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2013年3月14日 フランスねこのNews Watching
福島原発事故から2年が経つ今日、巨額予算を伴う除染事業は当初予定の15%しか完了していない。今年の一月時点での計測によれば、福島原発第一・第二・第三号機から排出されるセシウム134・137の合計は今も毎時一千万ベクレルにのぼる。これは、原子力の専門家が「深刻な放射線レベル」と指摘するレベルの量である。大量の放射性物質が今現在も大気へと吐き出される中で、除染の意義を疑問視する声すらある。
2011年3月11 日に悲惨な原発事故の災禍に見舞われた福島県では、除染で剥ぎ取られた土を詰めた青い大きなビニール袋があちこちで目につく。学校の校庭、家の庭、田んぼの片隅。。。青いビニール袋はそこここの場所を占領している。本来、除染で出された汚染土や汚染された木の枝を入れたビニール袋は放射性廃棄物用の貯蔵庫に一時保管されることになっている。
「問題は、誰も自分が住む地域に貯蔵庫を建設してほしくないと考えていることです。」
青木仁志環境大臣は述べる。
行き場の無い青いビニール袋は、しばしばビニールシート一枚で覆われただけで監視のないまま放置される。
今年初め、朝日新聞は除染で集めた汚染された木の枝を除染作業員たちが川に捨てていたことを指摘した。家屋を除染した際に出た放射性の汚染水がそのまま周囲に流されたこともある。除染をこう呼ぶ人がいる。
単なる「汚染の移動」、と。
除染事業には今後2014年7月まで1.45兆円の予算がつけられている。この巨大な公共事業は大手建設業者を惹き付けた。清水建設や竹中工務店といった大企業が続々と国や自治体の除染業務を請け負っている。しかし大手ゼネコンのみが事業を請け負っている現状に、企業選定過程の不透明性を指摘する声もある。入札に参加した外国企業のうち、最終的に除染業務を受注したものは一社も無い。
除染という巨大な公共事業は、結果を伴わない形で今日も続けられている。
(抜粋、一部編集)
● 元の記事:「福島における不器用な除染作業」ルモンド紙(3月12日)
(« A Fukushima, une laborieuse décontamination », Le Monde, 2013.03.12)
http://www.lemonde.fr/planete/article/2013/03/11/a-fukushima-une-laborieuse-decontamination_1846051_3244.html
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