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福島県外3県における甲状腺有所見率調査結果の深刻さ(訂正版)
http://www.asyura2.com/13/genpatu31/msg/118.html
投稿者 taked4700 日時 2013 年 4 月 01 日 00:28:42: 9XFNe/BiX575U
 

福島県外3県における甲状腺有所見率調査結果の深刻さ(訂正版)

 次の記事を3月29日に投稿しましたが間違いがありましたので訂正します。

福島県外3県における甲状腺有所見率調査結果の深刻さ
http://www.asyura2.com/13/genpatu30/msg/899.html
投稿者 taked4700 日時 2013 年 3 月 29 日 19:42:14: 9XFNe/BiX575U

 お詫びして訂正をします。非常に大きな勘違いをしていましたので、再度記事を投稿しなおします。

まず、結節とのう胞の両方についてのデータを比較してみます。

 福島県外3県における甲状腺有所見率調査結果について(お知らせ)( http://www.env.go.jp/press/press.php?serial=16520 )より
         A1       A2        B
3市全体: 42.4% 56.6% 1.1%
弘前市:   41.1%     57.6%       1.3%
甲府市:   29.5%     69.4%       1.1%
長崎市:   56.9%     42.5%       0.6%

 福島県の平成24年度の結果(http://www.pref.fukushima.jp/imu/kenkoukanri/koujyosen-ketuka2501.pdf )より、
         A1       A2        B
福島県:   55.8% 43.6%     0.6%

 3市全体のデータと福島県のデータを比べると、A1のデータで福島県のほうが大きくなっています。環境省は、これを3市での検査は2歳以下の幼児を対象に含んでいないため、甲状腺に異常の出にくい2歳以下の幼児を含んでいる福島県のデータで、A1、つまり異常なしが多くなったのだと説明しているようです。しかし、仮にそうだったとしても、同じ条件である甲府市のA1が29.5%であるのに対し、長崎市が56.9%で約2倍の開きがありますから、このこと自体が何らかの異常があることを示しています。またある程度の異常とみなすことができるA2にしても3市全体で56.6%であり、これは福島県の43.6%を10%以上上回りますから、これもおかしなデータであることに変わりありません。

 次に3市全体でのデータを使って、結節とのう胞のそれぞれのデータを福島県のものと比較してみます。
 
結節
         A1       A2       B    
3市      98.4%     0.6% 1.0%
福島  99.0% 0.4%      0.6%


のう胞
         A1       A2       B    
3市      43.1%     56.9% 0.0%
福島     81.5%     18.5%       0.006%

 ほぼ一目瞭然ですが、結節では3市合計のデータと福島県のそれがあまり異ならないのに対し、のう胞ではA1、A2ともに大きく異なります。ここで、3市合計には2歳以下のデータが含まれていませんから、福島のデータから2歳以下のデータを差し引いて再計算をしてみれば比較ができることになります。ところが、福島県の年齢階層別は2歳以下という階層はなく、0から5歳ですから、2歳以下のデータを除外できません。よって、共通の尺度である6歳から10歳、11歳から15歳、16歳から18歳で3市合計と福島県のそれを比較してみましょう。3市での結節・のう胞別のデータは年齢階層別には示されていませんから、結節・のう胞両方を含んだ割合の比較になります。

結節・のう胞の両方での比較

A1  6歳から10歳、     11歳から15歳、   16歳から18歳
3市 44.5% 39.4% 40.3%
福島 48.4% 46.7% 53.7%

A2  6歳から10歳、     11歳から15歳、   16歳から18歳
3市 55.3% 59.4% 57.8%
福島 51.4% 52.5% 44.3%

 B  6歳から10歳、     11歳から15歳、   16歳から18歳
3市 0.2% 1.6% 1.9%
福島 0.26% 0.80% 1.96%

 以上のデータで見ると、A1、つまり、全く異常を見なかったグループがどの年齢階層でも福島県のほうが大きく、これはソナーをあてる時間が短いと言われていることから、検査での見逃しがかなりあることを示唆していると思えます。
 次に、A2、つまり、多少の異常が発見されているグループですが、こちらは福島県のデータがどれも小さい値を示しています。これも福島県での検査で見逃しが多くあったことを示唆していると考えるのが多分妥当でしょう。

 最後にB、つまり、かなり異常があると思え、2次検査対象となるグループですが、11歳から15歳の階層で3市合計のほうが2倍の値を示しています。これはかなり異常であり、もともと小児甲状腺患者は100万人に一人程度が正常な発症率とされていたのですから0.1%以上の値が出てくること自体が異常です。

なお、グループBは5.1o以上の結節あるいは20.1o以上ののう胞を認めた場合であり、本来であれば2次検査対象となるグループですから、それなりに慎重に検査がされたと考えるべきだと思います。少なくとも、この値は増える可能性があっても減る可能性はありませんから、日本全体がかなり低線量被曝を受ける環境になっていると考えるべきデータです。このことが明瞭に分かっただけでも今回の3市の調査は意味があったと言えると思います。

 次に、実際に甲状腺がん発症の可能性を考えてみます。第10回福島県「県民健康管理調査」検討委員会議事録( http://www.pref.fukushima.jp/imu/kenkoukanri/20130213gijiroku.pdf )によれば、福島県の平成23年度分の2次検査で、2次検査受診者151人中10名が甲状腺がんであったということですから、2次検査受診者15名に1名の割合です。この確率を当てはめて計算すると、3市合同で2次検査対象は44名ですからほぼ3名が甲状腺がんにかかっている可能性があります。そして、これは受診者全体4365名中の3名と言うことですから、確率的に言えば、0.069%であり1000人に一人をほぼ意味します。

 「一般に小児の甲状腺がんの発生は100万人当たり1〜3人といわれています」( 日本臨床検査薬協会 「チェルノブイリ原発事故と小児の甲状腺がん」http://www.jacr.or.jp/topics/09radiation/03.html )ということですから、3市合計の小児甲状腺がん発症確率は正常な状態での確率と比べて数百倍から1千倍に近いということになります。

 チェルノブイリでの発症確率と比較をしてみます。チェルノブイリでは事故時に幼児であった「男児で4,810人中7人(約0.15%)、女児は4,910人中24人(約0.5%)」( 前掲と同じ http://www.jacr.or.jp/topics/09radiation/03.html、検査時期は1990年から2004年と思われる )で、男女合わせての確率は0.32%ですから、3市合計の確率は、チェルノブイリのちょうど半分ぐらいとなります。

 なお、このチェルノブイリのデータと福島県とのデータを比較すると、福島では38114名から10名が小児甲状腺がんにかかっているということですから、0.026%となり、チェルノブイリと比べて福島の発症確率は10分の1程度となります。

 こう比較すると、チェルノブイリと比べてまだ軽度であると思えますが、現実には事故後2年よりも後の方が発症確率が高くなる傾向があり、今後日本での発症が増える可能性はかなり高いと思われます。

 以上の分析から言えることは、福島県内の状況はもちろんのこと、日本全体の状況が決して楽観できるものではないということを示しています。少なくとも毎年追跡調査を日本全体でやる必要があり、また、ビタミンCや乳酸菌の摂取を計画的に行って免疫機能を維持する必要があるのではないでしょうか。更に、学童は低線量被曝がある環境からの疎開が必要であると思われます。

 最後に、日本では2000年に山下教授が長崎でやった小児甲状腺検査があり、また福島でのデータと今回発表になった3市でのデータがあるわけですが、どういうわけか、互いにきちんと比較できにくい形でデータが公表されています。どの検査においても、受診者個人のデータが保存されているのですから、共通の尺度で比較できるような形でのデータの公表が必要です。
 

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コメント
 
01. 2013年4月01日 08:22:01 : Y3nPO9hCj2
全国的に放射性ヨードによって汚染されているとの分析結果に賛成です。チェリノの現況を見ても被爆者は終生甲状腺癌を心配しなくてはなりません。
 ビキニは数千キロ隔たっておりますが、死産や小児癌が多発する影響があったそうです。ビキニ胎児世代の妻が50年程経過して甲状腺摘出手術を受けなければならなくなりましたが、私はビキニを疑っています。

02. 2013年4月01日 18:53:59 : AjbKBZlxD6
甲府と長崎の違いは地理と食生活の違いじゃないの?
内陸部と沿岸部で結果が違う理由なんて見当が付きそうなものだけどな。

03. 2013年4月01日 20:31:21 : FLXbtr6PJI
この2年間、日本生協連コープが、『食って支援』と日本全国に放射性物質をばら撒き、若い子育て中の母親たちに『安全・風評』と宣伝しまくったため、どこもかしこも薄く汚染されてしまい、統計データが役に立たなくなってしまった。
確かに放射性物質の拡散はコープだけではないが、子を持つ母親たちの意識と行動を左右したのは、過去の活動実績に基づくコープの「500ベクレル政府基準で問題ない」という官僚迎合の姿勢と、人の善意に付け込んだ、被災地支援のキャンペーンを、コープが真っ先に行うことで、不安や疑問を母親たちが口に出来なくなってしまったこと。
チェルノブイリのとき、自主基準370ベクレル(海外産であまり口にすることが無い)が、なぜ、毎日口にする国産500ベクレルでもOKになったのか。
ヨーカドーやすかいらーくなどの商売人が欲得に根ざす単純犯なら、コープは、その活動の中で過去、ヒロシマ・ナガサキ、被爆者援護法制定、第5福竜丸などなど、放射性物質や放射線の影響について組織内部に蓄積してきたはずであり、汚染地の作物を全国に拡散し放射性物質による内部被曝や低線量被曝の危険性を誤らせたことは、意図的、確信的犯罪行為だったのではないかとさえ感じる。

04. 2013年4月01日 23:18:17 : BL2K9P7cYo
このデーターが本物なら、福島、弘前、甲府、長崎、程度の差はあるけれど日本中がもれなく放射能汚染された可能性があるということ。福島のB判定が弘前・甲府より少ないのは食べ物に気をつけているからではないか。
原発が爆発した時、韓国が放射能汚染のことで騒いでいた。北米も何やらかんやら言っていた。放射能が韓国や北米を目指して日本を素通りしていくわけないから相当汚染されているだろうなぁ。

05. 2013年4月02日 16:40:35 : HzImJOv8gw
福島の検査結果はどうなりましたかね?40,000人調べて3人が甲状腺癌で手術済み。
残りの7人は悪性の疑いありとのことでしたが、もう結果は出ているはずなのでは?
公表できない結果だったということなのでしょうか?

加えてこの10人の居住地域もプライベートを理由に公表されていませんが、
汚染区域と罹患発生場所を比較検討するのは大変重要なことではないのかな?
それすら隠さなければならないほど事態は重大だと理解するほかないんだが。。。


06. taked4700 2013年4月03日 00:10:44 : 9XFNe/BiX575U : SSAoXcUB66
>>05

>それすら隠さなければならないほど事態は重大だと理解するほかないんだが

「ほかないんだが」ではなくて、その通りなのですよ。

非常に事態は重大であり、長崎でさえA1、つまり異常なしが60%まで行かない、そして、B、つまり、明らかな異常ありで二次検査対象になるはずの人たちが0.6%もいたのですから、相当な被曝量です。

そして、ここが重要ですが、03さんがコメントされているような「確かに放射性物質の拡散はコープだけではないが、子を持つ母親たちの意識と行動を左右したのは、過去の活動実績に基づくコープの『500ベクレル政府基準で問題ない』という官僚迎合の姿勢と、人の善意に付け込んだ、被災地支援のキャンペーンを、コープが真っ先に行うことで、不安や疑問を母親たちが口に出来なくなってしまったこと」ではなくて、直接放射性ヨウ素の被曝が長崎でもあったと考えるしかないことがあります。つまり、食物などからの放射性ヨウ素の摂取はほとんど考えられないのです。

背景にあるのは、放射性ヨウ素やセシウムだけでなく、放射性キセノンですよ。
事故直後から放射性ヨウ素、キセノンはかなり大量に放出されていたと考えるしか説明がつかないのです。鹿児島のお茶からもセシウムが検出されましたが、同様にヨウ素やキセノンも鹿児島まで拡散してきていたはずです。よって長崎は当然ヨウ素やキセノンがかなり存在したと考えて正しいのです。

そして、これは特に若い人たちの健康にかなりの影響を及ぼします。そして、それだけでなく、妊娠異常、つまり、奇形の発生に結びつくはずなのです。現在、全国で観察されているという風疹の大流行にはこのことがあるはずです。

ただし、汚染の程度から言ったら、九州は福島に比べたらまだずっとましでしょうが。


07. 2013年4月03日 01:46:44 : E4bT3Bpr2w

A1とA2は、判定者による個人差が出やすいと考えられる為、B+Cに着目してみる。

    A1  A2  B  C
------ ----- ----- --- -
弘前市  670  939 21 0
甲府市  403  948 15 0
長崎市  779  582  8 0
福島県 24468 13460 186 0
------ ----- ----- --- -

から、B+Cの割合を求めると

    B+Cの割合
------ ---------
弘前市 1.2883E-2
甲府市 1.0981E-2
長崎市 5.8437E-3
福島県 4.8801E-3
------ ---------

となり、B+Cの割合に関して

(1) 福島県が最小である。
(2) 長崎市は福島県よりも若干多い。
(3) 弘前市と甲府市は共に福島県の倍以上である。

という奇妙な結果になる。

そこで、地域差を見る為にA1+A2、及びB+Cの2つの区分に纏めた

    A1+A2 B+C
------ ----- ---
弘前市 1609 21
甲府市 1351 15
長崎市 1361  8
福島県 37928 186
------ ----- ---

から、地域間でカイ2乗分布の上側累積確率(その様な地域差が偶然に発生する確率)を求めてみると

    甲府市  長崎市  福島県
------ --------- --------- ---------
弘前市 6.3407E-1 4.9728E-2 1.1027E-5
甲府市   -   1.4127E-1 1.8524E-3
長崎市   -     -   6.1640E-1
------ --------- --------- ---------

となるから

弘前市と甲府市
長崎市と福島県

には、地域差がないと判断して良い。

従って、B+Cの割合に関して、更に

(4) 弘前市と甲府市には、地域差がない。
(5) 長崎市と福島県には、地域差がない。

と言える。

今のところ、(1)〜(5)のようになる原因は不明だが、単純な仮定を置く事で説明出来なくもない。

「福島県のB判定とC判定は、少なく計上されている」と仮定すれば良いのだ。

但し、この仮定の難点は、証拠を示す事が出来ない事だw


08. taked4700 2013年4月03日 02:33:37 : 9XFNe/BiX575U : SSAoXcUB66
>>07

大変によい解析をありがとうございます。

自分も福島県の検査は見逃しがかなりあると考えるしかないと思います。また、事実として、福島県実施の検査を受けた方が他の医療機関で検査を受けるとより多くの異常が見つかるということも既に少数ですが報道に載っています。

自分としては、福島のデータだけでなく、弘前、甲府、長崎のデータもまたかなり見逃しのある、または、あまりひどくない人々のデータではないかと思っています。

例えば、長崎の検査人数は1361名ですが、長崎大の付属幼稚園、小学校、中学校の人数は合計で多分800名行きません。多分と言うのは幼稚園を除いて他は在籍数が分からないからです。募集要項の新学年募集人数からの推定です。つまり、長崎でも600名程度は付属学校以外から選んだはずであり、これの大部分は高校生のはずです。しかし、特に高校生の場合は外で部活をやっている場合は被曝程度がかなり高いはずであり、それを公にすることはできませんから、そのために年齢別の検査結果が出ていないという意味である可能性があるのです。


09. taked4700 2013年4月04日 02:42:13 : 9XFNe/BiX575U : 0Qyizfinls
キセノンは希ガスなので放射性プルームとして降下することはないとしてあったツイートを見かけました。しかし、キセノンは空気よりもずっと重い気体です。空気の過半を占める窒素は原子量14で二原子分子ですから分子量は28、酸素は分子量が32です。しかし、キセノンは単原子分子で分子量は120以上です。キセノン131はもちろん分子量が131ですから、ざっと空気の4倍は重いことになります。こんな重い気体があるていどの濃度で放出されたら、当然のことながら空気中にどんどん拡散などせずに地表を這うようにある程度の濃度を保ったまま移動していきます。

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