http://www.asyura2.com/13/cult12/msg/382.html
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「500ベクレルから100ベクレルに引き下げる必要はあるのか。生産現場への影響を考えるべきだ」
「佐藤は審議会で代弁した生産者の声は「国に届かなかった」と振り返る。だが、「あの場で主張したことは全く正しいものだった」と確信している。
暫定基準値と新基準値−。県と放射線医学総合研究所(千葉市)によるホールボディーカウンターの内部被ばく検査で、健康に影響を及ぼすとされる数値はこれまでに検出されていない。」
福島民報から
http://www.minpo.jp/pub/topics/jishin2011/2013/03/post_6752.html
第二部 安全の指標(14) 揺らいだ基準 届かなかった現場の声
食品中の放射性物質の新基準値に反対した佐藤。その主張は正しいものだったと確信している
「食品の新基準値が施行されれば、田畑の作付け制限は必至。福島の農業は壊滅的打撃を受ける。豊かな農業県である福島の復興の道を閉ざすことに等しい。福島に生き、生活するものとして容認できない」
平成24年1月12日。当時、コープふくしまの理事だった佐藤理(66)=現福島大大学院特任教授=は、文部科学省16階で開かれた第122回放射線審議会にオブザーバーとして出席し、食品中の放射性物質の新基準値案(1キロ当たり一般食品100ベクレル、飲料水10ベクレル、牛乳・乳児用食品50ベクレル)を批判した。「500ベクレルから100ベクレルに引き下げる必要はあるのか。生産現場への影響を考えるべきだ」と考えた。
コープふくしまが23年11月から実施している食事に含まれる放射性物質検査の結果から実際の内部被ばくは相当低いことをつかんでいたからだ。新基準値に反対したことで世間からバッシングを受けるのではと危惧したが、一般市民からの批判は予想に反して多くはなかった。
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コープふくしまは、検査対象者の食事(2日間6食分)をもう1人分多く作ってもらい、計1キロを検査試料とする「陰膳方式」で食事に含まれる放射性物質を測定した。佐藤は、審議会までに取りまとめた27家庭の調査結果を参考資料として提出した。
27家庭のうち、検出限界値の1ベクレルを超えたのは4家庭。最も高い値は11.7ベクレル(セシウム134が5ベクレル、セシウム137が6.7ベクレル)だった。
さらに、委員の注目を集めたのが天然放射性核種の放射性カリウム(カリウム40)が27家庭全てで平均約30〜40ベクレル検出されたことだった。セシウムよりも多かった。内部被ばくのリスクコミュニケーションとして「自然界にもともとあるカリウム40の存在を説明していくことも大事」とする意見も出た。
佐藤は「(放射性セシウムの)基準値が健康に影響を与える『しきい値』のような受け止められ方をされている。しかし、実際の健康影響はそうではない」と訴えた。審議会長で京大名誉教授の丹羽太貫(69)は「消費者、生産者、流通業者らが非常に努力している結果としてコープふくしまの測定結果がある」との認識を示した。
実際に、コープふくしまが23年11月から24年4月までに県内の100家庭を対象に行った陰膳方式の測定結果で、100家庭のうち1キロ当たり1ベクレル以上のセシウムが検出されたのは10家庭。最高値は佐藤が審議会で説明した11.7ベクレルだった。この量は、100家庭全てで検出された放射性カリウムの変動幅(1キロ当たり15〜58ベクレル)のほぼ4分の1程度だった。仮にこの食事を1年間食べ続けた場合、セシウムの内部被ばくは年間0.02〜0.14ミリシーベルトになる。
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佐藤は審議会に提出した資料の最後で「復興の主体者の声をくみ上げる努力をお願いしたい。具体的には食品の規格基準を最終決定する前に、厚生労働省や関係省庁には消費者、生産者などを含めた透明性のある議論の場を要望したい」と結んだ。放射線審議会長の丹羽は24年2月16日の最終審議で「国として緊急時、緊急時の後の状況時に横串を刺して考える場がない」と縦割り行政に言及した。
しかし、各省庁の横断的な議論の場は設けられることはなく、厚生労働省は24年4月に新基準値を適用した。佐藤は審議会で代弁した生産者の声は「国に届かなかった」と振り返る。だが、「あの場で主張したことは全く正しいものだった」と確信している。
暫定基準値と新基準値−。県と放射線医学総合研究所(千葉市)によるホールボディーカウンターの内部被ばく検査で、健康に影響を及ぼすとされる数値はこれまでに検出されていない。(文中敬称略)
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