http://www.asyura2.com/13/genpatu31/msg/244.html
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「年間の線量を1mSvとした場合、多数の人に移住などの重大なデメリットが生じるので、20mSv以内で調整することを勧告しています。 つまり、1mSvの被ばくの状況では、1mSvの線量を受けるデメリットよりも移住等によるデメリットの方が明らかに大きいので、移住しなくていいようにある程度線量の値を緩和する必要が生じます。ICRPの勧告は、その調整の上限値を20mSvまでで行いなさい、という意味です。 今回は事故ですので、この制限を迫られる住民にはデメリットしかありません。ですから、この調整は国がそういったデメリットに対する保障も含めて責任を持って行うべきであるのですが、現在それがなされているとは言えない状況であるために、このような情報の氾濫を招いていると考えられます。」
専門家が答える 暮らしの放射線Q&Aから
http://radi-info.com/wadai/w-1/index.html
掲載日:2011年10月27日
「100 mSv以下は安全だ」と言う専門家や、「1 mSv以上は危険だ」という専門家がいて、異なる見解が乱立していることが大きな混乱を社会にもたらしているように思われます。「100mSv」や「1mSv」は、ICRP勧告を基にした数値です。以下に「100mSv」や「1mSv」についてのICRPの考え方を整理しました。
1 mSv、100 mSv共に数値の出所はICRP(国際放射線防護委員会)の勧告です。これは、国際的な放射線防護のための取り決めであり、日本の法律は、1990年の勧告を取り入れています。なお、2007年勧告が最新版として公表されていますが、現在、放射線審議会基本部会で法令への取り入れについて検討が行われています。
ICRP勧告では、一般公衆が1年間に計画的に受ける放射線の線量は、自然からうける放射線の影響を除いて、1 mSvとするとされています。これは様々な研究の結果や世界中で人々が通常生活していて自然に受ける放射線の線量などを総合して、ICRPが公表したものです。 一方100 mSv以上の線量を受けた場合、将来がんになる確率が明確に高くなるとしています。したがって、この値(100 mSv)を超える被ばくが想定される場合は基本的に防護対策を考える必要があるレベルとしています。つまり、100 mSvは線量が体に悪影響を及ぼすしきい値(これ以上受けると確実に影響が現れる線量)ではなく、放射線防護対策を決めるための参考値です。
「100mSv以下は健康に影響がない」という説は、放射線を受けた集団と受けていない集団を比較する疫学調査を元にしたものと考えられます。疫学調査では、放射線が原因で将来がんになるリスクは原爆での被ばくのようにごく短期間に200mSv以上受けた際に、影響が統計的に確認されると報告されています。 しかし、これは200mSv以下ではがんになるリスクがないということを約束するものではありません。人間は生活習慣や遺伝等、いくつもがんになるリスクを持っています。 200mSv以下の場合は確率が小さいので、その他の確率に埋もれてしまってよくわからない、というのが本当です。
一方、「1mSv以上は危ない」というのは、上述の200mSv以下の低線量では影響がよくわからない、リスクは小さいとはいえ0ではないということを根拠として述べられていると考えられます。端的に申しますと、「明確でないから安全」「明確でないから危険」とする立ち位置の違いによって、意見がわかれていると考えられます。
ICRPでは、100mSv以下の低線量の不確実さを踏まえ、被ばくはできるだけ低減するように努力しなければならないとしています。 ”低減”の度合いの考え方は、2007年勧告に詳しいですが、その人が生活する上でのメリットとデメリットをかんがみて決めることになります。危険に見合う便益があることが基本です。 たとえば、レントゲン撮影では、被ばくリスクを受け入れるというデメリットの代わりに、体の悪いところが分かるという対価(メリット)を得られるので、その被ばくは許容できる、ということになります。 ICRPは福島原子力発電所事故のように放射性物質が一般環境に蓄積し、これによる被ばくが明確な状況においては、年間の線量を1mSvとした場合、多数の人に移住などの重大なデメリットが生じるので、20mSv以内で調整することを勧告しています。 つまり、1mSvの被ばくの状況では、1mSvの線量を受けるデメリットよりも移住等によるデメリットの方が明らかに大きいので、移住しなくていいようにある程度線量の値を緩和する必要が生じます。ICRPの勧告は、その調整の上限値を20mSvまでで行いなさい、という意味です。 今回は事故ですので、この制限を迫られる住民にはデメリットしかありません。ですから、この調整は国がそういったデメリットに対する保障も含めて責任を持って行うべきであるのですが、現在それがなされているとは言えない状況であるために、このような情報の氾濫を招いていると考えられます。
参考:文部科学省及び米国エネルギー省航空機による航空機モニタリングの測定結果について
http://radioactivity.mext.go.jp/ja/1270/2011/05/1305820_20110506.pdf
<参考リンク>
◆がんのリスク『喫煙と飲酒と放射線』比較
http://neta.smart-ness.net/saku_neta/3212.html
発がんリスク『生活習慣と放射線』比較
受動喫煙の女性 1.02〜1.03倍
野菜不足 1.06倍
100〜200ミリシーベルトを浴びる 1.08倍
塩分の取りすぎ 1.11〜1.15倍
200〜500ミリシーベルトを浴びる 1.16倍
運動不足 1.15〜1.19倍
肥満 1.22倍
1000〜2000ミリシーベルトを浴びる 1.4倍
毎日2合以上の飲酒
2000ミリシーベルト以上浴びる 1.6倍
喫煙
毎日3合以上の飲酒
この調査は、広島、長崎の原子爆弾で被爆した約4万4000人を長期間、追跡調査した結果がんが発症した割合と生活習慣によるがん発生リスクの疫学研究を比較した結果です。
(津金昌一郎 予防研究部長ら)
受動喫煙の女性は、1日1箱たばこを吸う夫を持つ妻が受動喫煙でがんになるリスク(1.02〜1.03倍)
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