http://www.asyura2.com/13/dispute31/msg/240.html
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「里山資本主義〜日本経済は“安心の原理”で動く」藻谷浩介&NHK広島取材班/角川新書‘13年から抜粋
〔中間総括「里山資本主義の極意」〜マネーに依存しないサブシステム〕
人が生きていくのに必要なのは、お金だろうか。それとも水と食料と燃料だろうか。
「里山資本主義」とは、お金の循環がすべてを決定するという前提で構築された「マネー資本主義」の経済システムの横に、こっそりと、お金に依存しないサブシステムを再構築しておこうという考え方だ。お金が乏しくなっても水と食料と燃料が手に入り続ける仕組み、いわば安心安全のネットワークを、予め用意しておこうという実践だ。勘違いしないで欲しいのだが、江戸時代以前の農村のような自給自足の暮らしに現代人の生活を戻せ、という主義主張ではない。
ただし、里山資本主義は、誰でもどこでも十二分に実践できるわけではない。マネー資本主義の下では条件不利とみなされてきた過疎地域にこそ、つまり人口当たりの自然エネルギー量が大きく、前近代からの資産が不稼働のまま残されている地域にこそ、より大きな可能性がある。
悪条件が揃えばこそ、全国に先駆けて木質(本質ではない)バイオマス燃料の使用が普及する地域(岡山県真庭市など)が生まれ、地元に残った有志の間の目の見えないネットワークがどんどん拡大し始めたとも言える。マネー資本主義の恩恵を地域に呼び込む20世紀型のさまざまな装置(高速道路、工場誘致等)だのが機能しない地域だからこそ、里山資本主義が21世紀の活路であることに気付く人々が登場し始めたのだ。
マネー資本主義に染まりきってしまった人の中には、自分や他人の存在価値は稼いだ金銭の額で決まると思い込んでいる人がいる。
持つべきものはお金ではなく、第一に人との絆だ。第二は、自然とのつながりだ。実は大昔からあった金銭換算できない世界が、里山資本主義の向こう側に拡がる。
〔最終総括「里山資本主義」で不安・不満・不信に決別を〜日本の本当の危機・少子化への解決策〕
(マネー資本主義では)全体の繁栄が難しいということになると、誰かを叩いて切り捨てるという発想が出て来やすい。官僚がけしからん、大企業がけしからん、マスコミがけしからん、政権がけしからん、と。そのうちに、その批判対象から「自分こそが、けしからんの側」と見られているのではないかと、疑心暗鬼になる人が増えてきた。
≪天災は「マネー資本主義」を機能停止させる≫
(略)
≪「マネー資本主義」が生んだ「刹那行動」蔓延の病理≫
(略)
・「日本を襲うのは二千年に一度の現役世代の減少と高齢者の激増である」/藻谷浩介『デフレの正体』から
http://www.asyura2.com/12/hasan76/msg/528.html
投稿者 仁王像 日時 2012 年 6 月 13 日 20:27:59: jdZgmZ21Pr
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