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http://ameblo.jp/shimarny/entry-11497304063.html
2013-03-24 21:19:59NEW ! Shimarnyのブログ
原発事故の収束作業と原発の再稼動は日本にとって「今そこにある危機」である。
安倍政権は、この2つに関して「止むを得ない」という理由から取り組んでいる。
本当に日本の数十年後の将来を考えた場合、原発事故の収束作業は東京電力に任せて良いのか、原発を順次再稼動させて良いのかという2つの判断は、検証を重ねながら現実的に可能か不可能化を考える必要がある。
まず、原発事故の収束作業だが、先日の停電事故前に報道された福島原発から汚染水が大量に海に流出していた可能性を示す試算が改めて報じられている。
[3月24日 東京新聞]福島第一湾内 汚染水流出継続か 東京海洋大教授が試算
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2013032402000124.html
東京電力福島第一原発の港湾内で海水の放射性セシウムの濃度が下がりにくい状態が続いていることに関し、汚染水の海への流出が止まったとされる二〇一一年六月からの約一年四カ月間に、計約一七兆ベクレルの放射性セシウムを含む汚染水が海に流れ込んだ恐れがあるとの試算を、東京海洋大の神田穣太(じょうた)教授がまとめた。東電は、一一年四月に一週間で意図的に海に放出した汚染水に含まれる放射性物質の総量を、約一五〇〇億ベクレルと推計しているが、その百倍以上に当たる。
神田教授は「現在も地下水や配管を通じて流出が続いている可能性がある。すぐに調査すべきだ」と指摘。これに対し東電は「一一年六月以降、大規模な汚染水の流出はない」とした上で「放射性物質を拡散させない対策をしているため、港湾内の濃度が下がらないのでは」と反論している。神田教授によると、港湾内の放射性セシウム137の濃度は、一一年六月〜一二年三月にかけて下がったが、一二年四月以降は下落傾向が鈍くなった。東電が発表した一一年四月のデータを基に、港湾内の海水の44%が一日で湾外と入れ替わると推定。一一年六月一日〜一二年九月三十日の放射性セシウム濃度になるには、計約一七兆一〇〇〇億ベクレルが新たに流出したことになるとした。一日当たり八一億〜九三二億ベクレルとなる。
つまり、2011年6月〜2012年9月の1年4カ月の間、合計17兆ベクレルもの放射性セシウムを含む汚染水が海に流れ込んだ試算を公表したのである。
問題は、この試算に対する原発事故の収束処理をする東京電力の対応なのである。
この試算に対して、「2011年6月以降の汚染水流出はない」との一点張りであり、海へ汚染水が流出したかどうかの調査をするつもりはないのである。
この件で、政府は東京電力に汚染水流出の実態解明を行政指導しないのだろうか。
また、日本の食品での放射性セシウムの基準値は高くとも100ベクレルである。
今年2月に福島原発港湾内の魚の検出データは最高値が74万ベクレルであった。
この件で、政府は福島近海で放射性セシウムの濃度調査を実施しないのだろうか。
今回の試算通りに汚染水の流出量が17兆ベクレルであったことが事実であれば、日本も中国と同様に水質汚染を放置している国ということになるのである。
この件で、政府は水質汚染による食物連鎖への影響調査を実施しないのだろうか。
政府が行ったことは、先日の停電事故による菅官房長官の下記の指導だけである。
「信頼性の向上に向けた取り組みを可能な限り早期に実施にするよう東京電力を指導した。国民からすれば「何だ」という思いが非常に強い。停電の報告も遅かったので、しっかりやるように東京電力を指導した」
政府はこの対応で国民の理解が得られる信頼が得られると考えているのだろうか。
福島原発事故からまだ2年であるが、廃炉にしても賠償にしても除染にしても一向に進まず、収束する見通しも立たず、状況さえ把握できないのである。
被災者からすれば、この状況が続けば、いつまで経っても健康被害の不安、日常生活の不安、賠償支援の不安、風評被害の不安などに駆られることだろう。
原発事故の収束作業を東京電力が主体で国がサポートという形態で、国民が安心できるのか、信頼できるのか、納得できるのかを検証する必要がある。
あくまで目的は原発事故の収束であり、東京電力の存続ありきではないのである。
次に、原発の再稼動だが、本日に原発を持つ電力会社9社が2012年度に原発維持のために合計で約1兆2000億円が必要だったことが報じられている。
[3月24日 朝日新聞]電力9社、原発維持に1兆2千億円 12年度稼働は2基
http://www.asahi.com/business/update/0324/TKY201303230360.html
東京、関西電力など原発を持つ9電力会社が2012年度に原発維持のために合わせて約1兆2千億円をかける見通しになった。国内の原発50基は関電大飯原発(福井県)の2基しか動いていないにもかかわらず、中国電力の1年間の売上高に匹敵する。原発はいったんつくると巨額の維持費がかかるためで、これらは電気料金に上乗せされて家庭や企業が負担している。原発のない沖縄電力を除く9電力の決算を朝日新聞が調べた。電力会社には「原子力発電費」という費用があり、原発を動かさなくても必要な維持・管理のための修繕費、そのための人件費などが盛り込まれている。9電力が12年4〜12月に使った原子力発電費は計7876億円に達した。
さらに東京、関西、中部、北陸、東北の5電力は原発専業会社の日本原子力発電(東京)から電気を買い、「購入電力料」として12年4月から半年間で計757億円を支払った。日本原電の原発3基は12年度はすべて止まっている。それでも5電力は長期契約を結んでいるため、日本原電の原発維持などのために払い続けている。
この件に関しては、以前にも原発専業会社である日本原子力発電が、原発稼動がゼロで電力供給がゼロでも電力会社から契約料を徴収して最高益出している。
参考記事:原子力ムラが電気料金を流用、原発稼動ゼロで電力供給ゼロで最高益出す日本原子力発電
http://ameblo.jp/shimarny/entry-11447511484.html
つまり、原発は他電源と比べると圧倒的にランニングコストが高すぎるのである。
これは、福島原発事故以降に全国50基ある原発のうち2基しか稼動していない状態になって、初めて国民が認識することになった原発の事実である。
そして、この原発維持コストの1兆2000億円が電気料金に含まれるのである。
また、他の電源と異なるのは、現状でも全国50基の原発に対して廃炉費用が合計5兆円、使用済み核燃料の処理費用が10兆円が加算されることである。
そして、今後原発を再稼動する毎に使用済み核燃料の処理費用が増えるのである。
おそらく原発の維持コストは、既存メディアが騒いでいる「原発稼動ゼロでエネルギーコスト大幅増加」という燃料輸入コストを凌ぐ金額となるのだろう。
問題は、原発維持コストと燃料輸入コストに対する電力会社の受け止めである。
火力発電に依存すれば燃料輸入コストが上昇するから電気料金が高くなるとは言うが、元々の原発維持コストが高いため電気料金が高かったとは言わない。
政府も福島原発事故が起こった後に各電源コストがどうなるか再試算していない。
原子力規制委員会が世界最高水準の安全性を確認して原発を再稼動するスキームが完成したことは、国民に安全な電力供給する方向性として正しいのだろう。
しかし、原発は全電源に比べてコストが高いのか安いのか、現状の電力需給で逼迫するほど電力不足なのか電力過多なのかを十分に検証する必要がある。
あくまで目的は国民へ安全安心安価な電力供給で、原発の再稼動ありきではない。
現状で、安倍政権は電力問題について抜本的改革に積極的ではないように見える。
もし、「東京電力の存続ありき」や「原発の再稼動ありき」で政策を推し進めるのならば、発送電分離も電力自由化も骨抜きになり旧体制が維持されるだろう。
原子力ムラの原子力ムラによる原子力ムラのための電力行政は止めてもらいたい。
あくまで、国民に安全安心安価な電力供給するための電力行政となるべきである。
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