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〔アメリカ武器供与の闇〕6月9日、TBS報道特集
(導入部:略)
ロバート・フォード(元米駐シリア大使)「2012年夏の終わり頃から米政府内で自由シリア軍に対して兵器を供与すべきという議論が始まった」
この元大使はシリア反体制派への武器供与を強く押していた。だが当時のオバマ大統領は一貫して否定的だった。シリア内戦の泥沼に引きづり込まれるリスクとシリアに流れ込んだ兵器がイスラム過激派に渡るリスク、そしてもう一つ乗り越えられないリスクがあった。
フォード「他国の反体制派に兵器の支援をすることは国際法で明確に禁止されている…だから米政府は一度も公式に兵器供与を認めたことはない。それはCIAが実行するオモテに出せないプログラムだったのだ」
すべてのリスクを負っったままで米政府が武器供与に踏み切った理由、それはシリア国内で拡大しつつあったイスラム過激派の脅威だった。
フォード「イスラム過激派と穏健派の勢力争いが起きる中で米国にとって重要だったのは穏健派を支援することだった。私たちは大統領に”このまま過激派が強く成り過ぎたら米自身がシリアに派兵しなければならなくなる”と伝えたのだ」
2013年には米政府は秘密裏にCIAを通して反体制派への兵器供与を開始。さらに2014年にはイスラム国と戦う反体制派支援のため国防総省による兵器供与作戦が始まった。
(中略)
しかし、戦闘の中でイスラム過激派組織に捕えられたり寝返ったりして米国が供与した多くの兵器がイスラム過激派の手に落ちてしまったのだ。
イスラム国の武器の由来を3年に亘って調べたダミアン・スプリータズ氏(NGO)によると、イスラム国の武器の中に米国政府ががブルガリアなどバルカン諸国で購入した武器が多く含まれていることが確認された。
スプリータズ「最も衝撃的だったのは、ブルガリアで2015年12月に製造され米政府に売却された兵器が、出荷から2か月もたたずにイスラム国から回収された例がある」
バルカン諸国からトルコやヨルダンを経由してシリアに流れ込む兵器が極めて短期間の内にイスラム国の手に渡る実態が明らかになった。米国などシリア反体制派を支援した国々が作りあげた”武器のバルカンルート”は、結果的に米国が恐れたイスラム過激派にまでつながっていた。
スプリータズ「反体制派に大量の兵器を流し込むことは、強力で危険な組織を更に危険にする。武装組織と戦うため多くの兵器を供給しなければならなくなるという悪循環に陥ってしまう」
村瀬健介(中東支局長:ロンドン)「…こうして実行された兵器供与という政策は、現在と将来のシリアの人々の生活に甚大な影響を与えているわけだ」
日下部キャス「バルカン半島と言うと、西ヨーロッパを目指す多くのシリア難民の姿が目に浮かぶが、その流れとは全く逆の流れに乗って武器がシリアに入っていったことになるが…」
村瀬「はい、ヨーロッパに流れる難民のルートは、難民のバルカンルートと言われていた。バルカン諸国の兵器産業は空前の好景気に沸いた。一方で難民のバルカンルートの方は、国境にフェンスが築かれるなどしてすぐに閉鎖されてしまった。この武器と難民のバルカンルートのコントラストは中東の国際政治の残酷な現実を写し出しているように思った」
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