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1999年 世紀末に向かう欧州〜19世紀が墜落の世紀だったとすれば、20世紀は科学技術によって武装し、思い上がった人間が「自分達こそ世界を制御できる」という幻想に支配された始末の悪い世紀だったといえるかもしれない
≪1999年 世紀末に向かう欧州≫
18世紀の欧州は「フランス革命」を、19世紀の欧州は「マルクス主義」を産んだ。そして20世紀末の欧州は何を産むのだろうか。
欧州は苦悩の中で20世紀を総括し、新しい時代システムを構築しようとしている。それが私の結論である。「国民国家」と「社会主義」によって特色づけられる20世紀は、ヨーロッパにとって戦争と革命、対立と分断の世紀であった。その20世紀に欧州は疲れ果てた。そして冷戦後、米国を発信源とするグローバルな市場主義の嵐が吹き始めた。「世界のアメリカ化」が進む中で、ヨーロッパの自尊心と歴史認識が刺激された。欧州は今、「新欧州主義」と呼ぶべきパラダイムの転換の渦中にある。
吉田健一は「ヨオロッパの世紀末」において、実にユニークな歴史観を展開している。彼によれば、「ヨオロッパがヨオロッパとしての性格を完成した」のが18世紀であり、「生を喪失し、実利的にのみ生きることによる愚劣、偽善、雑然」という「墜落に転じた」のが19世紀の欧州だというのである。…
19世紀が墜落の世紀だったとすれば、20世紀は科学技術によって武装し、思い上がった人間が「自分達こそ世界を制御できる」という幻想に支配された始末の悪い世紀だったといえるかもしれない。
【出展】
「1900年への旅ーあるいは、道に迷わば年輪を見よ」寺島実郎/新潮社 2K年
(関連)
・http://www.asyura2.com/20/kokusai29/msg/207.html#c5
>「東風が西風を圧する」時代に入っている…(以下、略)
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