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ベジタリアン、ベーガンという言葉が日常語化して久しいわけだが、最近になって
ペイレオ（Ｐａｌｅｏ）という新しいダイエットがさかんに取り上げられるようになった。
簡単にいうと、人類が農業・牧畜をはじめる以前、つまり原始人時代の食生活に近づかんとするムーブメントである。
穀物や乳製品を否定し、肉・魚・野菜を中心にした食生活。
まとまったウェブサイトがあったので以下に転載する
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パレオダイエットとは旧石器（パレオリシック）時代の食事法を参考にしょうというムーブメントで、流派的にはゾーン・ダイエットやアトキンス・ダイエットの末裔にあたります。記憶するところでは10数年以上前から提唱されていますが、最近になってハリウッド・セレブ達の間でもこの言葉が飛び交うようになり、ブームが加速した感があります。
おおざっぱに言って基礎となる考え方は次のとおり。
1．進化には時間がかかる。
2. 農耕が始まったのはわずか1万年ほど前。たった1万年程で人間が進化するはずが無い。
3．人類の消化器官を始めとする各種機能は農耕が始まる以前の旧石器時代から進化を遂げていないはずである。だからその時代の食生活や生活様式を出来る限り再現することで、人類の身体組織に適合した栄養補給を行うことが出来、現代病や成人病、肥満などを防ぐことが出来る。
4．精製炭水化物や糖質、穀物、豆類は近代の食物なので除外する。同様に精製食物油もカットする。
5．旧石器時代に食べられていたと考えられる食物類； 動物性たんぱく質、動物性脂肪、野菜、ナッツ類を主に食べるようにする。
結果オーライ
結論から言いますと、この食事法自体は推奨出来るものです。「パレオダイエット」を行うことで何が起きるかと言いますと、ホルモンの代謝やバランスが正常に近づくため、自然に体脂肪が減り「身体の調子」が良くなり「意識がハッキリ」してきます。それだけでなく、生活スタイルも「旧石器時代」に学ぼうということで、もっと外に出て活動的に（狩猟・採集をしているつもりになって）、そして規則正しく3回食事するのでは無く「お腹が空いたときだけ食べる」（1日3度の食事には進化論的必然性が無い）というような行動規範的なことも同時に実践が推奨されます。おおむね良いこと尽くしですが、実は若干の問題が内包されています。
何度も焼きなおされている
ゾーン・ダイエットは恐らく20年程前から、アトキンス・ダイエットに至っては実に40年以上も前から提唱されているコンセプトです。従って「この手」の理論に関しては、筆者は何百ものバリエーションを見てきたように思います。 もちろん、今までこのようなダイエット法を見たことも無く、聞いたことも無いジェネレーションは毎年大量発生してくるわけで、その人たちにとっては、こういったコンセプトは革新的で最新のものとして映るでしょう。これは教える側にも教わる側にも言えることです。 肝心の問題点ですが、それは「こんなの新しくも何とも無いよ」ということでは決してありません。焼き直しであろうが、温め直しであろうが、良い物は良いわけです。若干の問題点は、実際のところ「旧石器時代の食事や生活」とは何ら関係が無いということです。
日本人は毎日朝から寿司を食べている？！
「パレオダイエット」の系譜が出てくるたびに、頭から冷や水を浴びせかけにやってくるる「消防団」がいます。それは人類学者、考古学者たちのコミュニティです。時には生物学者達もやって来ます。 火付け役・パレオダイエットの提唱者達の専門は運動生理学の博士だったり、内分泌医学者だったりする場合が多く、彼らが「パレオダイエット」に行き着いた経緯は、競技パフォーマンスの最適化であったり、成人病予防であったりするわけです。そのため実際のところ「旧石器時代」に関しては専門外の方々がほとんどです。 運動畑の人間が「旧石器時代、人類は云々・・・」てなことをひとたび語り始めると、人類学者さんたちにとっては、誤謬ばっかりで我慢が出来ないということになってしまいます。もちろんダイエットの結果が良ければ全て良しなのですが「日本人がスリムなのは毎日寿司を食べているからだ」というハリウッド・セレブ系ダイエット理論に似た浅薄さは根底にあると思って差し支えないでしょう。
旧石器時代は数百万年にわたる
「パレオダイエット」実践上の問題は、エンゲル的考察をしますと「そんなに肉と刺身ばっかり食べていたら不経済だ」ということです。また特に無農薬・有機農法の肉は非常に高価です。この時点で「忠実なパレオダイエットは絵空事」に近づいてしまいます。 元々、世界中に散らばっていた人類を一まとめにし、その上、数百万年という時間の経過を凝縮して「旧石器時代の食事」と銘打つのは無理です。その辺をすっ飛ばしてしまえる人たち同士で盛り上がっている側面があるということは留意しておくべきでしょう。
「パレオダイエット」から学ぶ部分は沢山ある
「パレオダイエット」を学ぶと、精製炭水化物や果糖の害、オメガ6過剰摂取の害など、今現在分かっている害毒を避けることが出来ます。その部分で「パレオダイエット」の利益は大きいと思います。同じ「パレオダイエット」でも提唱者によって実際に推奨されている事、特に三大栄養素における配合には差異がありますが、概念的には正しいとみて間違いありません。
敢えて言うならば
この理論とは言えないような理論の欠点を敢えて指摘するならば、それは「一万年もあれば人類の体質は大きく変わり得る」ということです。特に現代社会では人類の地理的移動、食物の伝播、病気の伝播が物凄い勢いで加速しています。その上に摂取する化学物質の量も格段に増えていますから、こういった要素を踏まえた人類の「進化」はリアルタイムで、しかも過去に例が無いほどの速度で進行しているに違い無いということです。
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以上、転載おわり
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