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「0.5ミリシーベルト」避難 ブレる基準 原子力規制委 指針改定案
2013年1月31日 東京新聞[核心]
http://www.tokyo-np.co.jp/article/kakushin/list/CK2013013102000115.html
原子力規制委員会は30日、原発事故時に、非常に高い放射線量である毎時0.5ミリシーベルトを計測すれば住民が避難を始めることなどを柱とする基準案を決めた。関係自治体はこうした指針改定案を踏まえ、3月18日までに地域防災計画をつくることになっている。ただ、もともと「線量が高すぎる」との批判があるのに加え、この日になって規制委は「基準が適用されるのは例外的」と不可解なことを言い出し、とまどいが広がっている。 (加藤裕治、大野孝志、加賀大介)
◆困惑
「そうは理解していない。そんな説明は受けていない」
日本原子力発電東海第二原発を抱える茨城県の担当者はとまどいを隠さなかった。
東京電力柏崎刈羽原発がある新潟県の担当者もネット中継で規制委の議論を見ていたが、「これまでと違うことを言い始めたと驚いた」という。
この日の規制委会合で田中俊一委員長が「線量については、少し誤解がある」と言い出した。一体何が「誤解」なのか本紙が同委にただすと、確かに基準案には5〜30キロ圏では、毎時0.5ミリシーベルトの放射線量で避難を開始するとは書いてあるものの、実際の事故時は規制委の判断で、線量にかかわらず、避難を迫られる範囲は大きく変わるのだという。
避難範囲が変わるということは、自治体にとっては、バスなど避難手段や避難先の確保の状況もがらっと変わることを意味する。茨城県の担当者は「まだ具体的な避難方法は検討していないが、(案の位置づけが変わることで)どれほど影響があるか分からない」とぼやいた。特に市町村では計画づくりが大幅に遅れており、また一つ頭痛の種が増えた。
◆違和感
東電福島第一原発事故に直面し、避難生活を余儀なくされた人たちも、基準案に違和感を持っている。0.5ミリシーベルトは一般人の年間被ばく線量限度である1ミリシーベルトに2時間で達する高い値。
「数時間で済むと分かっていれば、屋内退避でもいい。でも、その先、いつ放射性物質の放出が収まるか分からない。みんな基準より低い数値で逃げ始める」。双葉町から自家用車で避難した鵜沼友恵さん(37)が語る。
当時、福島第一から5キロ地点の放射線量=グラフ=を見返すと、恐ろしい爆発があっても、放射性物質は空高く舞い上がり、地上の線量はほとんど上がらなかった。基準案の0.5ミリシーベルトに達したのは、2号機が危機的な状況になった3月15日以降。もし基準に沿って逃げれば、まさに大量の放射性物質が飛んでくるまっただ中に突っ込む恐れもある。
双葉町の幹部職員は「これは住民の避難基準?原発作業員のでは?」と基準の高さにあらためて驚き、「避難中の被ばくを考えたのだろうか。大地震の後なら、車ではなく、歩いて逃げる人もいる。基準は見直されるだろう」と語った。
◆防げ
実は、避難計画も含めた自治体の地域防災計画は、3月にまとめれば終わりではなく、今後出てくる試算などを受け、何度も大幅見直しを迫られる。
事務局の森本英香次長は「検討途上だと理解してほしい。パブコメ(意見募集)にかけるということで今日、整理ができた」と強調した。ただ、今回のように一つの基準をめぐり、規制委と、自治体や報道機関との間で認識が異なるようでは、計画づくりの妨げにしかならない。
地域防災計画が本当に住民を守るためのものになるのかは、規制委がいかに自治体と協力し、寄せられた意見にきちんと向き合うかにかかっている。規制委の対応が試される。
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