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バンダシェフスキー氏のデータの「おかしさ」について(戦 史 研 究 所)
http://www.asyura2.com/13/cult12/msg/744.html
投稿者 会員番号4153番 日時 2013 年 12 月 24 日 06:24:27: 8rnauVNerwl2s
 


「戦 史 研 究 所」から
http://homepage1.nifty.com/SENSHI/maizou-keisan.htm


バンダシェフスキー氏【以下、「バ氏」と略記】の主張について、専門家ではない私には、その正否の判断はできない。
 しかし、バ氏の示すデータは、国際的に公表されているデータ【以下、「国際的なデータ」と略記】と比較すると、明らかに「おかしい」ところがある。


 1. 2004年までのデータしか使われていない。

 バ氏が、2005年以降のデータも把握していることは、論文(?)中に「ベラルーシの人口は、【中略】2005年は-5.2‰」、「図2.8 ベラルーシの死因構成、2008年」といった記載があることから、明らかである。
 それにも関わらず、バ氏は、把握している筈の2005年以降のデータを使っていない。


  2. ベラルーの死亡率と出生率のデータがおかしい。

 バ氏のデータは、以下の通りである。(バ氏のデータの期間を、国際的なデータに合せたもの。バ氏のデータと国際的なデータとの期間が一致しない場合は、全て同様の処理を行っている。)
http://homepage1.nifty.com/SENSHI/study/image.jpg

 バ氏のデータでは、2002年以降、死亡率と出生率に殆ど変化は見られない。


 これに対して、国際的なデータによる、ベラルーシの死亡率と出生率のデータは以下の通りである。(欠落部分があるのは、当該年度のデータがないため、以降、欠落部分については全て同じ。)
http://homepage1.nifty.com/SENSHI/study/image1.jpg

 国際的なデータでは、2002年以降、死亡率は減少し、出生率は増加しており、バ氏のデータと一致しない。


 3. ベラルーシの人口の増減に関するデータがおかしい。

 バ氏の「人口指数」の増減は、以下の通りである。
http://homepage1.nifty.com/SENSHI/study/image2.jpg

 バ氏の「人口指数」は一貫して減少しているが、バ氏は、1993年以降についてのみ言及している。


 これに対して、国際的なデータによるベラルーシの人口の増減は、以下の通りである。
http://homepage1.nifty.com/SENSHI/study/image3.jpg

 国際的なデータでは、1985年から1993年までは、ベラルーシの人口は増加しており、バ氏のデータと一致しない。
 上述のように、バ氏は、この期間については、触れていない。


 4. ベラルーシの死因構成データがおかしい。

 バ氏の死因構成データは、以下の通りである。
http://homepage1.nifty.com/SENSHI/study/image4.jpg

 バ氏は、「ベラルーシの住民の死因のうち主なものは心臓病と悪性腫瘍である。最大死因である心臓病【後略】」と主張している。
 これが正しければ、ベラルーシ国民は、「心臓病」「悪性腫瘍」と並ぶ、3大死因の1つである「脳血管疾患」で死ぬことは、殆どないということになる。


 これに対して、国際的なデータによるベラルーシの死因構成のデータは、以下の通りである。
http://homepage1.nifty.com/SENSHI/study/image5.jpg

 国際的なデータでは、バ氏が「心臓病」としている部分が、「循環器系疾患」となっている。
 どちらでも、同じように見えるが、両者には、決定的な違いがある。

 「循環器」には、定義上「血管」が含まれる。従って、「循環器系疾患」には、「脳血管疾患」も含まれる。

 国際的なデータでは、バ氏が「心臓病」として処理している部分には、「心臓病」以外に「脳血管疾患」も含まれている。 
 3大死因のうちの2つである「心臓病」と「脳血管疾患」の合計であるため、「循環器系疾患」の割合は非常に大きくなり、なおかつ、死因構成の中に「脳血管疾患」が出てこないのである。


 「循環器系疾患」には、「脳血管疾患」も含まれているという主張には、「循環器系疾患」の定義以外の根拠もある。

 下のデータをご覧頂きたい。これは、1993年の死因構成の国際的なデータである。
http://homepage1.nifty.com/SENSHI/study/image6.jpg


 1993年の死因構成のデータには、2004年のデータにある「循環器系疾患」が無く、その代わり「虚血性心疾患」と「脳血管疾患」とがあることが分かる。
 この「虚血性心疾患」と「脳血管疾患」が、「循環器系疾患」に置き換わったことは、データの推移からみても明かである。

 以上のことから、国際的なデータが正しければ、「脳血管疾患」を含む「循環器系疾患」を、すべて「心臓病」として処理した、バ氏のデータ処理は、間違っていることになる。
 国際的なデータが正しければ、バ氏が示したデータでは、「心臓病」が増加しているのかどうかは、分からない。


 まとめ

 バ氏の提示しているデータは、国際的なデータと一致しない部分がある。

 国際的なデータで見る限り、ベラルーシでは、「循環器系疾患」の死者が増えてはいる(但し、それは、バ氏が主張する程、急激なものではない)が、それが、「心臓病」の死者の増加によるのかどうかは不明である。

 国際的なデータが正しければ、バ氏が提示しているレベルのデータからでは、「心臓病」の死者が増加しているかどうかは、分からない。

 バ氏の「心臓病の死者の増加している」という主張の裏付けは、国際的なデータによる限り、不可能である。
http://homepage1.nifty.com/SENSHI/study/image7.jpg


 バ氏のデータは、以下のサイト(http://peacephilosophy.blogspot.jp/2011/09/non-cancer-illnesses-and-conditions-in.html)から引用した。
 
 国際的なデータは「世界国勢図会 2010〜1985」の「世界保健統計」「人口推移」より引用した。


 

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コメント
 
01. 2013年12月24日 23:49:10 : ShifDN0kf6
バンダシェフスキー氏については専門家の皆さんは鼻にも引っ掛けない方がほとんどのようですね。

まあ、中には、槌田敦さんの地球温暖化否定論に対する小出裕章さんのように、大いに参考とする方もいるかもしれませんが、そういう方を「専門家」「プロフェッショナル」としていいものでしょうか。

どの世界にも、ハシにも棒にも、といったレベルの人間は必ずいますからねえ。

[12削除理由]:意味なし


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