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2013年04月25日 06時00分
日本原子力産業協会(原産協)の今井敬会長(新日鉄住金名誉会長)は24日、第46回原産年次大会の冒頭に所信表明し、原子力発電所を再稼働する見通しがつかない状況が続く場合、「原子力業界の投資の停滞とともに、技術力の低下、人材が他産業や海外へ流出するなど(空洞化が)一層深刻になり日本の国力の基盤が低下する」と警鐘を鳴らした。
また「自民党政権は原子力規制委員会の下で『安全が確認された原子力発電所は再稼働させる』方針を打ち出した」と指摘し、安倍晋三首相が民主前政権の“30年代に原発稼働ゼロ”の政府方針を白紙で見直す判断を評価した。その上で、「早期に適切な政治判断をされることを切に望む」とし、電力安定供給の基幹電源として原発再稼働が必要との認識を示した。
原発の再稼働をめぐっては、茂木敏充経済産業相が23日に出演した民放の番組収録において最速で今秋に再稼働できるとの見通しを初めて示した。原子力規制委員会は7月18日にも「新規制基準」を施行する方針。東日本大震災後4年目となる2014年夏に向けた電力ピーク需要抑制の緩和、安倍内閣が13年6月にも示す新成長戦略の実現には、電力を安定供給する環境を整えて企業に強いている節電の負担感を低減することが条件になる。
原産協は原子炉メーカーなど原子力関連企業が加盟している。原発を一刻も早く再稼働させるためにも、原子炉メーカーやゼネコンなどを軸に、規制委員会が秋以降実施する適合検査を支える新たな段階に入る。
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