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「WHO報告書は福島事故の被曝被害を過小評価」環境団体、WHO報告書を「原子力産業を守るための政治声明」と非難/ルモンド紙(3月2日)
http://franceneko.cocolog-nifty.com/blog/2013/03/whowho32-d0d2.html
2013年3月 3日 フランスねこのNews Watching
世界保健機構(WHO)は2月28日、福島原発事故がもたらす健康被害に関する報告書を初めて発表した。WHOはこの報告書の中で、放射能による健康被害は福島から遠い地域には及ばないとしつつも、福島原発の近隣住民及び事故処理にあたる原発作業員の癌罹患率が明らかに上昇する事実を認めた。
報告書によれば、事故を起こした原発近隣の重度汚染地域に住む乳幼児が一生涯のうちに癌にかかる危険性は悪性腫瘍全般に関し4%増加、女性における乳がんで6%、男性における白血病で7%増加する。また、女性が甲状腺癌にかかる危険性については70%もの増加を指摘した。原発作業員については「今のところ急性被曝による影響は出ていない」としつつも、最も若い世代で20%もの癌発生率の増加を指摘した。
環境市民団体グリーンピースはこれに対し、報告書の作成にかかわったドイツ人専門家オダ・ベッカー氏が「福島原発から半径20キロ以内の地域では、住民一人当たりの被曝量は数百シーベルトにのぼる」と推定していることに言及、
「WHO報告書は福島原発から半径20キロ以内にいた人たちが素早く逃げることができなかったために事故直後に浴びた放射能による被害を過小評価している」
「同報告書は原子力産業を守るための政治声明に過ぎず、健康問題についての科学的分析ではない」
と指摘した。東京電力は福島原発で事故処理にあたった2万人の原発作業員に関する被曝データを今も政府に提出していない。
(抜粋、一部編集)
● 元の記事:「WHO、福島事故による癌の増加を発表 福島原発周辺での甲状腺癌への罹患率は70%増」/ルモンド紙(3月2日)
(Paul Benkimoun, « Selon l’OMS, l’accident de Fukushima va entraîner davantage de cancers », Le Monde, 2013.03.02)
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