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法律の成立前に示された 「懸念」 や 「見解」 や 「解釈」 や 「約束」 を半年後まで憶えている人がはたして何人いるだろうか。 そんなものは法律が可決した時点から薄れ始め、最後にはまったく消えてなくなる。 あとには 「特定秘密保護法」という法律の文言だけが残る。 そしてその法を運用するのは、政治家でなく役人だ。
「そんな事まではやらないですよ」 などという政治家の見解は願望に過ぎない。 ひとつ又ひとつと既成事実を積み重ね法律の適用範囲を拡大してゆくのが、運用者である役人の腕だ。 なにも最初から国民を驚かせるようなことはしない。 しかしだから最初の一歩が重要なのだ。 想像力がないとたいした事とは思わずに、この軽い一歩を通してしまう。 そしてまた次の一歩が計画される。
役人ひとりひとりは別に国民を苦しめて喜ぶ意識はないだろうが、総体として成すことは国民をジリジリと追い詰める可能性は否定できない。 曖昧さの多い法律ほど、役人の裁量の幅が増すことは誰でも分かっていることだ。 柔軟に事に対処する意味で設けられた 「曖昧さ」 であっても、それは両刃の剣になりうる。 だから 「曖昧さ」は最小限に留めなければならない。 最初からどっちとも取れる表現の多用は、最悪の事態を想定しなければならない。 「それは可能だ」 は 「それは起こり得る」 と同義語なのだ。
運用者である役人は、法律に 「してはいけない」 と書いてない行為は 「しても良い」 と解釈する。 なにせ罰則規定は存在していないのだから。 世間一般の通念などは、役人の仕事にさして影響は与えない。 関係法令にのみ縛られて仕事をするのが役人だから、 「世間一般の通念」 でチェックする別の機関がどうしても必要になる。 でないと、どんどん役人の仕事は世間一般の常識からかけ離れていってしまう恐れがある。 役人とはある意味、法律でプログラミングされたロボットだから、曖昧さが多いと何処に行ってしまうか分からない。 そして国民ひとりひとりは、ロボットの大群に対したとき無力に近い。
特に最初の誤った一歩を踏み出させてはならない。 その一歩を認めれば、それは既成事実となる。 完成した既成事実に対しては反対しても遅い。 それから 「チェックする別の機関」は役人には任せられない。 世間一般の常識が法律のあとに位置するような役人たちには。 同じく、役人に首根っこを押さえられた判子を押すだけの政治家にも期待できない。 だいたい賛成票を投じた議員たちは、この法律案を隅から隅まで読んだのだろうか? 最悪の事態を 「想定外」 で逃げ切る行為には、原発事故で骨身にしみて懲りたはずだ。
少なくとも決まってしまった法律ならば、賛成者が大いに期待するように 「外国のスパイをとっ捕まえる」 ことにのみ限定させるべきだ。 この 「特定秘密保護法」 はあまりにもできる事の範囲が広すぎる。 ジリジリと範囲を狭めていくには、既成事実の芽を片っ端から潰してゆかねばならない。
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