http://www.asyura2.com/13/dispute31/msg/253.html
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(回答先: シリアでの戦闘は、米国にとっては“解けない方程式”〜宮田律著『アメリカはイスラム国に勝てない』から 投稿者 仁王像 日時 2015 年 3 月 24 日 20:05:21)
第3章 「イスラム国」をめぐる国際情勢
≪サウジでは、イスラム過激派が重大な懸念材料に≫
「イスラム国」の目標は、とくにヨーロッパ植民地主義諸国が中東でつくった秩序を破壊し、「カリフ国家」を創設することにある。2012年に「イスラム国」の創設を財政的に支援したのはサウジで、サウジにはカタールの影響力に対抗する意図があった。カタールはシリアで反アサドの「自由シリア軍」を支援し、また中東地域の「ムスリム同胞団」を支援する姿勢を、サウジは苦々しく思っていた。2014年まで、サウジは「イスラム国」に支持を与え続けた。
≪イスラム世界全体の急進的な潮流に、幅広く目を配れ≫
2014年6月、米国は、シリアの「穏健な武装集団」に5億ドルの資金協力を決定した。しかし、シリアには「穏健な武装集団」など存在しない。
2014年11月、ヌスラ戦線が、シリア北西部の町デイル・スンブルを、米国が「穏健な武装勢力」とする『シリア革命戦線』から奪った。この敗退は、オバマ政権のシリア政策にとっては打撃となった。「穏健な武装勢力」が将来のアルカイダや「イスラム国」のようになりかねない。2013年9月には「自由シリア軍」の「ダウード軍団」のように「イスラム国」に組織ごと加わったケースもあった。
≪シリア情勢がイスラエルやヨルダンに飛び火する日≫
イランは「イスラム国」に対して、米国主導の同盟国に対抗するかのように、シリア、レバノン、イラクとの同盟関係を築きつつある。
イスラエル紙『ハアレツ』は、「イスラム国」もイスラエル国境に近いシリアの村落に浸透するようになったと報じ、シリア内戦がイスラエルに飛び火することを、イスラエルは警告するようになった。
シリア情勢はますます複雑になり、混迷を深めているが、それがイスラエルやヨルダンなどに飛び火していくという懸念が深刻になりつつある。
第4章 米国の足を引っ張る「同盟国」
≪ヨルダン川西岸の入植地拡大に、ヨーロッパは反発≫
アラブ諸国が1973年の第四次中東戦争後にパレスチナ問題に急速に関わろうとしなくなったのは、イスラエルの「核」のせいもある。
EU諸国には、経済的圧力でイスラエルによる入植地拡大を封じようとする動きが出てきた。スウェーデン政府は2014年10月、パレスチナ国家を公式に承認した。スウェーデン政府はパレスチナ国家造成に財政支援することも同時に決定し、現在の額の5割アップ、今後5年間で15億クローナ(約225億円)に増額することも決定している。
≪イスラエルのアラブ系市民の不満も、中東地域の不安定要因≫
フェデリカ・モゲリーニ欧州連合(EU)外務・安全保障政策上級代表(前イタリア外相)は、2014年11月にガザを訪れ、パレスチナ国家創設を訴え、ガザ市民だけでなく全世界が、これ以上のガザ攻撃は容認できないと述べた。
「パレスチナ国家が、果てしない戦争か」とモゲリーニ代表は述べ、パレスチナ国家創設は全EUの立場であるとの考えを、彼女の最初のガザ訪問で明らかにした。
同じ11月、『ウォールストリート・ジャーナル』は、複数のヨーロッパ諸国がパレスチナ国家を承認する意向であることを米国政府に伝えたと報じた。中東の不安定は難民の流入などヨーロッパの安全保障にも直結する問題だ。
イスラエルにいる160万人のアラブ人たちは、社会福祉、医療、雇用、インフラ、また公共サービス、住宅などで差別された環境のなかで暮らしている。こうした差別や抑圧は、イスラエル国内のアラブ人たちにもイスラム運動への共感を呼ぶことになり、イスラエル社会の安定にも役立たない。
スウェーデン政府、イギリス議会(議決)、スペイン議会(議決)は「パレスチナ国家」を承認した。そして同様な動きはヨーロッパ諸国を広く覆っていくに違いない。
【出典】同前
・イスラエルとの闘いの熾烈化(2015年2月7日 田中 宇)
http://www.asyura2.com/15/kokusai10/msg/104.html
> 欧州は、従来から米国以上にパレスチナ問題でイスラエルに批判的だ。イスラエル政府は昨年末、欧州諸国と自国の関係が急速に悪化し、今年はさらに関係が悪化すると予測する報告書をまとめている。世論調査によると、英国民の38%がイスラエルを嫌っている
非常に興味深いことに、シリザやポデモスの台頭と同時期の昨年10月、EUは新任の外相に、イタリアの極左(共産主義者)であるフェデリカ・モゲリニを選出している。モゲリニは親露・親プーチンであると同時に親パレスチナ・反イスラエルだ。モゲリニは昨年2月にイタリアの外相に抜擢されたばかりで、8カ月の外相経験しかないのにEU全体の外相に選ばれた。EUの幹部人事には独仏の意志が反映されている。独仏は、わざわざ極左をEUの外相に据えた観がある。ドイツは表向き、米国主導の対露制裁に追随し、シリザなど極左政権の誕生に怒っている。しかしモゲリニの登場を見ると、実のところドイツは、シリザやポデモスが台頭し、対米従属を乗り越えられないドイツ自身を対米自立の方に押し流してくれるのを期待しているようにも見える。
モゲリニは就任早々、イスラエルが中東和平を進めない場合、EUがイスラエルよりパレスチナと親密にすることを示唆している。
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