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「特定機密は確実に増殖する」
http://www.asyura2.com/13/dispute31/msg/137.html
投稿者 カッサンドラ 日時 2013 年 12 月 21 日 11:28:31: Ais6UB4YIFV7c
 

 なぜなら役人が機密事項の案を作るからだ。 「決めるのは行政機関の長、つまり大臣じゃないのか?」・・・確かに大臣が最終決裁を行うのだろうが、その文案を作るのはあくまで配下の役人だ。 そして役人は、国民に 「公開したくない案件」 を色々と抱えている。 「しかし、特定秘密保護法に該当しなければ特定機密にはなるまい」・・・それも一理あるが、 「看板の架け替え」 もまた役人が得意中の得意なのだ。 どういうことか。


 今までやってきた事業が政府の方針が変わったため廃止せざるをえないとき、役人は新方針に則った事業の看板(名前) に架け替える秘策を用いることがある。 中身の仕事内容がほとんど同じものであるにもかかわらず。  こういう新しい方針に添った新規要望理由を即座に考え出せる能力がある人が 「優秀な」 役人と呼ばれる。 この 「看板の架け替え」 を特定機密に応用したらどうなるか。


 本来なら特定機密に該当しない案件であっても、役人の 「屁理屈」 により続々特定機密に 「該当させられる」 事態が懸念される。 しかも最終責任者が細部に素人同然の大臣(政治家=国民の代表) だとしたら、やりたい放題にならないだろうか?  万が一内部に精通した元官僚の政治家が大臣になったとしても、 「要特定機密」 の付箋を引っ剥がせるかどうかは怪しいものだ。


 なぜなら一つには、彼が元役人だからだ。 役人は役人の考えをすぐに理解する。 やむを得ない 「要特定機密の付箋」 を無下に剥がすようなことはできないだろう。 そして二つ目には、役人の要望には必ず 「切り代」 が混ぜてあるということだ。 「切り代」 とは、最悪の場合落とされても影響のない 「目立つ部分」 をわざと入れておくことをいう。 決裁者がまんまとそれに引っ掛かって 「切り代の部分」 のみを切ってくれたなら、万歳三唱である。 こういう目眩ましの手法を用いられた場合、はたして大臣にそれを見抜けるだろうか?


 たとえ監視機関を幾つも作ったとしても、最後は役人の 「やりたい放題」 になると思う。 なぜなら 「その案件」 に最も精通しているのは、当の役人だからである。 その役人に 「悪意の屁理屈」 をこねられたら、対抗できる者などおるまい。 そして国民は、はるか蚊帳の外である。 私には外国のスパイの脅威よりも、国内の 「見ザル、聴かザル」 の脅威のほうがはるかに危険な法律のように思える。 時の首相がいかに断言したとしても。


>特定秘密保護法
>第三条 行政機関の長は、当該行政機関の所掌事務に係る別表に掲げる事項に関する情報であって、公になっていないもののうち、その漏えいが我が国の安全保障に著しい支障を与えるおそれがあるため、特に秘匿することが必要であるものを特定秘密として指定するものとする。  

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コメント
 
01. カッサンドラ 2013年12月21日 21:20:40 : Ais6UB4YIFV7c : aoIHrnz1Tk
 「看板の架け替え」 は本来、地元の要望がまだあるのにもかかわらず廃止を余儀なくされた制度を、実質存続させるために用いられる手法である。 同じく 「切り代」 も、あえて査定する者に切らせて実績を上げさせ、本丸を死守するための手法である。

 だから一概にこれらの手法を 「悪」 だと言ってはいけない。 問題は正当な目的にそれを用いるかどうかだ。 例えば事業量減少で係の存続が危機状態にあるのにもかかわらず 「看板の架け替え」 で延命を図ろうとするのは、本末転倒だ。 このような 「正当でない目的」 にこの手法を用いようとする場合、役人同士では選別機能が働かない。 「これしかない」 となった場合、 「いいんですか、そんな事をして?」 と言う者の居場所がないのだ、組織の中では。 

 あえて内部で声をあげれば多勢に無勢、たちまち圧殺される。 かといって外に向けて声を出せば、特定秘密保護法違反で御用になる。 だから、法施行後は「たが」が存在しなくなるのだ。 たぶん内部告発も、場合によっては保護法違反になるのであろう。


02. カッサンドラ 2013年12月23日 17:19:12 : Ais6UB4YIFV7c : JMM8VytInE
 いったん特定秘密に 「合格」 してしまえば、市民による 「なぜ開示できないのだ?」 の不服請求に対し 「特定秘密ですので一切の質問にはお答えできません」 で勝負はあっけなくついてしまう。 やり取りの手間が省けるのは、役人にとって嬉しい限りだろう。

 しかし、すでに現在でも司法関係では多用されているのではなかったかな?  不開示通知とか真っ黒な公開文書とか。 特定秘密になれば、さらに文書を塗り潰す手間と材料費が省けるというわけだ。


03. カッサンドラ 2013年12月24日 10:05:02 : Ais6UB4YIFV7c : 25F6XNTVV2
 国家にとって重大な機密文書Aが当然 「特定機密」 に該当したとして、一緒に選考会に持ち込んだ文書B〜Fは機密性が薄いとして 「不合格」 になった場合、ではこれを開示請求があれば開示してよいのか、と役人から質問されるだろう。

 もちろん特定機密である文書Aは、その存在すら知られてはならない。 いっぽう文書B〜Fに、文書Aの存在を 「うかがわせる内容」 が記載してあった場合、これを普通文書と断じて構わないのか、という疑問である。 判定では 「特定機密」 か、そうでないかの二つに一つだから 「特定機密にはあたらない」 と判断された文書は当然保護対象から外されることになる。

 しかし役人は文書B〜Fを 「準特定機密」 と勝手に判断して、国民には開示を拒むかもしれない。 ここまではなんとなく判るような気もするが、しかしここからが問題だ。 役人たちが開示したくない文書に 「特定機密文書をうかがわせる内容」 をわざと記入したとしたら、やはり 「準特定機密文書」 扱いとなり門戸は閉ざされてしまうのではないか?  たとえ国民が読んで皆目見当がつかない内容であったとしても。 それで司法に訴えても、 「この措置は違法とはいえない」 とかの判断が下されそうな気がする。 「故意に記入した」 などとはそもそも立証不可能だから。 そうして不開示になる文書の裾野は膨大になってゆく。 こんなことは政治家には想像さえできないだろう。


04. カッサンドラ 2013年12月25日 16:08:38 : Ais6UB4YIFV7c : 7zlbU47Gsk
 前コメントで述べた事はあながち杞憂とはいえない。 特定秘密保護法には次の記述がある。

>特定秘密保護法
>(指定の有効期間及び解除)
>第四条の4・・・・・ただし、次の各号に掲げる事項に関する情報を除き、指定の有効期間は、通じて六十年を超えることができない。
> 七 前各号に掲げる事項に関する情報に準ずるもので政令で定める重要な情報

 つまり武器や暗号などの重要機密に 「準ずるもの」 を、やはり六十年を超えて秘匿することが可能なのだ。 それは 「政令で定める」 となっているが、実質的に政令を作るのは役人だろう。 六十年以上も紙に印刷された文書が原形を保っているだろうか?  六十年以上も経った電子媒体がはたして読める機器が存在するだろうか?


05. カッサンドラ 2013年12月26日 10:49:00 : Ais6UB4YIFV7c : 7zlbU47Gsk
 「いや待て、増殖すると言うが特定秘密の指定状況は国会に報告になるではないか」・・・それは次の条文を言っているのであろう。

>(国会への報告等)
>第十九条 政府は、毎年、前条第三項の意見を付して、特定秘密の指定及びその解除並びに適性評価の実施の状況について国会に報告するとともに、公表するものとする。

 確かに 「公表する」 とまで言っている。 しかしよく考えてみてほしい、特定秘密の何であるかを国会に報告するだろうか?  一般に公開するだろうか?  それでは特定秘密保護法を作った意味がない。 おそらく報告は次のようになるのではないか。

 「本年度に特定秘密に指定された件数は○○件、解除された件数は○○件でした。 それから適正評価の実施件数は○○件で、これに合格した人数は○○人でした。」  そもそも国会で特定秘密の個々の指定の妥当性をチェックするシステムにはなっていないのだから、この程度の 「報告」で十分なのだ。 「ああそうですか」 としか議員も返答しようがない。

 こういうのを 「玉虫色の文章」 という。 法案に賛成した議員は勝手に、これで国会も関与することができる、と勘違いしたのではないか。 「勝手に勘違いさせておけ」 と役人は考える。 役人にとっては、法律の条文だけがすべてなのだ。


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