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俳優の愛川欽也さんが開設したインターネット放送局が、3月いっぱいで看板番組の「パックインニュース」を終了する。福島第一原発の事故後、現実から目をそらさない報道姿勢が支持を集めてきた。終了を惜しむ出演者やジャーナリストらは、新たなネット放送局を設立し、4月から後継番組の放送開始を目指している。(中山洋子)
「パックインニュース」の前身は、CS放送の朝日ニュースターの人気討論番組だった「愛川欽也 パックインジャーナル」。1998年から14年間続き、原発事故後は、京大原子炉実験所の小出裕章助教らがこぞって出演。権力の顔色をうかがうことなく、原発をはじめ憲法、消費税、沖縄の基地などの問題点を探り、分かりやすく伝えてきた。
だが、運営母体の変更に伴い、昨年3月で番組は終了。存続を求める視聴者の声に意気を感じた愛川さんが、有料のネット放送局「kinkin.tv(キンキン・ドット・ティーヴィー)」を設立。「パックインニュース」と改題したが、同じ時間帯に同じ出演者らで放送を続けてきた。
その愛川さんも今年2月、番組の放送終了を発表。視聴者に「残りの人生で、芝居や映画作りで勝負できるのもあと何年か」と理解を求めた。ニュース以外の番組は引き続き配信するという。
出演陣の一人で、ジャーナリストの今井一さんは「タブーのない番組を守るため、愛川さんは私財を投じてきた。おんぶにだっこの状態で1年間続けてきたが、ジャーナリストの側が媒体づくりからかかわるべきだった」と振り返る。
出演者らはその精神を引き継ぐ番組を続けるため自ら出資し、1日に新会社を設立。代表取締役には元朝日新聞編集委員の山田厚史さんが就任。ネット放送局は「デモクラTV」とし、討論番組を含め、当面は週に3本ほど番組を配信する予定。視聴料は月額515円で、善意のスポンサーも募る。
パックインニュースの制作に携わり、新会社の経営陣に加わる技術プロデューサーの渡辺猛さんは「ネットテレビは1万人が視聴すれば多い方。地上波に取って代わることはないだろうが、最近の若者たちはテレビ離れが進んでいる。ネットで見たいものだけを見る若い視聴者を獲得できる」と期待を込める。
根底には、原発事故から2年で報道が減っている現状への危機感がある。同じく原発報道で支持を集めた大阪のラジオ番組「たね蒔きジャーナル」も昨秋、終了。存続を求める声に押され、出演者有志らが今年1月から新番組「ラジオフォーラム」を週に1回制作。寄付金のうち866万円をあてた。
放送媒体はコミュニティーFM39局、国外1局に広がり、ネットでも公開。初回は小出助教が出演し、「たね蒔き」と同じく出演者が原発に警鐘を鳴らしている。
放送作家の石井彰さんは「本来はラジオやテレビにもっと多様な言論が必要だが、ニーズに応えていない。福島や新潟、福井、愛媛など原発立地のコミュニティーFMも放送している。小さなメディアだからこそ、本当に情報を欲している人々に自由な報道を届けることができる」と話した。
2013年3月1日 東京新聞 朝刊 [こちら特報部:ニュースの追跡]より
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