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2013年02月23日(土)
四国電力が電気料金の引き上げを政府に申請した。このまま認可されれば、7月から家庭向けは平均10.94%、企業向けは平均17.50%の引き上げとなる。上げ幅は予想以上に高いものとなった。
電気料金の高騰は家庭生活を直撃し、経済活動に多大な影響をもたらす。四電は現状の経営合理化に甘んじてはなるまい。利用者と地域の理解を得る努力を怠ってはならない立場にあることは重々承知していよう。
ところが、値上げの説明のために各戸配布している広報紙をみると、電力の安定供給と並んで「全力を尽くす」としているのは、伊方原発の再稼働だ。「再稼働か、値上げか」の二者択一しか道はないと言わんばかり。その選択を利用者に迫るかのような姿勢には強い違和感を覚える。
申請は今年7月19日に伊方原発3号機を再稼働させることを前提とした。原子力規制委員会が策定中の新安全基準に、伊方原発は多くを満たしているとの期待がにじむようだ。規制委の審査が大幅に遅れた場合、再値上げもあり得るとまで示唆している。
値上げは原発に代わる火力発電の燃料費が膨らみ、四電の財務を圧迫しているからにほかならない。これまで節電に協力してきた利用者が、その代償を払うという構図を甘受するわけにはいかない。
東日本大震災前まで、四電は原発依存率43%という業界でも突出して偏った電源構成を選択していた。伊方原発が全基停止すると、四国内の余剰電力を関西方面に売電して利潤を稼ぐ収益構造が立ちゆかない。それは、あくまでも四電の経営責任である。20年来の懸案である新電源の開発を、いまだ具体化できない手抜かりも見落とせない。
四電は申請と合わせ、人件費削減などを盛り込んだ合理化計画を提出した。原価の項目や算出根拠が妥当かどうか政府の専門委員会による徹底審査が求められる。ただ、厳格査定を経ても上げ幅の劇的な圧縮は望めそうもない。
合理化の効果は短期的にはわずかなものだ。かかった費用を料金に転嫁できる「総括原価方式」は、電力会社のコスト抑制意欲を阻むだけでなく、現状維持志向をもたらす要因にもなっている。原発存続を前提に、当座をしのぐ策しか見いだせないわけだ。
国の電力システム改革や原発政策の展望は、なお不透明ではある。とはいえ、四電には中長期を見据えた電力供給の将来像を、地域に対して示す責任があるはずだ。
「再稼働か、値上げか」の論争は、近視眼的な踏み絵にすぎない。脱原発依存の社会の在りようが描かれないままでは、負担増という痛みを強いられる利用者も今回の値上げを心から納得はできまい。
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