13. 2013年12月22日 10:03:42
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なぜ日本で「放射能パニック」が起きないのか 東京電力福島第一原発の汚染水漏れを受け、韓国では沿岸部で捕れた韓国産水産物の消費までもが急減しました。ところが、東京に住む私は「放射能汚染の恐怖」を感じられずにいます。オフィス周辺のすし屋など魚介類を扱う飲食店も、これまでと同じようににぎわっています。スーパーの魚売り場も以前と全く変わりません。 しかも、日本産魚介類は輸入品よりもはるかに値が張るのです。これまで、水産物の消費量が減ったという統計も、そうしたマスコミ報道もありませんでした。今が旬のサンマは今夏の水温上昇で漁獲量が減り、むしろ値段が1.8倍ほどに急騰しました。2011年に起きた東日本巨大地震からの復興を後押しするという名目で、漁船が福島県に近い宮城県の漁港からサンマを出荷したりもしました。
□水産物の汚染問題を報じないマスコミ
日本国内で「放射能パニック」が起きていない理由は何でしょうか。一つ目は、マスコミの報道姿勢のためです。朝日新聞や東京新聞などは、福島第一原発の汚染水漏れについては非常に批判的に報じていますが、水産物の汚染問題についてはほとんど報道していません。もちろん、インターネット上では放射能汚染への懸念から「外国に移住する」といった書き込みも見られますが、こうした類いのニュースを扱うマスコミはありません。
先ごろ毎日新聞が水産物の汚染に関する特集記事を掲載しましたが、結論は「特に問題はない」というものでした。放射能汚染の問題点を積極的に訴えている学者のインタビューも、ほとんど報道されません。原発事故後、宮城県から千葉県までの水産物は汚染されており、食べてはいけないと主張していた東京海洋大学の水口憲哉名誉教授は「マスコミはインタビューをしても紙面には汚染問題を掲載しない」と話しています。流通している水産物の放射性物質は基準値を下回っているため安全だとする政府の発表を否定する報道はありません。国益が関わる事案については徹底して談合(?)する日本のマスコミの姿勢は今も変わらないようです。
□放射能汚染の恐怖を語らない日本人
放射能汚染の恐怖を口にしない人々の態度も、放射能パニックを防ぐ一つの要因となっているようです。もちろん、全ての日本人が恐怖を感じていないわけではありません。子育て中の親たちは、できるだけ福島県から遠く離れた地域の魚介類や農産物を買い求めるといいます。ごく一部ですが、放射能汚染を恐れて沖縄県に移住した人もいます。また、福島県から遠い地域の農水産物を宅配で取り寄せる人も増えています。ですが、人々は放射能汚染の恐怖を他人に語ることはしません。
会社勤めをしている40代の女性は「同僚とも近所の人とも放射能汚染について話したことは一度もない」と言います。恐怖を感じていることを告げれば自分の印象が悪くなるかもしれない、という思いもあるようです。恐怖は対話によって伝染するものですが、対話そのものがないのです。ある主婦は「恐怖を感じても日本を出ることも、日本の魚を食べずにいることもできない。諦めの気持ちもある」と話しています。
□日本産優越主義と政府への信頼も影響
「日本産優越主義」も影響しています。日本人は自国産が輸入品よりも安全だと考えているようです。東日本巨大地震以降、韓国の飲料水が日本に輸入されたことがありました。輸入品ですが、日本の飲料水よりも安く販売されていました。当時、韓国人の駐在員らは日本の飲料水が信じられず、血眼になって韓国産を探し回っていましたが、日本人の多くは日本産の方が安全だという考えから韓国産には目を向けませんでした。
先ごろ韓国が日本産水産物に対する輸入禁止措置を拡大したことと関連し、ある週刊誌は「韓国は日本産の代わりに中国の猛毒食品を食べるつもりだ」と報じました。また、産経新聞は韓国の禁輸措置について「食の安全管理に対する韓国政府への不信がもたらしたもの」といった主張を展開しました。こうした報道を見ながら、いろいろなことを考えます。日本政府は原発事故についてうその発表をした上、対応が後手に回り、信頼を失いました。それにもかかわらず、日本人は今でも政府を信用しているようです。内心は分かりませんが、少なくとも表向きは政府に全幅の信頼を寄せています。
東京=車学峰(チャ・ハクポン)特派員
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版 ◓http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2013/12/21/2013122100735.html ◓http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2013/12/21/2013122100735_2.html 日本人が食べない放射能汚染食品」を輸入しているのか 〖特集〗水産物の放射能汚染、うわさの真相は?(1) 福島県の原子力発電所から放射能汚染水が流出する事故が相次いだことで、水産物の安全性に対する国民の懸念が高まっている。怪談レベルのうわさがインターネットやソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)を通じて拡大し、不安をあおっているためだ。「国籍を問わず」水産物はとにかく危ないといった漠然とした恐怖がなかなか収まらずにいる。 このため日本産の水産物はもちろんのこと、放射能汚染とは関係がない韓国産水産物までも消費が急減している。消費者たちの不安が拡大して売り上げが減ってしまった水産市場や刺し身店にとって、打撃は大きい。専門家たちは、こうしたうわさのために食卓に上がる水産物や他の食品の安全性までも疑問視するのは行き過ぎだという。日本の原発事故に起因する放射能汚染と食品の安全性に対する「うわさの真相」に質問形式で迫ってみた。
Q:日本の食卓にも並ばない放射能汚染食品がいまだに韓国に輸入されている、というのは本当か。
A:食品医薬品安全処(食薬処)は、原発事故の直後から13県で生産された26品目の農産物と8県で捕れた50品目の水産物(タラ、ニベ、スズキ、ヤマベなど)の輸入を禁止してきた。それ以外の地域から入ってくる食品についても、まずは日本政府が発行した検査証明書、あるいは生産地証明書を確認し、次に通関の際に放射能精密検査を行っている。食薬処は「実際2回にわたって調査を行っているため、放射能基準値を超えた食品は搬入されない」と明らかにした。
食薬処は「特に今年9月9日からは福島と周辺の8県で生産される水産物については輸入を全面的に禁止している。さらには千葉県のサバ、宮城県のスケトウダラ、青森県のホタテ貝、茨城県のサンマなど32品目が追加で輸入禁止となった」と説明した。これ以外の地域で生産される日本産の水産物についても、ヨウ素やセシウムなどの放射性物質が微量でも検出された場合、その他の核種(ストロンチウム、プルトニウム)に対する検査証明書を追加で要求している。
ストロンチウムやプルトニウムの検査には4−6週間かかるため、流通期限が短い水産物の特性を考慮すると、少しでも放射能物質に汚染された水産物は事実上、全面的に輸入禁止されていることになる。一方、日本では最近、福島沿岸の水産物と原発から半径30キロ以内の一部地域で生産されるコメについて、日本国内での流通を許可した。
イ・ジヘ社会政策部記者
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版 ◓http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2013/12/21/2013122100754.html 放射能汚染、韓国の基準がずさんというのは本当か 〖特集〗水産物の放射能汚染、うわさの真相は?(2) Q:日本産魚介類の放射能汚染について、韓国の基準がずさんだというのは本当か。 A:韓国内の放射能基準は、大人と幼児を全て考慮して国際食品規格委員会が勧告した年間制限線量である1ミリシーベルト(mSv)よりも低い安全なレベルで定められている、と食薬処は明らかにした。現在の韓国内の基準は、ヨウ素が1キロ当たり300ベクレル、セシウムが同100ベクレルだ。国際食品規格委員会(CODEX)の1キロ当たり1000ベクレル、米国の同1200ベクレル、欧州連合(EU)の500ベクレルよりも厳しい数値となっている。原発事故以前は、韓国内のセシウムの基準は1キロ当たり370ベクレルだった。しかし、原発事故以降は2012年4月から日本がセシウムの基準を1キロ当たり100ベクレルに強化したのを受け、韓国も日本産の輸入食品については同100ベクレルの基準を適用している。その後、日本産の輸入食品が韓国産と偽って販売されるのを避けるため、韓国内の基準も今年9月から日本産の輸入品と同じく1キロ当たり100ベクレルに強化された。
こうした基準によって原発事故の直後から毎週検査を約100件以上も実施しているが、基準値を超える食品が検出されたことは一度もなかった。食薬処の関係者は「基準値であるセシウム1キロ当たり100ベクレルの食品を1年間(1人当り平均534キロ)にわたって食べ続けた際に受ける放射線による影響は、レントゲン検査を1回行った際に受ける影響のわずか10分の1」と説明した。
魚類だけで見た場合、1キロ当たり100ベクレルのセシウムに汚染された魚類13キロ(韓国人の年間平均魚類消費量)を食べた際に受ける放射線量は0.017ミリシーベルトだ。これは、ソウルからニューヨークまで飛行機で移動する際に受ける放射線量(0.1ミリシーベルト)の約6分の1にすぎない。
イ・ジヘ社会政策部記者
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版 ◓http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2013/12/21/2013122100753.html 日本産の魚類がロシア産として売られている話は本当か 〖特集〗水産物の放射能汚染、うわさの真相は?(3) Q:サバやスケトウダラなどは活動領域が広く、韓国産や日本産と規定する意味がないのではないか。 A:国立水産科学院は「韓国産と日本産の魚類の大半は『泳いでいる水域』が違う」と説明する。韓国の漁船が水揚げするサバは、済州島の南で産卵し、東海(日本海)と西海(黄海)に移動した後、成魚になってから再び済州島近くの海域に戻ってくる。一方、日本で水揚げされるサバは九州の東海域で産卵し、成魚になるまで日本の北東海域を行き来するため、韓国の海域には入ってこない。
また、韓国近海のタチウオは、夏に全羅南道の沖合で産卵した後、東海と西海に移動し、冬に済州島の南海域で越冬するため、日本の海域には進入しない。イシモチも西海内で遊泳する。スケトウダラは全て輸入に頼っているが、97%がロシア産だ。ロシアのスケトウダラ漁は、1−4月にはオホーツク海で、5−12月にはベーリング海で行われるため、日本とは相当な距離がある。
マグロも、台湾でふ化して北上した稚魚が韓国近海で捕れるため、日本の影響はほとんど受けていないと見るべきだ。マグロの成魚は太平洋の遠洋で収穫されている。
Q:日本産の魚類がロシア産と偽って販売されているというのは本当か。
A:海洋水産部(省に相当、以下同じ)によると、ロシアから輸入される水産物はロシア政府が発給する証明書が必要なため、原産地偽造はほぼ不可能だ。ひとまず国内に入ってきても、法律に従って市場やスーパーマーケットのような流通業者が水産物の原産地表示を正確に行わなければならない。
今年6月からは飲食店にまで原産地表示が義務付けられるようになり、スケトウダラやサバを取り扱っている飲食店でも原産地を表示しなければならない。原産地を偽って表示した際には、1億ウォン(約960万円)以下の罰金や7年以下の懲役刑が科せられるようになっており、表示し忘れた場合にも1000万ウォン(約96万円)以下の過料を支払わなければならない、との説明だ。
イ・ジヘ社会政策部記者
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版 ◓http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2013/12/21/2013122100750.html 韓国産の水産物、放射能汚染の心配はないのか 〖特集〗水産物の放射能汚染、うわさの真相は?(4) Q:ロシア産や太平洋産の輸入水産物は安全か。 A:原産地がロシア、カナダ、米国、台湾などと表記されているものの、実際は漁獲した場所が太平洋である水産物についても検査を強化した、と食薬処は明らかにした。今年8月末からは、スケトウダラ、サンマ、カレイ、マグロ、サメ、サバといった主な太平洋産の輸入魚種6種については魚種別に週1回行っていた放射能検査を週2回に増やしている。しかし、いまだに基準値を超える放射線は検出されていない。
Q:韓国産の水産物は安全なのか。
A:国立水産科学院は、福島原発による放射能汚染水は韓国方面ではなく太平洋に向かって流れ出ていると説明した。福島近海の海水は、海流に乗って米国西海岸とパナマを経て北赤道海流に合流し、再び日本列島に戻ってくる。こうしてひと回りするのに3−5年がかかり、その間に放射性物質も太平洋で希釈されるとの説明だ。
また、韓国政府は国内の水産物を安全に保つため、毎年代表的な沿近海海産物13品目と遠洋海産物4品目について放射能検査を周期的に実施している。2011年から13年8月まで計1069件を検査した結果、全て基準値を下回っていた。検査結果は毎週2回、海洋水産部と国立水産物品質管理院のホームページで公開されている。
Q:放射能は体内に蓄積されるのか。
A:食薬処は、放射能にさらされた場合、体内に入った放射性物質は自然崩壊するか、新陳代謝を通じて体外に排出されるため、放射能は体内に蓄積され続けることはない、と説明した。セシウム137の場合、自然界での半減期は30年だが、人体では約110日で半分が体外に排出され、1年が過ぎるとほぼ全量が排出される。
イ・ジヘ社会政策部記者
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版 ◓http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2013/12/21/2013122100749.html 「日本の国土の半分が放射能で汚染」というのは本当か 〖特集〗水産物の放射能汚染、うわさの真相は?(5) Q:子どもの給食基準はさらに強化されなければならないのではないか。 A:食薬処は、現在適用されている放射能基準も、子どもの食品摂取量や放射能が人体に及ぼす影響、放射能汚染された食品にさらされる可能性を十分に考慮して定めた数値であるため、基準を強化する必要はない、と明らかにした。
ただし、甲状腺に吸着するヨウ素の場合、子どもに影響を及ぼす恐れもあると判断し、子どもたちが好む牛乳や乳製品、幼児食については、すでに2011年8月から基準を1キロ当たり100ベクレルと3倍に強化している。
Q:日本領土の70%以上がセシウムで汚染され、国土の半分がすでに高濃度放射能で汚染されているというのは本当か。
A:原子力安全委員会は、日本が2011年の事故直後に半径20キロまでを統制区域として管理したと明らかにした。日本の領土のかなりの部分が高濃度放射能で汚染されたとすれば、当然統制区域も拡大されているはずだ。しかし、2013年5月に韓国原子力安全委員長が事故地域を訪問した際は、統制区域が半径10キロ以内に縮小されていた。
日本政府が法的に放射能数値の測定を禁じているなど放射能情報を厳格に統制しているといった主張も、事実と異なっている。未来創造科学部によると、日本には放射能についての情報を統制できる法律が存在しない、というのが日本政府の立場だ。
Q:日本の原発事故による放射能流出量は、チェルノブイリ原発事故の11倍以上に上るといわれるが。
A:原子力安全委員会は、福島の原発事故により大気中に放出された放射性物質量はチェルノブイリ原発事故の10−20%水準と推定している。また原発事故現場から数百トンに上る放射能汚染水が流出しているが、汚染水の影響は福島第一原発の港湾内の狭い地域に限定されており、港湾外の海水は常に基準値以下で維持されている、というのが日本政府の公式な立場だ。
イ・ジヘ社会政策部記者
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版 ◓http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2013/12/21/2013122100748.html |