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アメリカがイスラーム国と交渉せざるを得なくなる日は来るのであろうか? 私は、その日は…/アブドルバーリ
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投稿者 仁王像 日時 2015 年 12 月 17 日 20:05:31: jdZgmZ21Prm8E
 

(回答先: 多くのムスリムが抱いていた”イスラーム国はアメリカとイスラエルの手先”が、空爆で…/アブドルバーリ 投稿者 仁王像 日時 2015 年 12 月 14 日 20:09:46)


第十一章 イスラーム国の未来
 イスラーム国は短期間のうちに、国際法が規定するところの「国家」を建設した※。この「国家」はさらなる領土拡大を狙っているが、軍事作戦によって壊滅させることは難しいと思われる。彼らは既に、あまりにも多くの都市や町村に拡散してしまっているばかりか、世界中の様々な類似のイスラーム系勢力に支援されているためだ。加えて彼らは、すばやく回復し拡散する能力を持っている。
 ※)第一章から抜粋。
 「1933年のモンテビデオ条約に則れば、二種類の国家が存在。一つは、宣言によって存在する国家。二つは、建国された国家である。一つ目は、他国の承認は必須ではない。二つ目は、他国の承認が必須である。

 最も危険なシナリオは、イスラーム国とタリバーン運動が相違を乗り越えて合意に達し、共闘関係を築くことである。それは中東、アジア地域を揺るがすものとなるだろう。
 イスラーム国の弱点は、空軍と防空システム、長距離ミサイルを有さないことにあるが、士気が高く、殉教精神に富み、自爆攻撃も厭わない地上軍がこの弱点を補っている。
 ジハード主義組織の歴史において、イスラーム国が行っているような、広範な地域の支配と諸機関の管理、徴税や裁判所の開設、治安維持、自前の資金・武器の所有、政府運営を実現させた組織はこれまで存在しなかった。イスラーム国はこうした能力により、組織の維持と領土拡大を実現したのであり、このことは、イスラーム国の軍事・政治機構の壊滅を困難にしている。
 イスラーム国の領域は、今後数年間、対戦国との戦闘の推移により拡大と縮小を繰り返すであろうが、彼らが存続し拡大する可能性は、壊滅する可能性よりも大きいように思われる。
 イスラーム国はその賛否はともかくとして、世界中の絶望したムスリムを最も惹きつける勢力であることは間違いない。彼らにとってイスラーム国は、「不信仰者や十字軍、アメリカの支配と戦い、イスラームの栄光を取り戻す」ためのシンボルとなっている。

≪パレスチナ問題≫
 私はイスラーム国の理論的指導者の一人に、イスラーム国がパレスチナ問題に触れていない理由について直接尋ねたことがある。彼は次のように答えた。
 「イスラーム国には優先順位がある。今イスラーム国は力を蓄える段階にある。この段階が完了すれば、次の『解放』に向けて動くことになり、私達はユダヤ人とその政府と戦い、双方を滅ぼすだろう。第二世代のカリフの治世においてパレスチナ、シャーム全域が解放されたが、それはペルシャとイラクの解放が行われた後に実行された」
 私は、バグダーディーに近いある人物に、イスラーム国の最重要目標は何かと問うたことがある。この人物は即座に「ヒジャーズ(アラビア半島の紅海沿岸地方)」と答えた。
 今後、私達はイスラーム国の行動を注視する必要がある。カリフ制の確立を完成させるには、メッカとマディーナを支配しなければならないのである。

 イスラーム国の構成員を「首切り、石打の刑を執行する以外に能はなく、殉教だけを目標としている冒険的なジハード主義者」と決めつけるのは誤っている。彼らは、行政、軍事、政治、メディア、治安などの様々な分野の「頭脳」を結集した集団であり、プランニングとリサーチに長け、諸機関を運営している。こうした実態は、イスラーム国内部からもたらされた情報に基づいており、真実に近いと思われる。ヨーロッパの一流大学、軍事アカデミーで教育を受けた人材に加え、イスラーム主義思想に転向した旧イラク軍の将校が軍事指導者として参画している。
 アメリカ政府はかつて、ベトナム政府やタリバーンと交渉せざるを得なくなった。では、アメリカがイスラーム国と交渉せざるを得なくなる日は来るのであろうか? 私は、そのような日は来るのではないかと考える。(完)
【出展】同前  

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