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http://onodekita.sblo.jp/article/62764936.html
2013年02月21日
大本営報道の正しい見方−追い詰められている原子力村
その昔、日本には大本営発表なるものがありました。たとえば、次のような感じ
大本營發表(昭和十九年十月十三日十一時三十分)
一、我が航空部隊は十月十二日夜薹灣(台湾)東方海面に於て敵機動部隊を捕捉し夜半に亘り反復之を攻撃せり
我方の収めたる戰果中現在迄に判明せるもの左の如し
撃沈 航空母艦一隻 艦種不詳一隻
撃破 航空母艦一隻 艦種不詳一隻
二、我方若干の未歸還機あり
これで、一番重要な内容はどこかわかりますか?敵艦隊を撃沈したことではありません(こんなのはいくらでも、うそをつけます)。どこで、この海戦が行われたかです。最初は東南アジア、中国だった発表が、ついには、台湾の近くまで戦線が近づいてきていることに目を向けるべきなのです。
大本營發表(昭和二十年六月十一日十五時)
一、沖繩本島南部地区の我部隊は其の後敵に打撃を與へつつ逐次小祿及南部島尻地区に戰線を整理し優勢なる敵に對し引續き勇戰敢鬪中なり
二、敵の第一線は六月八日小祿地区に於ては饒波川東岸、小祿、赤嶺、当間附近に、南部島尻地区に於ては具志頭、富盛、世名城、座波附近にあり
敗戦間近になりますと、ついには沖縄で戦闘が開かれています。大本営発表だけを読むと、戦闘が優位に進んでいるとしか思えません。もし本当ならば、中国各地に戦線が拡大していくはずなのに、その逆にどんどんと日本本土に近づいてきています。ちょっと考える人ならば、これら2つの報道からも、その真意が見抜けたはずです。
大本營發表(昭和二十年八月七日十五時三十分)
一、昨八月六日廣島市は敵B29少數機の攻撃により相當の被害を生じたり
二、敵は右攻撃に新型爆弾を使用せるものの如きも詳細目下調査中なり
原子力の報道は、事故当初から、この大本営発表そのものです。大本営の解説ではなく、事実に目を向ければ、真相は自ずから明らかとなります。
原発ゼロ修正を米に表明へ 首相、首脳会談で 資源など協力 2013/2/20 2:01 日本経済新聞 電子版
http://www.nikkei.com/article/DGXNASFS1903N_Z10C13A2MM8000/
日米両政府は資源・エネルギー分野で包括的に協力する方向で最終調整に入った。22日にワシントンで開く安倍晋三首相とオバマ米大統領の会談で合意する見通し。首相は「2030年代に原発稼働ゼロ」をめざすとした民主党政権の目標の見直しを伝えるとみられ、原子力分野での協力関係を維持する方針を確認。再生可能エネルギーなどの開発、投資でも協力する。北朝鮮の核実験などを踏まえ、核不拡散体制を堅持することでも一致す…
そもそも、本来は原子力は、日本の国内エネルギーの問題に過ぎませんから、米国にわざわざ許しを請わなくとも、本当の独立国なら何の問題もありません。それをわざわざ日米首脳会談の議題にする。なんと、腹立たしいことかと思います。しかし、敵は大本営。その真の目的をこの報道から見抜かなければなりません。そもそも日経は、全然決まっていないことを、さも決まったかのように報道する飛ばしが本当に得意です。しかも、それを一面に持ってくるほどの恥知らず新聞でもあります(保険の改訂の時に何度もやられていますので、十二分に知ってます)。一面でぶち上げることで、どれだけの反発が起きるのかを調べているのでしょう、おそらく。
ここで大事なのは、日米首脳会談の議題になってしまった(せざるを得ない)と言うことなのです。以前から、米国の下っ端は日経に呼ばれて、講演をして、日本に脅しをかけてきていましたが、http://onodekita.sblo.jp/article/59598698.htmlそれでも戦線がままならないので、大統領に直訴せざるを得なくなっているのです。そもそも、米国に約束したことと、国民の決定とどちらが上に来るのか。普通の民主主義国家ならば、その答えは明らかです。時の政府がいくら約束しても、国民が否定すればその政策を進めることができないのです。(勘違いしている人間がとくにマスコミにはおおいようですが)
つまり、大本営発表では戦線有利なはずなのに、戦線が沖縄そして本土まで近づいてきているのと全く同じ意味なのです。
日本原電、発電せず最高益 上半期、電力5社から基本料
http://www.asahi.com/business/update/0111/TKY201301100410.html?tr=pc
【松浦新】敦賀原発(福井県)などを持つ原発専業会社の日本原子力発電(本社・東京)が、原発を動かしていないにもかかわらず今年度上半期の純利益が過去最高の209億円になった。東京、関西など5電力が電気を買う契約を続け、電気が送られていないのに「基本料」として計760億円ほども払ったからだ。この費用は各電力の電気料金に含まれ、利用者が負担している
廃炉の公算大でも7億円寄付へ 日本原電、敦賀市に
http://www.asahi.com/national/update/0219/OSK201302190057.html
【室矢英樹、大谷聡】福井県敦賀市の敦賀原発を保有する日本原子力発電(東京)が同市に2013年度に約7億円を寄付することで市側と合意したことが、市関係者への取材でわかった。原子力規制委員会が2号機原子炉建屋直下の断層を「活断層の可能性が高い」と判断し、廃炉の公算が大きくなった後の決定だった。
日本原電は敦賀1、2号機と東海第二(茨城県東海村)の計3基の原発を保有するが、3基とも運転が止まっている。発電をしていない間も、電気を売る契約を結んでいる関西電力など5電力から「基本料金」を受け取っている。電気料金の値上げを申請した関電は、13年度から立地自治体などへの寄付金を電気料金を算定する「原価」に含めないことを表明したが、日本原電に支払う基本料金は原価に含めている。
こういった記事を見ますと、本当に日本原電は何もせずに金持ちで、原子力村を解体させることはできないと無力感にとらわれるでしょう。
ところが・・・
発送電分離なら「原発持てない」 八木電事連会長
http://www.asahi.com/business/update/0215/TKY201302150442.html
【上地兼太郎】電力会社から送配電部門を切り離す「発送電分離」について、電気事業連合会の八木誠会長(関西電力社長)は15日の記者会見で、「今の状況では(原発は)多分持てない」と述べた。送配電網が切り離されれば売り上げが減り、原発の維持費用などを出せなくなると心配しているからだ。
経済産業省の専門委員会は8日、「5〜7年後をめどに分離を進める」との報告書をまとめた。電力会社の子会社に送配電部門を移す「法的分離」(別会社方式)を想定している。
これに対し、八木氏は「低廉で安定的に電気を送れるのか検証されていない」「お客さまの利益につながるシステム改革にはならない」と反対した。
原子力は一番安価な電源方式なのに、なぜ売り上げが減ったら、原発の維持費用が出せなくなってしまうのでしょうか。火力発電所では燃料費がかかる、原子力発電所は維持費用がかかる。無能なバカとしか言いようがありません。この記事は、電力が産業界を脅している(お前ら、原子力でおいしいメができなくなるぞ)のですが、一般の人が読みますと、原子力はカネがかかるんだ・・・と思うだけ。本質は、送配電分離ではなく、総括原価方式http://onodekita.sblo.jp/article/56001541.htmlを外されれば、電力は直ちに原発など持てなくなります。そう言うことがこの報道でわかります。
そして、その原電
日本原電が借金返済でウラン売却 原発停止の長期化響く
http://www.47news.jp/CN/201302/CN2013022001002068.html
大手電力会社が出資する日本原子力発電(東京)が、原発の燃料であるウランの一部を売却していたことが20日分かった。保有する原発3基が再稼働する見通しが立たず、4月に支払期限を迎える銀行からの借金の返済資金を確保するため、当面使う予定がないウランの一部を手放す方向となったとみられる。
資金繰りに苦しむ東京電力も保有するウランの売却が可能かどうか検討している。ウランは原発の運転に不可欠で調達先も限られており、電力会社が売却するのは異例。原発停止の長期化で経営が追い詰められている実態が浮き彫りになった。
日本原電は売却先などを明らかにしていない。
2013/02/20 19:51 【共同通信】
発電もしていないのに大もうけをして、敦賀市に多額の寄付をしているにもかかわらず、燃料を売却せざるを得ないまず、追い詰められています。これが、原子力村の今の実態なのです。
脱原発を唱える政治家がいない、全然まとまっていない、とがっかりさせるような報道ばかり目につきますが、実際は
・大飯原発以外の再稼働は、未だに認めていない
・政府が風評と大キャンペーンをしているにもかかわらず、未だに放射能の被害を気にする日本人がそれなりにいる
・電力の豊富な資金源も底をつきかけてきている
のです。大本営の華々しい戦果の報道に一喜一憂することなく、報道の本質をとらえて、だまされないようにしましょう。
◆関連ブログ
大本営発表(当時の政府発表に対して)2011年03月16日
http://onodekita.sblo.jp/article/43858360.html
原子力技術者の衰退と、米国の内政干渉2012年10月28日
http://onodekita.sblo.jp/article/59598698.html
総括原価方式(打ちでの小槌)をポイントカードで理解しよう2012年05月21日
http://onodekita.sblo.jp/article/56001541.html
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