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原発2年01 安全の論理(直接)
http://takedanet.com/2013/03/2_8023.html
平成25年3月11日 武田邦彦(中部大学)
原発事故2年目ですが、事故の最初からですがやや議論は的を外れてきています。昨日、テレビ朝日のワイドスクランブルにお呼びいただき、下記のものの一部を発言させていただきました。
原発の安全を決める主要な論理は、今、規制委員会やマスコミなどで取り上げられているのとは少し違い、
1)固有安全性
2)多重防御
3)耐震性
4)事故処理
5)核廃棄物処理
6)被曝と健康
の6つです。これらはすべて原発の安全に深く関係しています。現在の日本で議論されているような活断層とか防潮堤などは副次的な安全論理で、方向を間違うと日本はまた原発事故で苦しみます。
●固有安全性
火災が起きても防御が可能なのは、燃えている家屋に消防士が接近して水を掛けることができるからです。しかし原発は事故が起こると近づくことができないので原発自体が「固有安全性」、つまり自分で自分の事故を止める機構が必要とされます。
これまで日本の原子力関係者は日本の原発が「固有安全性を持っている」としていましたが、それは福島原発事故で間違っていることが明らかになりました。従って、今後の原発は「固有安全性無しで安全とする」かどうかの議論が必要です。
●多重防御
人間の作る物には間違いがあり、また何が起こるかも正確にはわかりません。そこで原発のように高度な安全が必要なものは「多重防御」が必要です。たとえば、主電源が破壊されたら、予備電源、予備電源が破壊されたら非常用ディーゼル発電ということです。
一般的に停電することがありますから、「停電したら爆発する」のでは到底、原発を運転する事はできません。そこで予備電源を持ちますが、予備電源と主電源は「配電」を使うので、配電が損傷したら爆発するので、ディーゼル発電を備えるということです。
福島原発事故で主電源、予備電源、非常用電源の3つが同じ場所にあり、同時に破壊されるという事態が起こりました。これは「多重防御」というのが架空であったことを意味しています。日本の原発は海岸線にあり電源は地下にありますから、「多重防御」をされていませんが、原子力関係者は「多重防御」を捨てるのかどうかの見解を示すべきです。
●耐震性
世界で震度6以上の地震がくる(津波や液状化などは地震と同伴するので耐震性と呼ぶ)ところにたてられている原発は日本だけと言えます。
これまでも、世界の原発で震度6以上の地震に耐えた原発はなく、日本は1年に1回以上の震度6の地震があるので、「活断層があるかどうか」ではなく、「原発の震度設計をいくつにするか」を明確にする必要があります。
福島原発で地下水が原子炉建屋の中に浸入していると考えられますが、メルトダウンではコンクリートはさらに密になるので、むしろ地震による亀裂と考えた方が自然です。
・・・・・・・・・
以上の3つは「原発の運転中の安全を保つための論理」ですが、「安全」というのは「運転だけ」に留まるものではありません。そのことは次回に解説します。
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