11. 2013年3月13日 14:42:26
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3月3日に大阪で菅元総理の講演会を行いました。その前座のあいさつで、主宰者である私は、「菅さんは日本を救った総理だ」と述べました。これは客観的な事実です。しかしそれは、菅さんの口からは言えないことです。周囲が正当に評価する必要があります。菅さんを非難する人々は、菅さん以外の人が総理だったらもっとうまく収束できたはずだ、と言うわけですが、誰だったらもっとうまく行ったのか。鳩山か、麻生か、福田か、安倍か・・・並べてみれば、ないものねだりでしかありません。 菅さんの行動で、すぐれた判断であり、かつ有効だったのは、3月12日のヘリコプターでの視察強行と3月15日早朝の東電乗り込みです。私は主宰者あいさつで以下のように述べました。 http://www.minusionwater.com/kankouen2.htm 現地視察 3月11日夜、1号機が爆発しそうだ。爆発したら日本は滅ぶ。その責任は菅にのしかかっている。菅が必死でベントをしろと言っても、3時間経っても5時間経っても、東電はベントしない。なぜベントしないのかと菅が聞いても、東電は「分かりません」としか言わない。社長も会長も不在で東電本店は何の対応もできない。 菅が「俺が現地に行く」と決断するのは、総理として当然であり、実際にそれは大きな意味があった。それは現地で吉田所長を知ったことだ。理系の総理は図面をはさんで吉田の説明を受け、さらに吉田が決死隊を作って弁を開ける計画だという言葉を聞いて納得し、「現場が一生懸命やってくれているなら、私はそれ以上は言うことはない、頑張ってくれと言って帰ってきた」と菅さんは大阪講演で述べている。 1号機のベントは成功したが、その後、建屋が水素爆発した。14日には3号機の建屋が爆発、その落下物で2号機の冷却ラインが損壊し、2号機が冷却できなくなり圧力が急上昇した。さすがの吉田も決死隊70名を募って(後に世界からフクシマ50と賞賛された)、残りの数百名を福島第二に退避させる決断をした。 しかしそれが、東電本店の清水社長から官邸に「全面撤退」と伝えられた。それに官邸は驚き、民間人に死ねという権限は政府にはないから、どうしたものかと迷って、菅の判断を仰いだ。菅はまったく迷うことなく、「それはだめだ」と断言した。菅は吉田に直接電話して、吉田が全面撤退するつもりではないことを確認した。 やがて清水が官邸にやってきた。菅は、「全面撤退はありませんよ」と言い、清水は「わかりました」と受け入れた。 このあとの菅の「足さばき」がすばらしい。 統合対策本部 菅は清水に「これまで官邸と東電でバラバラに対応してきたので食い違いが多かった。そこで、政府と東電とで統合対策本部を作る。本部長は私だ。副本部長は東電から勝俣または清水、政府から海江田」と言った。清水は「わかりました。結構です」と答えた。 そこで菅は言った。「その対策本部を東電本店に置く。いいですね」 これには清水も驚いた。政府の機関を民間会社に置くとは超法規的なやり方だ。しかも東電内部が政府に丸見えになる。しかし清水は「わかりました。結構です」と答えた。 菅はその言葉を逃さない。さらに一歩踏み込んだ。 「では、今から私が東電に行く」 本部長だから当然である。 東電乗り込み
こうして15日早朝に、菅は東電本店に乗り込み、居並ぶ幹部社員に「撤退はあり得ない」と熱弁をふるい、そこに対策本部を作った。来てみれば、東電本店と現地は大きなテレビ画面でつながっている。東電本店に対策本部を置くという菅の卓抜なアイディアは12日の現地視察で得られていた。免振重要棟に入ってみたら、そこは本店とテレビ電話でつながっていたのである。「何だ、こんなことか。これならオレが東電の本店に行けば全部見えるわけだ」 しかし、政府機関を民間会社の中に作るのは超法規的なことで、命令はできない。相手を納得させねばならない。そのチャンスを菅はとらえた。それは、菅が最高責任者として誰よりも事故収拾に真剣に立ち向かっていたからこそ出た、アイディアであり行動だった。 そして、菅が東電に滞在しているその時に、15日朝6時すぎ、ついに2号機が爆発した。大量の放射能が漏れ、現地の放射線量は急増した。吉田は決死隊以外の数百名の退避をすぐに実行することを決断し、テレビ画面を通して菅の了解を求めた。菅は了解した。菅はやみくもに「死ね」と言っていたのではない。 運があった。2号機は全面破壊ではなく、底の部分が割れて圧力が抜けた。大量の放射能は漏れたが、首都圏まで避難しなければならないほどの大爆発にはならなかった。そして菅が東電にいたその時が、後から見れば事故の最悪期だった。統合対策本部によって、事故は少しずつ収拾に進み始めた。 以上が主宰者あいさつの要旨です。 http://www.minusionwater.com/kankouen2.htm 私が菅さんを支持する理由は、果敢に事故の収拾に当たって国を救ってくれたこと、その後、脱原発の路線を明確にし、浜岡を止め、玄海の再稼働を止め、保安院を分離し、再生可能エネルギー買取り法を成立させたこと、など過去の功績もさることながら、
総理として国家存亡の危機に直面した体験から、日本の政治家の中でもっとも、心の底から脱原発の決意を固めている政治家だからです。脱原発には政治家の力が必要です。 世界の脱原発に向けて、世界的に菅さんの力を活用すべきです。
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