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原子力規制委員会の専門家チームによる東北電力東通(ひがしどおり)原発の断層調査報告書案が18日、まとまった。ただ、問題になっているのは、専門家たちが求めてきたデータを東北電が一向に出さず、議論が深まらないことだ。東北電は何とか結論を先延ばしにして、風向きが変わるのを待っているのではないか−。専門家からはそんな疑念の声も出てきた。(小野沢健太、加藤裕治)
■非協力的
「データがそろわないということですか」
この日午前の評価会合で、産業技術総合研究所の栗田泰夫主任研究員は、いらだった様子で東北電の担当者にただした。
求めてきたデータとは、原発敷地内の試掘溝(トレンチ)で確認された地層のずれのデータだ。東通原発内の溝はあちこちに掘られており、データを数多く集めれば、上の層のずれの状況をもっと把握でき、肝心の断層が動いたのか、動いていないのかも明確にできる可能性があるからだ。
しかし、東北電の担当者はこの日も「まだ検討中で、別の機会に示したい」と、煮え切らない答えだった。
これには、たまらず司会役で規制委の島崎邦彦委員長代理も「栗田さんは事前会合(昨年11月)の時から指摘している。会合はもう4回目」と、東北電に対応を促したが、明快な答えはなかった。
■耳貸さず
こうした東北電の姿勢は、専門家チームの指摘を受けた追加調査の方針にも表れた。
専門家チームが追加調査に期待しているのは、下北半島東沖にある長大な「大陸棚外縁断層」の影響も含め、原発周辺の地質構造がどうなっていて、それが原発にどう影響するかという点。だが、東北電の梅田健夫副社長は評価会合後の記者会見で、「活断層を否定するためのデータを集める」と、追加調査の目的をこう言い切った。
都合のいいデータだけを集める調査は科学的とは言い難く、当然、記者から「結論ありきではないか」との」質問が相次いだ。これに対し、梅田副社長は「そういわれる意味が分からない」と言い放った。
評価会合でも、東北電は、追加調査で地下の深い地点から硬い岩石を探し、地層が動かないことを証明する考えを示したが、東京大学の佐藤比呂志教授から「(岩の硬さで断層活動を推測する)物差しがない。(活断層を前提に)地震の揺れを想定することに役立つ調査をした方がいい」と皮肉まじりにアドバイスを受けた。
だが、東北電はその声に耳を傾けるつもりはない様子だった。
■自ら窮地
本来なら、断層調査が長引けば、再稼働も遠くなり電力会社にとっては困るはず。活断層が原子炉の直下にあると判断されたわけではないため正確に地震の揺れを評価し直し、必要な補強をした方が道は近い。だが、東北電は、あえて長期化させる道を選んでいる。
その背景には、2号機直下に活断層ありと判断されている日本原子力発電敦賀原発(福井県)にしても、運転の可否の結論までは至っておらず、関西電力大飯原発(同)は調査そのものが難航。そうした状況の中で必要なデータを提示することは、クロ判定を自ら早めることにつながり、他の電力会社の断層評価にも悪い影響を与えてしまう、との判断がありそうだ。東通原発の調査に加わった専門家は東北電の姿勢に、こう疑問を投げかけた。
「どんな地震が起きるのかも分からず、歯がゆい。このままでは、自分の首を絞めることになることが分からないのだろうか。とにかく長引かせて、政治が変わるのを待っているのではないか」
213年2月19日 東京新聞 朝刊
http://www.tokyo-np.co.jp/article/kakushin/list/CK2013021902000165.html
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