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クローズアップ2013:福島第1、汚染水漏れ 場当たり仮設の弊害 (毎日新聞) 
http://www.asyura2.com/13/genpatu31/msg/205.html
投稿者 赤かぶ 日時 2013 年 4 月 08 日 00:44:00: igsppGRN/E9PQ
 

http://mainichi.jp/opinion/news/20130407ddm003040151000c.html
毎日新聞 2013年04月07日 東京朝刊


 東京電力福島第1原発で判明した、地下貯水槽からの放射性汚染水漏れトラブル。専門家は、汚染水に含まれる高濃度塩分が、貯水槽の遮水シートの機能低下につながったと指摘する。事故から2年、東電は増え続ける汚染水の処理に追われ、こうした仮設の設備でしのぐ「自転車操業」を続けてきたが、そのほかにもトラブルやミスが頻発。綱渡りにもほころびが目立つ。

 ◇濃塩分で機能低下か

 地下貯水槽は地面を掘り下げて、その上を3層の防水シートで覆った構造。産業廃棄物処分場やため池も同じ工法が使われている。3層の構成は、内側から1、2枚目がポリエチレン製のシート(厚さ1・5ミリ)。3枚目は粘土鉱物を主成分とする「ベントナイト」(同6・4ミリ)といわれるもので、水に触れると内部の成分が膨らんで水の通り道が狭まり、遮水する機能がある。

 東電は、本来は汚染水が入り込むことがあり得ない2、3枚目の間に放射性汚染水があるのを発見。1立方センチ当たり6000ベクレルの放射性物質を検出した。これにより、内側から1、2枚目がともに破れている可能性があると推定した。

 さらに3枚目と、土壌との間からも汚染水が見つかったが、東電は3枚目については「シートの継ぎ目から漏れている可能性がある」とみる。東電は三つのシートについて、使用前に実際に水を入れた漏えい試験を実施したが、これまで異常はなかった。

 一方、土木工事に詳しい専門家は、貯水槽にあった汚染水が濃縮塩水だったことに注目している。

 茨城大の小峯秀雄教授(土木・地盤工学)は、(1)汚染水に含まれる高濃度塩分によってベントナイトが膨らまず、防水機能が発揮されなかった(2)汚染水などの重みでシートの継ぎ目に負荷がかかり、隙間(すきま)が生じた−−とし、複合要因が重なったとの見方を示す。

 小峯教授は「3枚目のベントナイトに、想定外の塩水が浸入したことが原因ではないか」と言及。ベントナイトは厚いほど防水性が増すため、シートの厚さ不足も背景にあるとの見解を示した。

 岡山大の西垣誠教授(地盤環境学)も「真水であれば十分耐えられたが、濃縮塩水では1、2枚目が破れると外部へ漏れる可能性が高い」と語った。

 こうした指摘に、東電広報部は「塩分の影響があることは一般論として把握しているが、それでもある程度の遮水性はあると期待している」としている。1、2枚目の破損原因について、事前の点検漏れの可能性もあり、東電は汚染水を別の地下貯水槽に移し替える作業を終了次第、本格的な原因調査をする方針。【鳥井真平】

 ◇規制委、依然「東電頼み」

 「仮設設備を使い続けた弊害が出た」と、第1原発所長を務めた二見(ふたみ)常夫・東京工業大特任教授は指摘する。

 今回の地下貯水槽は2月に運用が始まり、容量の1万3000立方メートルはほぼ満杯だった。汚染水は地下水などの流入で1日約400立方メートルずつ増えており、約1カ月分ためる能力があった。タンクに比べてコストがかからないことから、東電は汚染水を仮設保管する「切り札」と考えていた。

 地下貯水槽は漏れがあったものを含めて計7基(全容量5万8000立方メートル)あり、約5カ月分に相当する。だが、いずれも同じ素材のシートを使用。同様のトラブルが起こる可能性を抱えており、東電の汚染水保管計画全体に影響しかねない。尾野昌之原子力・立地本部長代理は6日、「汚染水の保管状況は非常にタイトになっている。今回の結果、貯蔵プランの見直しが必要になる」と述べた。

 第1原発で、貯水槽やタンクに保管されている汚染水は2日現在、約27万6000立方メートル。これに対し、保管容量は約33万立方メートルで、容量の8割強。東電は今後もタンクを増設して急場をしのぐ方針だが、事故から2年経過しても「自転車操業」は変わっていない。

 一方、原子力規制委員会は水漏れがあった貯水槽について法的な「使用前検査」などを実施せず、東電が作成した建設計画を事実上「追認」しただけだった。「貯水槽の建設計画を提出した段階で、規制委の承認を受けたと認識している」。尾野氏はこう述べた。

 規制委は昨年11月、第1原発を改正原子炉等規制法に基づく「特定原子力施設」に指定。廃炉が完了するまで、規制委が収束作業を監視する態勢を法的に整えた。しかしトラブルが絶えない。規制委は今回、漏水発覚後に汚染水を他の貯水槽に移すよう東電に指示したが、計画段階では規制組織としての役割を発揮できなかった。第1原発の出先機関に当たる「原子力規制事務所」の職員はたった8人。一方、第1原発では1日当たり約3000人が収束作業に当たっており、規制組織の「マンパワー不足」も課題だ。【中西拓司】

 ◇地元の声 県、「早く究明を」/漁連、風評被害懸念

 汚染水漏れを受け、福島県庁では6日午前、関係課長会議が開かれた。水産や避難地域復興など各課から7人が参加。渡辺仁・原子力安全対策課長が「一刻も早い原因究明は当然だが、海へしみ出していないか詳しい調査も東電に求めている」と報告した。参加者からは「イメージダウンにつながりかねない」などの意見が相次いだ。

 東電は「海に流出する可能性は低い」としているが、地元では海の再汚染を懸念する声が出ている。

 福島沖では今年3月、事故以来自粛していた沿岸漁業のコウナゴ(イカナゴ)の試験操業が始まったばかり。福島県漁連の新妻芳弘専務理事は「風評被害につながりかねない。海への流出を食い止めるよう、東電にはあらゆる努力をしてもらいたい」と話す。【神保圭作】

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 ◇「冷温停止宣言」後の福島第1原発の主なトラブル

11年12月 野田佳彦前首相が「冷温停止状態」を宣言

  〃    1号機の使用済み核燃料プールの冷却が一時停止

12年 2月 2号機の圧力容器底部の温度が急上昇。ホウ酸水を原子炉内に投入したが、後に温度計の故障と判明

    3月 塩分除去装置の配管から高濃度の汚染水が海に流出

    4月 1〜3号機の圧力容器内に水素爆発防止のため窒素を注入していた装置が停止

13年 3月 1、3、4号機の使用済み核燃料プールの循環冷却装置などが停電で停止。2日後に全て復旧した。ネズミが配電盤に接触してショートしたのが原因と発表

    4月 正門付近にある、放射性物質が設定値を超えたことを知らせる警報が誤作動。過去4回誤作動していたが、県や周辺自治体に公表していなかった

  〃    試験運転中の汚染水処理設備「多核種除去設備(アルプス)」が一時停止。作業員の操作ボタン押し間違いが原因

  〃    3号機の使用済み核燃料プールの冷却装置が約3時間止まる。小動物侵入防止用の金網設置工事中に、針金が端子に触れて漏電したのが原因


 

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