの国にも接していて、これらの国に影響があった場合の賠償義務などがどうなるのかさえはっきりしていない。
そして、もちろん、トルコ政府がロシアと契約したアックユ・プロジェクトと同じように、原子炉の運転・管理から使用済み核燃料の処分や事故時の賠償まで押し付けられる可能性がある。多分、丸抱えだから、平時はかなりの利益を原発メーカーは得ることができるのだろう。しかし、一度事故ってしまえば民間会社が負担できるような損害の規模ではなく、日本政府に請求書が回ってくることは確実だ。儲けは自分の会社で、負担は日本国民へということになる。
仮に、事故が起こらないとしても、核廃棄物の問題は解決のしようがない。いったい何を考えているのだろうか。
http://www.jaif.or.jp/ja/asia/turkey/turkey_data.pdf より一部引用:
<トルコの原子力発電導入準備状況の要約>
1.トルコは欧州 6 位、世界 16 位の経済規模で、2023 年に世界 10 位の経済大
国になる目標を立てている。
2.トルコの 2011 年末の発電設備容量は、5,323万5千 kW(ガス 37.3 %、水
力 32.2 %、石炭 23.2 %、風力 3.2 %、石油 2.6 %、地熱 0.2 %、他 1.3 %)。
また同年の発電量は 2,284 億 kWh、電力需要の伸びは 8.4 %/年であった。
3.トルコの電力需要は、2020 年で 3,980 億 kWh(低成長ケース)〜4,340 億
kWh(高成長)が予想される。これは 2011 年末の 1.7 倍〜1.9 倍に相当する。
4.トルコは長期的なエネルギー資源利用では、原子力で 5 %、再生可能エネ
ルギーで 30 %を賄うことを目標にしている。
5.(アックユ・プロジェクト)
@トルコは 2010 年 5 月、地中海沿岸 Akkuyu での 120 万 kW の VVER(ロシア
製加圧水型炉)×4 基の建設・運転・保守等をロシアに発注した。
Aこれを受け 2010 年 12 月、露の「ロスアトム」は、同プロジェクト実行の
ため 100 %子会社「アックユ発電会社(AEG)」を設立した。露のプロジェク
ト遂行責任を維持するため、株式の 51 %以上は保持する約束になっている。 4
B初号機の運転開始は 2019 年。以降毎年 1 基が運転開始する予定である。
Cアックユ・プロジェクトは、世界初の「建設・所有・運転(BOO)」契約
である。総建設費 200 億米ドルは露側が負担。その返済のため「トルコ電
力取引・契約会社(TETAS)」が AEG から 15 年間にわたり 12.35 米セント
/kWh で電力を購入する(TETAS の 2011 年の平均購入価格 8.35 米セント
/kWh より高いが、2019 年時点の購入価格では割安のはずと AEG は説明し
ている)。
DAEG は、建設、運転、保守、廃炉措置、使用済燃料・放射性廃棄物管理、
損害賠償に責任を負う。AEG は、「廃炉措置」、「使用済燃料・放射性廃棄
物管理」に各 0.15 米セント/kWh の基金を積み立てる。これらの内容や条
件を規定する「露土政府間協定(IGA)」が 2010 年 5 月に結ばれている。
E既契約分は 120 万 kW×4 基だが、2 基追加発注の可能性が出ている。
F(アックユ・プロジェクトのための AEG による原発人員養成)
運転・保守要員 500〜600 名/基が必要。当初は 60 %がロシア人、40 %が
トルコ人と想定。これに基づき 2011 年 9 月、トルコ人学部生 50 人の 5〜
6 年間にわたるロシア留学派遣を開始した。AEG が全費用を負担している。
ロシア国立原子力研究大学 (MEPhI)、モスクワ・エネルギー大学等が受け
入れ先。帰国後 12〜13 年間 AEG で働くことが条件。2013 年からは 200 人
/年に増員する。
6.(シノップ・プロジェクト)
@黒海沿岸の Sinop での 140 万 kW 級原発×4 基程度建設の計画。
A同プロジェクトは、2010 年 11 月に韓国が辞退し、12 月に日本と東芝に
優先交渉権が来たが、2011 年 3 月の福島事故で交渉が中断した。トルコ
は同じ地震国日本に耐震技術と事故教訓の反映を期待して交渉継続と発
表した。
Bその後 2012 年 2 月再度韓国に 2 基建設の期待を表明、また 4 月には中国
とカナダからの交渉参加への関心を歓迎すると発表した。
現在トルコ政府は、日・韓・中・加との交渉を並行して進めていることを
明らかにしている。
Cプロジェクト規模に関しては、近隣国への電力輸出も視野に、最大 10 基
とすることを示唆している。
7.トルコの政府間原子力協力協定締結相手国は、加、アルゼンチン、独、仏、
韓、米、露、中(2012 年 4 月 9 日)。日本とは交渉中。
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