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2月23日 福島の事故はチェルノブイリと同様「地球被ばく」レベル!/ラジオフォーラム「小出裕章ジャーナル」文字起こし
http://hiroakikoide.wordpress.com/2013/02/23/radioforum-2013feb23/
2013年2月23日 小出裕章 (京大助教) 非公式まとめ
2013年2月23日に放送された「ラジオフォーラム第7回」番組での「小出裕章ジャーナル」の内容を文字起こし致しました。
【主なお話】
「東京電力の隠蔽体質と、情報公開が東京電力の裁量に委ねられている問題点について、放射性廃棄物などの最終処分について」
【パーソナリティー】
今西憲之(ジャーナリスト)
【ゲスト】
山本太郎(俳優)
【電話出演】
小出裕章(京都大学原子炉実験所助教)
▼ラジオフォーラム
http://www.rafjp.org
▼文字起こしは以下。
◆今西
それでは今日も、小出さんとお電話がつながっていますので、さぁっそく呼んでみましょう、もしもし〜、小出さぁ〜ん。
◆小出
はい、小出です。
◆今西
今日もよろしゅうお願いいたしますぅ〜。
◆小出
はい、こちらこそよろしくお願いします。
◆今西
えぇ〜、ゲストに山本太郎さんも来ていただいていますので、よろしくお願いしますぅ。
◆小出
はい、こんにちは、よろしく〜。
◆山本
こんにちは。
◆今西
それで、小出さん〜、あのリスナーの方から質問が来ましてですねぇ、え〜東京電力の情報公開についてということでですねぇ。
◆小出
はい。
◆今西
ぜひ小出さんから聞いてほしいということだったんですがあ。
◆小出
はい。
◆今西
まあ東京電力の情報公開言いますとですねえ、まあ事故直後からですねえ、ちゃんと情報公開してまへんがなあということでえらい問題になって、国民の間でも不信感が広がったのですがあ。
◆小出
はい。
◆今西
2月1日ですねえ。
◆小出
はい。
◆今西
東京電力はですねえ、原子力規制委員会に対してですねえ、え〜福島第一原発事故直後に撮影された写真、2145枚をですねえ。
◆小出
はい。
◆今西
最近になって見つかりましたぁみたいな感じでですねえ。
◆小出
はい。
◆今西
提出をされたのですねえ。
◆小出
はい。
◆今西
この写真よく見てみますとお、2011年3月15日から4月11日まで、約1ヶ月ぐらいですねえ。
◆小出
はい。
◆今西
東京電力の社員の方とか、協力うぅ企業の方がですね、撮影されたぁもんなんですがぁ。
◆小出
はい。
◆今西
事故から2年近く経ってですねぇ、なぁんで今ごろ出すねんとぉ、小出さん思うんですがあ。
◆小出
んぷ、もちろん私も思いますが、皆さん、ちょっと誤解をされているのではないかと思うのですが。
◆今西
はいっ。
◆小出
え〜、東京電力という会社は、今回の事故を引き起こした最大の責任がある会社なわけですし。
◆今西
はい。
◆小出
私は責任とかいう言葉では甘すぎると思っていまして。
◆今西
はい。
◆小出
犯罪、だと思います。
◆今西
なるほど。
◆小出
で〜、犯罪者が自分の罪をきちっと申告する理由はありませんし、出来る限り、え〜自分の罪を隠蔽したい、がるというものが犯罪者なわけですから、え〜東京電力が情報を出さない、あるいは都合の悪いものは出来るかぎり隠すということは、当たり前のことなのだと、私は思ってきました。
◆今西
そうすると、強制力を持ってぇ、そういうものをぉ、出させないといけないということですか。
◆小出
はい、当然そうだと思いますし、もし、今回のような事故を起こしたのが東京電力ではなくて、町工場、だったとすれば。
◆今西
はいっ。
◆小出
すぐにもう警察が踏み込んでですね、え〜、責任者を逮捕していくという、そういうことになった筈だと私は思いますが、なぜか東京電力という会社だと無傷で許されてしまうわけですし、情報の公開ということも、東京電力が、自分が公開したいと思うものだけを出すということで、それを許してしまうようなことになっているのですね。
◆今西
そうですねぇ。
◆小出
本当に不思議な世界だと私は思います。
◆今西
山本太郎さんからも質問があるということで。
◆小出
はい。
◆今西
お願いしますぅ。
◆山本
すみません。
この東京電力っていうところからは、少しずれてしまうかもしれないんですけれど。
◆小出
はい。
◆山本
やっぱりあの原発を終わりにしていくためには、その先のことっていうか、そのバックエンドというか、最終処分という部分に考え、やっぱりそういう部分も議論されなきゃいけないと思うんですよ。
◆小出
当然です。
◆山本
でも、あの政治家の人たちだったりていうのは、その、そのことについて語り合うのは絶対避けますよね。
◆小出
政治家もそうですし、学者も避けて来たのですね。
◆山本
そうですね。
でも、最終処分地っていうものを、現実的なものっていうか、あの、話を進めていくために、やっぱこういう場所だったり、こういうラジオだったりとか、で、みんなが街の中でもそういうことを話し合うような機会って言うのはすごく重要だと思うんですね。
◆小出
はい、もちろんそうだと思います。
◆山本
でも、ま、言えば言うほど今の状況じゃ叩かれるばっかりなんですけど。
◆小出
あっはっはっは。
◆今西
結構ね、あのそういう原子力ムラとかねぇ、やっぱり一部のねえ、大マスコミなんかは、そういうの避けてきましたよね、意図的にね、う〜ん。
◆小出
そうですね。
まあ、あの原子力の専門家と呼ばれる人たちも、このバックエンドっていうか、その〜ゴミの最終的な始末というものの道筋が見えないことはみんな知っていたのですね。
◆山本
そうですね。
◆小出
私は、その道筋が見えないかぎりは止めるべきだし、え〜、簡単に埋め捨てにするというような選択はすべきではないとして、まあ原子力を進めて来た人たちと喧嘩をしてきたのですけれども、え〜、学者も〜ほとんどの人はみんな知らん顔すると、いうことをしてきたわけですし、マスコミをきちっとそれを皆さんに知らせないという…やり方を貫いてきてしまったのですね。
◆山本
なるほど。
◆小出
去年の9月の11日になって、え〜日本学術会議という学者の国会が、初めて今日本の国がやろうとしている埋め捨ては正しくないというような声明を出したわけですけれども。
◆今西
はい。
◆小出
私は、何で今まで彼らが黙っていたのかと、むしろそれ、をおかしいと思いました。
◆山本
ん〜、なるほど。
えっと、僕、僕個人的に自分らの中でどうするのかと考えていたときにすんません、こんな。
◆小出
はい。
◆山本
こんな空っぽな頭で考えた場合なんですけども。
◆小出
はい。
◆山本
えっと〜、現在原発が存在している、その原発立地の場所にそれぞれにその最終処分場を作っていくっていう考え方はどうなんですかね。
◆小出
はい、あり得るとは思いますけれども。
◆山本
えぇ。
◆小出
え〜、現在立地をさせられてしまった地域というのは、必ずゴミは持ち出すというそういう約束のもとに立地を引き受けたという経緯が歴史的にあるわけですね。
◆山本
なるほど。
◆小出
私はそれが正しいとは思いません。
え〜、原子力発電を引き受けて、え〜、それなりに交付金なりで恩恵を受けようとした地域なわけですから、ゴミはいつかどこかに行ってくれるという風に思うこと自身に、私は問題があるとは思いますけれども、え〜でも〜、本当に過疎地で財政的に苦しくなったときに、原子力発電所を押し付けられてしまった、のですね。
ですから、長いいろんな歴史がありますので、簡単にはいかないと思いますが、え〜、今、太郎さんがおっしゃったような選択は、あり得るとは思います。
◆山本
なるほど。
先日、あの鹿児島県の南大隅、本州最南端のところに、えと、まあ、そこに誘致しようじゃないかという動きがずっとあるんですよね。
◆今西
最終処分場。
◆山本
そうなんです、最終処分場。
で、えっと、地元にちょっとあの応援に行ったんですよ、その反対の。
◆小出
はい。
◆山本
ということなんですけども、やっぱり水面下でいろいろ、動かれていて。
◆小出
そうですね。
◆山本
それで、漁協だったりっていうのがもう買収されてしまったりだとか、例えばJAっていうところは中立って言っちゃったりだとか、ていうような状況なんですよね。
でも、あの南大隅っていう町は、100パーセント自然エネルギーでもう賄えてるし。
◆小出
そうですね。
◆山本
食料自給率も100パーセント以上だと、そんな完璧なところにゴミを押し付けるってどういうことなんだよ。
◆小出
はい。
◆山本
汚染の無いところにわざわざ汚染を運び込むってどういうことだって話がなんですけど。
◆小出
はい。
◆山本
なんかいい方法があればいいですよねぇ。
◆小出
え〜、そうですね。
ただ、残念ながら、私たちが生み出してきた放射性物質を無毒化するという力が今現在はない、のですね。
ですから、どこかに隔離するしかないということになってしまっているわけで、え〜、最近になって日本の国はもう国内では無理だからモンゴルに押し付けようという、そんなことまで言い出している。
◆今西
はいぃ〜。
◆小出
本当にあの恥ずかしい国だと私は思いますし、今、太郎さんがおっしゃったように大隅町というようなところ、南大隅町ですね、なんかに押し付けるなんていうことは到底正しいとは私は思えません。
え〜、それぞれの原子力発電所の立地点で引き受けるという選択もあるでしょうし、私はそれを言うなら、東京とか大阪の大都会こそがゴミを引き受けるべきだと思います。
◆山本
きましたねぇ。
◆今西
ん〜なるほどねぇ〜。
◆山本
消費地が、恩恵を受けたものが、引き取れと。
◆小出
はい。
◆今西
山本さん、もう一つ何かお伺いしたいことがあるとおっしゃられていましたが。
◆山本
そうなんです、先生。
要は、国は、今回の事故の矮小化、ずうっと図って来たじゃないですか。
◆小出
はい。
◆山本
で、結局、あの〜、その例えば、どれぐらいの汚染があるのかっていうことに関して、セシウムに、セシウムだったり、そういうものにちょっと触れてるだけじゃないですか。
◆小出
そうです。
◆山本
だから、ぜひ、先生だったり、例えばあのチェルノブイリの汚染地図、作られたあの今中さんであったり、っていう方々が、この今リアルな日本の汚染というものを地図に落とし込めたりっていうことの可能性はないのかなっていうことをお聞きしたかったんです。
◆小出
はい、ただあの〜、空気中に出て来たという放射性物質の量でいうなら。
◆山本
ええ。
◆小出
圧倒的に多かったのは、希ガスと私たちは呼んでるものなんですが。
◆山本
なるほど。
◆小出
え〜、地面を汚染するとかいうそういう性質はありませんので、え〜、汚染地図を作ることはもう出来ません。
その次に大量に出て来たのは、ヨウ素という放射性物質ですが、それもあの寿命が短いために既にほとんど全部もう無くなってしまっていますので、今の段階で汚染地図を作る必要はないと思います。
◆山本
なるほど〜。
◆小出
次に問題なのはセシウムであって、セシウムの汚染地図というのはまあ日本の政府も公表していますし、私たちもまあ出来るかぎりで測定をして、政府の発表が合っているかどうかというようなことのチェックぐらいはしているのです。
んで〜、ではそれ以外に何が問題かと言うと、皆さんが気にしているのはストロンチウム90であるとか、プルトニウム239というような放射性物質だと思うのですが、大気中に放出された量を問題にするのであれば、私は今ストロンチウム90やプルトニウム239は、むしろちいちゃな問題だと思います。
え〜、そういう放射性物質を問題にするのであれば、おそらく水に溶けて海に流れていますので。
◆今西
はぁい〜。
◆小出
海のストロンチウム90の汚染地図、プルトニウム239の汚染地図というものをこれから作らなければいけないと思いますが、え〜、残念ながら私たちの力、まだそこまでは行っていないということです。
大変申し訳ないと思っています。
◆山本
とんでもないです。
◆今西
ねぇ〜、けどね、やっぱりあれだけ汚染水大量に放出してますからねぇ〜、東京電力はぁ〜。
本当にこれ、日本だけじゃなくてもう世界中に迷惑かかってる話ですからねぇ。
◆小出
もちろんです。
え〜、1986年には旧ソ連のチェルノブイリ原子力発電所で大きな事故が起きましたが、そのときには「地球被ばく」というような、まあ言葉が、作られました。
え〜、まさに福島のときも、事故のときもそうで、日本の福島だけが汚染しているのではない、日本中汚染しているわけですし、もう世界中が福島からの放射能で汚れてしまったという状況になっています。
◆今西
な〜るほどねえ〜。
わ〜かりましたですぅ〜。
小出さん、どうも今日はありがとうございました、本当に。
◆小出
こちらこそ。
◆山本
ありがとうございます。
◆小出
はい、ありがとうございました。
ーーーーーーーーーーーーーーー
◆今西
小出先生の話、説得力がありましたねぇ〜。
◆山本
ありますね。
心優しい人ですね、コメントの一つ一つが。
◆今西
そうですよねえ〜。
ということで、以上、小出裕章ジャーナルでしたっ。
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