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市町村に震災関連死と認定された死者のうち、少なくとも約6割にあたる789人の福島県民の死は、原発事故の避難などに伴う「原発関連死」であることが分かった。避難生活の長期化で、今後も被害は広がる懸念があるが、時間がたつほど因果関係はあいまいとなってしまう。震災関連死の認定制度が原発事故のような事態を想定しておらず、網の目からこぼれる人が増えそうだ。自治体からは「新たな基準や制度が必要」との声も上がる。 (「原発関連死」取材班)
■増す危険
原発事故の避難生活で、体調を悪化させる高齢者は後を絶たない。福島第一原発20キロ圏内の南相馬市小高区に住んでいた石井清一さん(74)は妻や母よし子さん(89)とともに4度にわたり避難先を転々とした。その度に長時間歩くことを迫られ、よし子さんは膝を痛め寝たきり状態に。認知症も進み、介護施設に入所した。清一さん夫婦は現在市内の仮設住宅に住むが「放射能で自宅に戻れないこともストレスだ」と話す。
浪江町民の仮設住宅が近くにある大原綜合病院付属大原医療センター(福島市)では、突然死の原因となる心血管病の入院患者が増えている。心臓に酸素や栄養を送る冠動脈が動脈硬化で狭くなる狭心症患者は、震災を境にして、2010年は233人だったのが、11年は262人、12年は361人に増加した。
石橋敏幸センター院長代理(57)は「避難生活に伴う慢性ストレスや睡眠障害、運動不足などで生活習慣病が悪化し、心血管病の増加につながった可能性がある」と分析する。今後も仮設暮らしの長期化で、心血管病の予備軍の症状が一気に悪化する恐れがあるとして「政府や自治体は避難者のための復興住宅をつくるなど、一刻も早く住宅整備を進めるべきだ」と訴える。
■生活の安定
震災関連死の認定を左右するのは、災害と死亡の因果関係、つまり「災害がなければ死亡していなかった」と言えるかどうかだ。
厚生労働省は震災後、新潟県中越地震(2004年)で長岡市がつくった基準を都道府県に示した。この基準は、肺炎や心筋梗塞、脳梗塞などよくある死因の場合、「生活が安定した後」に発症したケースは認めないとしている。
震災9カ月後に心筋梗塞のため、91歳で亡くなった飯舘村の女性は、避難でやむを得ず高齢者施設に入ったことが「生活の安定」とみなされ、認定されなかった。息子は「遠方の施設しか入れず、家族の見舞いも限られ、急速に衰弱した。原発事故と関連がないと言われているようで納得いかない」と憤った。
日弁連は昨年、「医学的な見地から厳格な因果関係を要求するのは制度の趣旨にそぐわない」とする意見書をまとめている。
■トラブル
南相馬市では今も毎日のように遺族が申請に訪れ、30〜40件が審査待ち。だが認定されないケースが増えている。納得できない遺族と窓口で押し問答になったこともあるという。市の担当者は「家族の心情と制度にずれが生じ始めている」と漏らし、新たな基準などが必要とする。
浪江町でも申請が続いており、担当者は「原発事故による関連死の判断は今回が初めて。今後どうなるのか予想がつかない」と困惑している。
2013年3月11日 東京新聞 朝刊
http://www.tokyo-np.co.jp/article/kakushin/list/CK2013031102000133.html
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