http://www.asyura2.com/13/dispute31/msg/170.html
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エコノミスト3/25号の32ページから33ページに載っている「年末1ドル=120円、株価一万円も 日本経済に迫る『円安・株安』の足音」 という記事に対する疑問です。
まずは、「年末1ドル=120円、株価一万円も 日本経済に迫る『円安・株安』の足音」について。
問題だと思うところを引用します。
(国債暴落が始まる)
>そのきっかけは、よく言われる「外国人による売り崩し」ではない。彼らは国債をほとんど持っていない。持っていないから売れない。先物を売っても巨大な現物市場との裁定取引で吸収されるだけだ。「ボキっと折れる」時は、国債を大量保有する国内金融機関が売り手に回るときだ。
>円安が進行し、株価下落が続くと、金融機関は実質金利マイナスの、いつ暴落してもおかしくない危険な国債の保有を続けるリスク許容度がなくなる。もちろん国債の大量売却は金融庁ににらまれる行為かもしれない。しかし、経営破たんするか金融庁ににらまれるかであれば、どちらを選択するかは言うまでもない。
これ、おかしいと思います。まず、外国人の国債保有率は既に5%は超えているはずで、http://www.nikkei.com/article/DGXNASFL190O8_Z11C13A2000000/
によれば、「海外投資家が持つ日本国債の残高は9月末時点で79兆円と8.7%減少した。2四半期連続の減少。海外投資家の保有比率は8.0%と6月末時点から低下した。国内銀行も13.9%と6月末時点を下回った。」とのことで、「国債の残高980兆円に占める日銀の保有比率は17.4%」とも書かれています。この記事は2013/12/19のものですから、今は多少変化があるでしょうが、基本的にはあまり変わっていないはずです。ともかく、海外投資家の持ち分が8%、国内銀行が14%、日銀が17%ということは、海外投資家の持ち分が決して「持っていないから売れない」というレベルではないということだと思います。
次に、より重要なことですが、「円安が進行し、株価下落が続くと、金融機関は実質金利マイナスの、いつ暴落してもおかしくない危険な国債の保有を続けるリスク許容度がなくなる」ということ自体は、一応論理的だと思いますが、だからと言って、国内銀行が日本国債売りに動くだろうかと思います。なぜなら、どこかの一部の国内銀行、または生保でもいいのですが、だけが売り抜けることが出来るのであれば、それはそれでいいのでしょうが、現実にはそんなことはなかなかできないはずだからです。日銀の買い取り規模以上の売りを出してしまえばそれは暴落のきっかけになるわけで、暴落が始まってしまえば、日本国内の金融機関はすべて破綻です。
仮に、売り抜けが可能だとして、その後はどうなるのでしょうか。国内金融機関が海外へ逃げることが出来るのであればそれはそれでいいのでしょうが、現実には国内金融機関は海外へ逃げることができないはずです。そうであれば、国債の売りを仕掛けることによって、日本の財政破たんを招き入れるようなことは多分どこの国内金融機関はしないはずです。つまり、日本国債での損を回避できたとしても、日本政府の財政破たんやその後の経済混乱による損失の方がよほど怖いからです。
もっとも山一證券などが破たんしたように、日本国債破綻の条件は既に整っているので、どこかが強力な意思を持って売りを仕掛ければ、日本国債暴落は近い将来起こってしまうでしょう。なお、山一證券などの破たんは本当は必要のないものであったはずだと自分は考えています。
結局、もし起こるのであれば、海外勢の売りによって日本国債暴落のきっかけが作られると思います。
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