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〈今語られる、福島第一原発の地獄 〉 〈第1回〉[ 福島の50人 ] (星の金貨プロジェクト ) 
http://www.asyura2.com/13/genpatu30/msg/162.html
投稿者 赤かぶ 日時 2013 年 2 月 06 日 00:25:00: igsppGRN/E9PQ
 

【 今語られる、福島第一原発の地獄 】〈第1回〉[ 福島の50人 ]
http://kobajun.chips.jp/?p=8583
2013年2月6日 星の金貨プロジェクト


「自分たちのすべてを犠牲にする事を求められた、神風特攻隊のような気持ちでした。」

チェルノブイリ以来最悪の事故がもたらした放射性物質をどうするか、苦悩が続く日本で、福島第一原発のスタッフたちは誰の目にもとまることなく事故の影の中で生きている。
東京電力の職員、吉澤厚文(よしざわあつふみ)氏がこう語りました。

ジャスティン・マッカリー / ザ・ガーディアン(英国) 1月11日

胸ポケットに会社のロゴが印された青い作業服に身を包んだ吉澤厚文氏は、一年の大半を過酷な戦いの連続の中で過ごした人のようには見えません。
しかしそんな彼自身の口から語られたのは、日本史上最悪の原発事故の真っただ中に留まり、自分の命を危険にさらしながら働いた現場の技術者、特殊作業担当者、自衛隊員、そして消防士たちの物語です。

世界のメディアは彼らを『フクシマ・フィフティーズ / 福島の50人』と名づけました。
しかし、福島第一原子力設備で3基の原子炉のメルトダウンに対処するため、その場にいた作業者の実際の数は数百人に上りました。

彼らは、この巨大災害の英雄になりました。
世界は彼らの勇敢さと献身的な行動に賛辞を贈りつづけました。
そして、その割を食うように、何ら有効な手立てを持たない日本の原子力行政にたずさわる人間たちと政治家に対しては、世界中から批難が浴びせられました。

http://kobajun.chips.jp/wp-content/uploads/020513.jpg

しかし日本国内にあっては、『フクシマ・フィフティーズ / 福島の50人』の人々の名が知られることはほとんどありませんでした。
何割かの人々は、英雄として脚光を浴びることを潔しとはしませんでした。
しかし[ 福島の50人 ]の中で一番多かったのは、チェルノブイリ以来最悪の原子力事故を引き起こし、放射性物質をまき散らし、政治的な問題まで引き起こした福島第一原発に関わっていたことにより、何者かに報復されることを恐れていた人々だったのです。

数少ないインタビューのひとつとなった会見の中で、吉澤氏は危機が登勢のように展開したのか、そしてなぜ自分を英雄とは思えないのか、胸の内を明らかにしました。

2011年3月11日の午後、マグニチュード9.0の地震が東北沿岸を襲った時、吉澤氏は2つの事だけを考えていました。
自分は決して逃げない、そして死ぬことは無いだろう。

最初の強力な衝撃が見舞われたとき、54才の原子力技術者は福島第一原発における勤務シフトを終えようとしていました。
凶暴な揺が襲い、天井からパネルが次々と剥がれ落ちました。
発電所の主制御室の外の廊下に居た吉澤氏は、自分の机の近くにあるシェルターに行くこともままならず、その場にしゃがみ込むしかありませんでした。
「何とか態勢を建て直して窓の外を見ると、地震のものすごい力で、駐めてあった車が上下にボンボンはねていました。そんな光景を見たのは、生まれて初めてでした。」
東京電力本社で最近行われたインタビューで、吉澤さんがこう話しました。

大学を卒業してすぐに東京電力の社員となった吉澤さんは、当日午後に福島第一原発内に居た6,000人の作業者のうちの一人です。
当時このうち約2,000人の人が、6基の原子炉の立ち入り制限区域内で作業を行っていました。
吉澤さんの頭にとっさに浮かんだのは、東京の南郊、横浜市内で暮らす妻と2人の娘のことではありませんでした。
彼女たちについては、無事だと思うしかありませんでした。
彼が考えたこと、それは福島第一原発のほとんどの職員の家族が、発電所近くに住んでいるという事でした。

▽ 津波
http://kobajun.chips.jp/wp-content/uploads/0205131.jpg

痩せて根金をかけている吉澤氏は、かつて東京の本社にいた時はネクタイにスーツ姿でした。
しかしこの時、一旦揺れが収まった後、彼は自分が部長を務める核燃料サイクル部門の部屋で、素早く放射線防護スーツを身に着け、今後の対応をどうするか検討するため幹部職員が集まっていた、耐震工事を施した避難棟に向かいました。

その場所で吉澤さんは、予想もしない現実に直面させられることになったのです。
地震発生から一時間も経たないうちに、福島第一原発が高さ3メートルをはるかに超える津波が襲われたと、ニュースが何度も繰り返して伝えました。

伝えられた津波の高さは、福島第一原発の防波堤が想定する高さを、はるかに超えるものだったのです。

彼らがいた避難棟には窓が無かったため、津波が原子炉建に襲いかかる場面を実際に見た人間は一人もいませんでした。
行く手を阻むものすべてを根こそぎ押し倒し、何もかも飲みこんでしまった真っ黒な濁流を。
「私の耳に飛び込んできたのは、電気の供給に問題が発生したという報告でした、そして海の上一面に破片が浮かんでいるという報告も。」
吉澤氏が語りました。

しかし、進行していた現実はもっと恐ろしいものだったのです。

津波は福島第一原発の予備電源装置を破壊し、発電所内は闇に包まれました。

そして闇より恐ろしい事態が発生しました。

http://kobajun.chips.jp/wp-content/uploads/48dc18ea3e16f87abfda197c55143d54.jpg

もし吉澤氏がかろうじて助かった、そう思う事があったとすれば、それは2機の原子炉、5号機と6号機がすでに冷温停止の状態にあった事でした。
この2機は定期点検のため、稼働を停止していたのです。

しかし送電停止の状態が続けは、残り4基の原子炉内部では核燃料棒が熱のために溶けてしまい、大量の放射性物質の放出につながる危険性があります。
そうなれば、放射性物質の飛散は福島の県境を越え、はるか遠くにまで広がることになります。
〈『 撤・退 』に続く〉

http://www.guardian.co.uk/environment/2013/jan/11/fukushima-50-kamikaze-pilots-sacrifice?INTCMP=SRCH
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今日から3回に分け、イギリスの[ガーディアン]に掲載された 今語られる、福島第一原発の地獄 】[ 福島の50人 ]を掲載します。

[ガーディアン]の記事は、私はアメリカのニューヨークタイムズと並んで、内容が充実したレベルの高いものだと感じています。
特に今回の記事はすべて訳し終えた後に、出来のいい短編小説を読んだ様な感動を覚えました。
ぜひ全3回、お読みいただけたら、と思います。
そしてできれば「主人公」が東京電力の社員だという事で、偏見などを持たずに読み進んでいただければ、と思います。

 

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コメント
 
01. 2013年2月06日 01:13:23 : 7oSKGju5kA
組織上部の戦略上の無能さを隠し責任所在を有耶無耶にしたままデスマーチを続行させる手段として
現場戦場における英雄美談は便利に利用される。
何処かの帝国陸軍が良い例だろう。しかし落ち着いて顧みれば良い。
それは戦略側の極限の無能が戦域随所に産み落とした糞尿を
その都度現場が現物合わせで取り繕って居るに過ぎない。
英雄物語は美談では無い。手前の尻の拭き方も知らない偉方の汚物を始末してるに他なら無いのだ。

剰え胸に輝く私企業東電バッジ。
赤紙徴用されたでもあるまい。自分の尻を自分で拭いているだけの事。
あれだけ高慢な巨体が「這えば立て 立てば歩めの 親心」で、ウンコ拭けた事を褒めて欲しいでもあるまい。
これを殊更美談と演出する事に大本営発表式の過剰演出の意志を感じる。


02. 2013年2月06日 01:19:46 : FfzzRIbxkp
福島の50人。 今始めて知りました。

イギリスの人が知っていて、同じ国に住む日本人が知らないとほほ。

次回も読みます。


03. 2013年2月06日 02:09:28 : 83rfHnpKBE
あらゆる組織が、過酷事故想定を怠っていた。
現場とて、同じこと。

04. 2013年2月06日 09:17:09 : 9gCy4hlZJQ
進捗している事態の恐ろしさ、破滅性はこんな記事どころの騒ぎじゃないよ。汚染が東海地方にまで進捗していることの意味がわかっていない。阿修羅の住人だって未だ事態の深刻さが理解できない馬鹿が殆どだと思うよ。

05. 2013年2月06日 13:01:33 : UXKjQTYwdw
命をはって日本を救ってくれたのだから、本来だったら表彰されてしかるべき人たちだが、
日本政府が彼らを表彰することはないだろう。

なぜなら、彼らは、被曝が原因ですでに亡くなっているか、重病で苦しんでいるかのどちらかであり、
それが公になると政府は困るからね。


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