http://www.asyura2.com/13/genpatu30/msg/668.html
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文化人類学者山口昌男さんは、主著の一つ「『敗者』の精神史」を幕末の探検家松浦武四郎に関する記述で結んでいる
▼山口さんが道内出身であることと無縁でないだろう。が、それ以上に<好奇心に満ち、一風変わったものに対する興味を持った人々>と交流を深めた武四郎の生き方に、自らを重ねていたのではないか
▼明治になって公職を退いたあと、武四郎は旅の日誌を小冊子にし、広く販売していたという。遺言には葬儀の際に知らせるべき人名を膨大に記していた。<その脳裏には、全国的なネットワークが一種の宇宙図の如(ごと)くに整理されていたのであろう>
▼そう書いた山口さんの脳裏にも<世界的な知のネットワーク>が編み込まれていたに違いない。「敗者」への着目は明治政府の立身出世主義コースから降り、“もう一つの日本”を形成した人々を語り、残すためだった
▼敗戦後の日本社会も、「敗者の視点」を生かさず、藩閥政府が作りあげたヒエラルヒー(階層制)を温存するための組織を復活し、がむしゃらに突っ走り、破綻を来たした―と喝破。人々のヨコのつながりに未来を見ていた
▼進まぬ復興と人間を追い払う原発への固執…。3・11後も政治に反省はみられない。<頭を冷やし、心から納得のいく生き方を>と説き、81歳で逝った山口さん。その警句は、震災3年目を生きる私たちに重く響く。
2013・3・12
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/fourseasons/448395.html
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