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http://mainichi.jp/select/news/20130418k0000m020124000c.html
2013年04月17日 22時41分(最終更新 04月17日 23時58分)
九州電力は17日、早期再稼働を目指す川内原子力発電所1・2号機(鹿児島県)を報道陣に公開した。東日本大震災以降、高台に移動式発電機を配備するなど「可能な限りの対策を講じている」ことが公開の背景にある。7月中旬にも始まる原子力規制委員会の安全審査を前に、利用者や立地自治体に説明を重ね、再稼働への理解を得たい考えだが、越えなければならないハードルも多い。
「大津波警報が発令された」。中央制御室を模した敷地内の訓練センターに発電所員の声が響いた。津波で全電源が喪失した場合を想定し、非常用電源を活用して原子炉の冷却を続ける様子が披露された。
「震災前は津波を想定した訓練はしていなかった」と九電の米丸賢一・川内原発次長は説明する。沿岸は比較的遠浅で、地震を引き起こすプレートも見られず、古文書にも記述がない。沿岸の想定津波高は3.7メートル。原発が立つ海抜13メートルを大幅に下回る。
だが九電は、福島第1原発事故が経験した15メートルの津波を考慮に入れ、浸水への備えを進める。例えば、原子炉建屋近くに計4基ある非常用ディーゼル発電機の扉を防水扉に切り替えた。大型船など津波漂流物が建屋にぶつかるのを防ぐため、周辺に防護ワイヤロープを複数取り付けた。
さらに、原子炉建屋に近い海抜33メートルの高台には▽移動式の高圧発電機車4台▽ガソリンなどを動力に海や池から送水する3種類20台のポンプ▽がれきを取り除く重機3台−−などが新たに配備された。震災前から高圧線など複数の電源が備わっているが、「電源を喪失しても、自力で長期間冷却できるようになった」(米丸次長)と自信をみせる。玄海原発(佐賀県)と合わせ、安全対策には二千数百億円をかける。
規制委は今月10日、原発の新たな規制基準案を公表。福島第1原発の免震重要棟のような緊急時対策所の即時設置などを求めた。九電は2年後の15年度中の完成を予定。それまでは代替施設で対応することになり、規制委が認めるかは不透明だ。
新たに規制基準に盛り込まれた火砕流対策も課題だ。半径160キロ圏内で過去1万年以内に活動した火山が対象で、川内原発では桜島や新燃岳などがこれに当たる。九電は川内3号機の増設準備の際に「影響は少ない」と結論づけているが、追加調査に時間がかかる可能性もある。
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