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≪プロローグ≫
予測1 原油価格は100ドルを超えて高騰し続ける
2 「サプライム住宅ローン危機」は再三爆発する
…
7 アメリカ資本主義は数年内に終焉する
8 2009年後半から2010年前半に世界的な重大危機
・ただ、1949年に社会革命を経ている中国には、政治的には大きな転換はないと感じられる。問題が起こるとすれば、現在の強大な軍隊による支配体制が維持できなくなった場合だ。
≪日本で新たな経済システムの胎動が起こる≫
・日本は、すでに私が理想とする「プラウト経済民主主義」によく似た経験をしている。1950年から1975年までの期間、日本の社会は非常にバランスのとれた成長を遂げたのだ。この経験が、新たな経済と社会の建設に生かされるだろう。
≪「グリンスパンの嘘」が格差を広げた〜富裕層に手厚い「減税」で財政赤字拡大≫
・グリンスパン前議長は、…FRB議長に就任する前に、大統領経済諮問委員会議長として当時のレーガン大統領に「社会保障税」の引き上げを求めた。年金財政が破綻するという理由を付けて、1983年4月に承認されたこの政策で、アメリカ政府は2兆ドルという莫大なお金を国民から集めた。
本来この資金は貯蓄されて、社会保障、とくに年金などの財源になるはずだったのだが、政府はこれをすべて他の目的でつかってしまった。大部分は国家予算の赤字を埋めるために使われてしまった。これは、グリーンスパン前議長と政府による「謀略」といっても差し支えないくらいの行為だった。
グリーンスパン前議長は、レーガンに減税も奨めた。それは、「法人税と所得税の大幅減税が景気回復には一番効果的ですよ。減税することによって消費が拡大し、結果的には税収も上がり、最終的には財政は1兆ドルの黒字になります」といったものだった。
ところがこの政策は2年で馬脚をあらわしてしまった。税収減のために財政赤字が4200億ドルにふくれあがってしまったのだ。グリーンスパン前議長は、「嘘」をついたことになる。
しかも、減税の中身は、「富裕層」に手厚いものだった。高額所得者の所得税率を70%から28%に下げるという大盤振る舞いだった。これで、アメリカ社会の「格差」は一段と広がっていった。
≪グリーンスパン前議長の「強欲」の経済手法≫
・グリーンスパン前FRB議長の手法は、「グリノミックス」とも呼ばれ…評価する向きも一部にあった。
彼いわく、「市場や産業界の心理を抜け目なく判断することが必要。さらにワシントン政界にも理解のある人物であるべき」と。つまり、「富裕層とワシントン」さえつかんでいれば、「カリスマ議長」として君臨できるということを、いみじくも語っているわけだ。
なにしろ、グリーンスパン前議長は、現在の、ジョージ・ブッシュ大統領にも、レーガンと同じ「富裕者厚遇減税」を吹き込んだ。…再び、富裕層に手厚い減税がおこなわれ、社会的格差はさらに拡大した。
私にいわせれば「グリーノミクス」の正体は「グリードミクス(greed=強欲の経済手法)だということだ。彼の経済思想は、アダム・スミスとアイン・ランドの流れを汲むもの。それに加えて、ケインズ派経済学の影響も受けている。この寄せ集めの、一貫性をまったく欠く思想によって、…「グリーンスパンの手法」を完成させている。
≪「金利引き下げ」が生んだ「住宅バブル」≫
・2000年から01年の「ITバブル崩壊」の株価下落の時に、グリーンスパン前議長がFRB金利を引き下げた。…つまり、FRBのグリーンスパン前議長が、株式市場の下支えのためにだぶつかせた過剰な資金は、「9.11」の影響もあって、先行き不安な株ではなく不動産市場に怒涛のように流れ込んだ。
これは完璧に「住宅バブル」の状況であり、この状況になるまで放置、いや増長させていたグリーンスパン前FRB議長の責任は重大だ。
「サプライム住宅ローン」は、1990年代後半、グリーンスパンがFRB議長だったときに、銀行が「信用度の低い借り手」向けに、高い利子を設定し貸し始めたローン形式だ。
アメリカを苦しめている10の元凶
・フォードはアラン・グリーンスパンを経済諮問委員会議長に推薦した。この時、「反トラスト法を認めず、消費者保護の必要性を認めず、累進課税の正当性も認めない経営コンサルタント」がアメリカ経済を左右しはじめたのだ。最初から、グリーンスパン前議長の立場は富裕者のサイドだった。
まさに、この年から労働者の実質賃金は下がりはじめ、アメリカの貧困層の総数が増加しはじめているのだ。
【出典】
「2010年 資本主義大暴落〜緊急!近未来10の予測」ラビ・バトラ/あ・うん出版 H20年
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