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2013-02-17(10:17) みんな楽しくHappy♡がいい♪
小出裕章ジャーナル
放送開始日 2013年2月16日(土)〜
パーソナリティ 石井彰放送作家
ゲスト 吉岡忍さん ノンフィクション作家
福島第一原発
増え続ける高濃度汚染水を東京電力が検討「海に放水」について
石井:今日はノンフィクション作家の吉岡忍さんと一緒にお話を伺います。
小出:ありがとうございます、楽しみにしていました。
石井:
東京電力がですね、福島第一原発の高濃度、高く汚染されている汚染水のですね、
処理をした大量の水を海に放出する事を検討し始めたという大きなニュースがですね、
最近ありましたけれども、
先ずこの事について小出さんはどのように考えていらっしゃいますか?
小出:
えー、実際問題としてはせざるを得ないと思います。
どんどん今敷地の中に汚染した水が増えてきてしまっていて、
何時までも持ちこたえられる道理がありませんので、
いつの時点かで何がしかの方策をとって、海に捨てる以外にありません。
吉岡:
あぁ……、
それはでも、なかなか大変な事ですよね。
小出:
そうです。
漁民からみればとんでもない事だと思われるでしょうけれども、
でももう、大変な事故が進行中なのであって、「どうにもならない」と私は思います。
石井:
小出さんにまず一つお聞きしたいのは、
高濃度の汚染水をそこから放射能を除去する事は、
完全にとは言いませんが、ある程度でも除去する事というのは可能なんでございましょうか?
小出:
可能です。
ただし猛烈な汚染水ですので、作業をするために多数の労働者がまた被ばくをするだろうと思います。
ただし汚染水の中から、汚染水というのは水を放射能が汚しているわけですが、
水の中から放射能を取り分けるという事は、えー、“できる”のです、やる気になれば。
石井:やる気になれば「出来る」けれども、やるためには沢山の人達が被曝をせざるを得ないと、
小出:そうです。
石井:
で、そういった大変なリスクがありながらも、
もう現実に「これ以上保管が出来ない」という状況なんでしょうか?
それとも、どこか別の場所で保管をすることは可能なんでしょうか?
小出:
えっと、私はですね、事故が起きた直後から、
巨大タンカーを福島の海に連れて行ってですね、タンカーの中に汚染水を移して、
「それを柏崎刈羽原子力発電所廃液処理装置にもっていって処理をする」という案を提案していたのですが、
今までもう、ほとんど2年近く経ちましたが、国も東京電力もそれをやろうとせずに、
とにかく福島第一原子力発電所の敷地の中にタンクをつくって、そこで受けるという事をやってきたのです。
それをやる限りはいずれにしても敷地は限りがありますので、いつの時点かで必ず破たんします。
それでもうかなり満杯になっていますので、遠からず別の事を考えるしかなくなると思います。
吉岡:
結局それをいま東京電力が「海へ流しましょう」という事を、
ま、可能性を探っているというところだと思うんですけれど、
渡し、実は2〜3日前まで、宮城県の牡鹿半島の方に行っていまして、
漁師さん達といろんな話をしてました。
ぼちぼち漁業は少しずつ復興してきているんですが、
とはいえ「福島から流れてくる水」ですね、
小出:そうです。
吉岡:これを一番心配しているんですよ。
小出:そうでしょうね。
吉岡:
で、今漁師さん達は大きな声でそれがいえないんですよ。
何故か?と言うと「宮城県もか」というふうに言われるからですよ。
小出:なるほど。
吉岡:
漁師さん達も言えない、漁協も言えない。県も言えない。
っていうか、誰も反対をしない。
しかし一番心配をしている彼らという、こういう構図があるんですよ、今。
小出:そうですね、はい。
吉岡:どうすればいいんですか?これ。
小出:
えぇ・・・、私が言うのは本当に申し訳ないけれども、
どうしようもないのです。
もう、人類が経験した事がないひどい事故というのが、今現在進行中なのです。
で…、相手は放射能な訳で、
人間がどんな風に手を加えても消すことができませんので、
何とか漏れを防ぐという事は唯一出来る事なのですけれども、
次々と水を入れ続けるしかない状況では、それがまたあふれてきてしまう。
いつかやはりどこかに捨てるしかないというところに、追い込まれてしまっている訳です。
石井:あの、小出さん、沢山、
吉岡:
もうひとついい?もうひとつ、
ぼくね、2〜3日前に牡鹿半島に行ったんですよ。
そしたら女川の原子力発電所がありますよね。
そしたらですね、今まで僕は20回ぐらいあそこに行っているんですが、
初めて見ましたけれどもPRセンターが開いていました。
小出:笑)・・そうなんですか。
吉岡:
あれでしょう、ずばらしい我々のエネルギーがないこの時代に
原子力発電所が必要ですというPRをやっていましてですね、いやちょっとビックリしましたね。
小出:そうですね、この期に及んで「まだかなぁ」という思いを私も禁じえないです。
石井:小出さんありがとうございました。また来週もよろしくおねがいいたします。
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