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産経新聞 3月28日(木)7時55分配信
■「継続検査が必要」
東日本大震災の東京電力福島第1原発事故による健康被害の有無などを調べるため、奈良民主医療機関連合会は27日、県内に避難している72人に実施した健康診断の結果を公表した。甲状腺検査で、半数以上に、しこりや液体入りの袋状の「嚢胞(のうほう)」が認められたという。同会は「原発事故との因果関係は分からないが、継続的な検査が必要」としている。
健診は、同会が昨年12月と今年1月、全額負担で実施した。受診した72人の震災当時の所在地は、福島19人▽宮城5人▽千葉7人▽東京17人▽神奈川24人。平均年齢は24・7歳。
この56%にあたる40人に、甲状腺エコー検査でしこりなどが確認された。
内訳は、5ミリ以上のしこりや20ミリ以上の嚢胞が12人、5ミリ以下のしこりや20ミリ以下の嚢胞が28人。
福島県内で昨年、約9万5千人を対象にした健診では、44・2%にしこりなどが確認されている。
小さなしこりや嚢胞は健康な人にもあるが、大きい場合はがんの可能性もあるとされる。ただ、旧ソ連のチェルノブイリ原発事故では、甲状腺がんが発見されたのが被爆後、最短で4〜5年とされている。
このほか健診では、「かぜをひきやすい」「頭痛がする」(各21%)や「目が疲れやすい」(16%)、「物忘れがひどくなった」(11%)などと訴える人たちもいたという。
同会は「移ってきた人たちは経済環境や家族関係、健康の不安を抱えており、健診への公的支援や精神面など総合的な支援が求められる」としている。
奈良民医連 [奈良民主医療機関連合会]
http://www.nara-min.org/
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