http://www.asyura2.com/13/genpatu31/msg/129.html
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まずは腰痛の話である。
「腰痛、推定2800万人 40〜60代の4割、悩む」 (朝日新聞 2013/3/24)
http://www.asahi.com/tech_science/update/0323/TKY201303230226.html
40〜60代の4割というのは多すぎるように思うがどうだろうか。
10年前のデータによると過去1ヶ月の腰痛の有病割合は、年齢に限らず約3割であった。
「腰痛に関する全国調査 2003年」 (日本リサーチセンター)
http://www.joa.or.jp/jp/media/comment/pdf/lumbago_report_030731.pdf
おそらく調査方法・対象が違うだろうから単純には比較できないが、腰痛は増えているのかも知れない。
この手のデータは設問次第でどうにでもなる。
40歳以上の人なら、週末のスポーツや慣れない作業などで一時的に腰痛になるのはよくあることだ。
それらと、生活に支障をきたすほどの腰痛、治療を必要とする腰痛とははっきり区別すべきだと思うのだが、
どうだろうか。
単なる腰痛の話だと意に介さずに読み終えるところだったが、朝日の記事の次の一文に目が止まった。
「ストレスなど心理的な影響も腰痛の引き金になると認定した」
「ストレス」という言葉が出てきたら要注意である。もしやと思って調べてみたら、やはりそうであった。
原爆被爆者の腰痛罹病率は一般国民の3.6倍と、他の疾患に比べて圧倒的に多い。
http://genjitsu.jp/archives/238
被曝に詳しい矢ヶ崎克馬先生もこう指摘されておられる。
「また放射線による内部被曝では、原爆の被ばく生存者と一般国民の疾病の罹患率を比較した結果、
原爆の被ばく者は晩発性のがんだけではなく、通常の腰痛や高血圧、視覚、神経障害などの疾患に
かかる率が著しく高くなることが認められています」
(「内部被曝隠しと安全神話」矢ヶ崎克馬 週刊朝日緊急増刊:朝日ジャーナル「原発と人間」 2011/5)
http://kenyoshiki.cocolog-nifty.com/blog/2011/08/post-aef3.html
おそらく福島事故の被曝の影響で腰痛を訴える人が激増しているのではないか。
この朝日の記事は、
「あなただけでなく、たくさんの人が腰痛に悩んでいますよ。
ストレスが引き金になることが多いです。あなたもそうではありませんか」
という印象操作、誤認誘導が目的である可能性が高い。
次は脳梗塞の例である。
テレビ東京の大橋未歩アナウンサーが若干34歳で脳梗塞に倒れ、マスコミ内外で衝撃が走った。
「脳梗塞 若くても発症 チェックは『FAST』で」 (日経新聞 2013/3/15)
http://www.nikkei.com/article/DGXDZO52827970V10C13A3EL1P01/
この記事によると、45歳以下の若年性脳梗塞は年に1万人ほど発症するそうだ。
1万人と聞くと多そうだが脳梗塞患者全体の1%である。30才台以下はもっと少ない。
また事故で頭を強打して発症したような例を除けばさらに少なくなる。
10年前に歌手の西城秀樹さんが脳梗塞に倒れたときは、まだ若いのに、と大きく取り上げられた。
それでも当時48歳だった。
30台半ばで脳梗塞になるのは非常に珍しいと言ってよいだろう。
こんなに若い人が脳梗塞になった例を今までに聞いたことがない。
大橋アナの発症が被曝の影響とは断定できないが、否定もできないだろう。
彼女の発症と前後して、脳梗塞のリスクに関する報道が増えてきた。
若くても脳梗塞になるのだ、と言いたくてしかたがないかのようだ。
清涼飲料飲みすぎ、脳梗塞リスク増 毎日の女性1.8倍 (朝日新聞 2012/12/26)
http://www.asahi.com/science/update/1226/TKY201212260443.html
激しい性交渉はリスク高 (女性自身 2013年2月7日号)
http://www.zakzak.co.jp/entertainment/ent-news/news/20130127/enn1301270945005-n1.htm
これらの指摘は医学的には正しいのだろうが、福島事故以来、脳梗塞が急増していることの説明にはならない。
脳梗塞の多発をごまかすための報道である可能性が高いのだ。
以上のように、
(1) 福島事故以前から多くの人が悩んでおり、とくに珍しくない疾患であること。
(2) ストレス、風疹、PM2.5など、被曝とは関係ないことが原因らしいこと。
この二点をことさらに強調し、被曝の影響から目をそらす印象操作、誤認誘導報道が
多くなってきたと言えるだろう。
誤認誘導報道については、次のブログでも言及されている。
内容が専門的であり、また「●の影響」と放射能・被曝を伏字にしている慎重さからして、
おそらく医師の方が書かれているのだろう。
「●の影響」 大衆の誤認誘導報道の疑わしい例(5) 腰痛
http://blog.goo.ne.jp/site_epsilon/e/02a0441803436c28792cc9c07e4e2fcd
私のような素人だけでなく専門家でも報道がおかしいと思っておられるようで、意を強くした次第である。
あきらかに被曝の影響を隠す目的の巧妙な報道が増えてきた。
安易にだまされず、報道内容をよく吟味する必要があるだろう。
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