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「核のゴミ」の寿命を縮める 世界初の実験 ADSR炉とは?
将来にわたって頭を悩まし続ける核のゴミ。その解決の道筋につながるかもしれない世界初の実験が日本国内で行われています。
京都大学・原子炉実験所。ここで、ある研究が進められています。
核のゴミを地中に埋める期間を10万年という気の遠くなる年月から一気に数百年まで短くしようというものです。
放射能には「寿命」があります。原発から出る使用済み核燃料には、放射能が半分になるまで2万4000年もかかる、
寿命の長いプルトニウム239などが含まれています。この寿命を人間の手で短くしてしまおうというのです。
仕組みはこうです。加速器を使い、「陽子」を光の速さに近いものすごいスピードで鉛の入った金属に衝突させると、大量の「中性子」が発生します。
その「中性子」を寿命の長いプルトニウム239などにぶつけると、核分裂が起きて寿命の短い別のものに変わるといいます。
核のゴミから寿命の長いものだけを取り出して、この技術を応用すれば、放射能が半分になるまでに
30年もかからない寿命の短いものばかりになり、地中に埋めておく期間も一気に短くなります。
「陽子を実際に原子炉の手前まで持ってきて照射するという結合実験は世界初」(京都大学 山名元教授)
京都大学では、実際の原子炉に加速器をつなげた世界で初めての実験を行っています。
「原子力発電が今後なくなっていくか、使い続けるかというディシジョン(決定)はこれから議論されていくけど、どちらにおいても、
そういった放射性の長寿命のものを減らしていく技術を追求し続けていく姿勢が必要」(京都大学 山名元教授)
世界初の実験は「核のゴミ問題」の解決への一歩となるのでしょうか。
TBS 2013/2/27
http://news.tbs.co.jp/20130227/newseye/tbs_newseye5268131.html
<参考>
ADSR炉 (加速器駆動未臨界炉)
加速器を使い、放射性廃棄物を破砕消滅させてエネルギーを取り出す原子力発電。
ウラン・プルトニウム近縁の核廃棄物を半減期30年程度の核種にエネルギー変更、さらに半減期30年の核種を45分間で消滅処理ができる。
ADSR1基で原発10基分の核廃棄物を処理可能。ADSR炉が稼動すると放射性廃棄物を長期保管する必要がなくなる。
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