40. 2013年12月11日 12:43:31
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韓国、2035年までに原発18−21基を追加建設へ原発が占める割合が29%に 2035年までに、韓国国内で18−21基の原子力発電所が新たに建設されることになりそうだ。この結果、現在稼働中の23基の原発と合わせると、国内では41−44基の原発が稼働することになる。今後22年間、ほぼ1年に1基の原発を建設する計算になる。 産業通商資源部(省に相当)の尹相直(ユン・サンジク)長官は10日、国会産業通商資源委員会に「第2次エネルギー基本計画(2013−35)に関する政府案」の内容について報告し、その中で「2035年の時点で韓国国内での発電設備に原発が占める割合を29%にすることを決めた」と明らかにした。この内容について政府は「今年10月に民間のワーキンググループが『原発が占める割合は22−29%の範囲が望ましい』と勧告したが、今回の政府案はこの勧告の中で最も高い割合を選んだ」と説明した。
2035年の電力消費は、11年の3910万TOE(石油換算トン)に比べて80%多い7020万TOEとなる見通しだ。電力生産全体に占める原発の割合が今よりもやや大きくなる点を考慮すれば、35年時点での原発の発電能力は当然今よりも80%以上増やさねばならない。再生可能エネルギーの割合に関しては、上記の民間ワーキンググループが提示した11%をそのまま受け入れた。
政府はこの内容をたたき台とし、11日にソウル市内の韓国電力大講堂で「エネルギー基本計画公聴会」を開催する。この公聴会の結果を基にエネルギー委員会やグリーン成長委員会などから意見を聞き、国務会議(閣議に相当)での審議を経て今回の計画が正式に決まる。
チョ・ジェヒ記者
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版 ◐http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2013/12/11/2013121101374.html 原発拡大政策の継続、国民の信頼回復が急務 韓国政府が原子力発電の比率の拡大を決めた背景には、原発に代わる適当なエネルギー源がないという現実がある。産業通商資源部(省に相当)のソン・ユジョン・エネルギー資源政策官は10日、第2次エネルギー基本計画の政府案を発表し「温室効果ガスの削減やエネルギー安保などを踏まえ、2035年の原発比率を29%水準と設定した」と説明した。専門家らでつくる官民ワーキンググループが10月に勧告した範囲(22−29%)内で最も高い数値に目標を設定したことになる。2008年の第1次エネルギー基本計画で示した「30年に41%」という目標よりは大幅に低いが、現状の約26%に比べ引き上げる方向で折り合いをつけた。毎年2.5%ずつ増加する電力需要も考慮した。 だが、原発の新規建設に向けては国民の信頼回復が急務だと指摘される。昨年に起きた古里原発1号機(釜山市機張郡)全電源喪失事故の隠蔽(いんぺい)や部品の納入をめぐる汚職、今年発覚した部品の性能証明書偽造事件などで、原発に対する国民の信頼は地に落ちた。今夏には制御ケーブルが不良品と判明し、新古里原発1、2号機と新月城原発1号機(慶尚北道慶州市)の計3基が運転を停止した。
今月4日に電力線の異常で運転を停止したハンビッ原発3号機(全羅南道霊光郡)を含め、今年に入り原発が7回も故障を起こし、国民を不安に陥れていることも問題だ。故障に伴う電力需給不安も国民にストレスを与えている。社長から社員までが関与した汚職が相次ぎ発覚し、原発運営会社の韓国水力原子力に対する国民の信頼も失墜した。
11年の福島第一原発事故を受けて各国で高まった脱原発の機運は収まりつつある。米国は昨年、34年ぶりに原発の建設を再開した。一時は原発稼働率がゼロだった日本も、今月6日「原発再稼働の推進」を明記したエネルギー基本計画の原案を発表した。
英国は今年10月、18年ぶりに原発の新規建設計画を承認した。電力の約75%を原発に頼るフランスも、産業担当相が「核エネルギーはフランスの未来産業」と公言するなど、原発重視政策をかたくなに貫いている。電力需要が急増している中国や東南アジア、中東諸国も原発の建設に乗り出している。増え続ける電力需要を満たすには原発が不可欠だというわけだ。脱原発政策を維持しているのは、風力や太陽光など再生可能エネルギーが豊富なドイツが唯一だ。
明知大自然教養学部のチョ・ソンギョン教授は「韓国国内の現状を踏まえると、原発の放棄は難しい。原子力の研究開発(R&D)財源を原発安全分野に集中的に振り向け、原発に対する国民の信頼を回復すべきだ」と指摘している。
チョ・ジェヒ記者
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版 ◐http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2013/12/11/2013121101372.html エネルギー基本計画、勧告案策定までに公聴会50回 きょう専門家や市民団体の意見聴取を経て最終確定 韓国政府が10日に発表した第2次エネルギー基本計画の政府案は、各界の専門家らでつくる官民ワーキンググループが半年近く激しい議論を交わした末にまとめた勧告案(10月13日提出)をたたき台にしている。 ワーキンググループには主要大学のエネルギー・電力・経済学分野の教授や国策シンクタンクの研究員ら専門家をはじめ、電力会社の関係者、電力大口需要企業の社長、環境関連市民団体の関係者ら計59人が参加。約5カ月で50回の公聴会を開いて激論を交わし、午前2−3時まで討論を続けたことも13回あった。
産業通商資源部(省に相当)の関係者によると、特に要となる原子力発電比率の縮小をめぐっては意見の調整が難航し、会合を開くたびに10時間以上討論が続くのが常だったという。
ワーキンググループの勧告案提出後、産業通商資源部は政府案をまとめるため10月半ばから各界専門家による討論会や座談会を10回ほど開催した。政府は今月11日に公聴会を開いて市民団体や学界、産業界などの意見を取りまとめた上で、エネルギー委員会、グリーン成長委員会、国務会議(閣議に相当)での審議を経て政府案を最終確定する。公聴会ではソウル大のイ・ジョンス教授、「エネルギー市民連帯」のソク・クァンフン委員らが討論を行う。
反原発を掲げる市民団体などを中心に、原発比率の拡大に反対する声も依然根強い。ワーキンググループに加わった民間委員の一部も「政府が将来の電力需要を過剰に見積もった」と、政府案を批判している。
市民団体「エネルギー分かち合いと平和」のキム・テホ事務総長ら6人は9日「2035年の電力需要が現在より約80%増えるという非常識な予測を基に同年の原発比率を29%と設定することは、政府が依然として供給主体のエネルギー政策から抜け出すつもりがないことを示している」と主張した。
鄭漢国(チョン・ハングク)記者
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版 ◐http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2013/12/11/2013121101369.html 〖社説〗原発の新規建設、国民の十分な理解を 産業通商資源部(省に相当)は10日、国会産業通商資源委員会に「第2次エネルギー基本計画(2013−35)に関する政府案」の内容について報告し、その中で「韓国国内の発電設備に原発が占める割合は現在26.4%だが、これを35年の時点で29%にまで高めることを決めた」と明らかにした。増加し続ける電力需要を満たすために原発の割合を29%にまで高めるとなれば、現在建設中あるいは建設計画が進んでいる11基の原子力発電所に加え、7−10基を追加で建設しなければならない。現在、韓国国内では23基の原発が稼働中だ。 2011年の福島第一原発の事故後、大掛かりな原発建設計画を進めている国は中国(建設中27基、計画中57基)、ロシア(建設中10基、計画中24基)、インド(建設中5基、計画中58基)、韓国の4カ国だけだ。欧州では1988年に177基あった原発が、今では131基にまで減少している。このように先進各国で原発建設が進まない理由は、安全対策に力を入れると建設費用がそれだけかさむため、原発の経済性そのものに対する疑問が出始めているからだ。
韓国国内でも原発の追加建設は複数の理由があって決して容易なことではない。まず第一に、蔚山市蔚州郡の古里・新古里原発に今後6基の原発を新たに建設すれば、合計12基もの原発が集中することになるが、ここから半径30キロの範囲内には330万人が住んでいる。このような大都市のすぐ近くに原発を作り続けることが、普通の感覚で考えて果たして正常なことだろうか。第二に、今後仮に原発を1基も建設しないとしても、2024年には今ある使用済み核燃料の臨時保管施設がいっぱいになる。政府は今年10月、使用済み核燃料の中間貯蔵施設の建設に向けた公論化委員会を立ち上げたが、現実問題として新たに使用済み核燃料を受け入れるという自治体が出てくるのだろうか。第三に、慶尚南道密陽市の送電塔建設問題をめぐる地元住民と電力会社との対立から分かるように、送電線を確保することも実は非常に難しいのだ。
産業通商資源部の尹相直(ユン・サンジク)長官は10日に国会の常任委員会に出席し、上記の政府案について説明した。しかし原発建設という複雑な問題に関しては、まずはできる限り減らす努力を傾けた上で、それでも到底方法がないと判断されれば、その上で国民の説得に当たることが順序ではないだろうか。原発を18基も追加で建設するとなれば、これは今回のように関係閣僚が国会に報告するだけで終わるような性質の問題ではない。国政の最高責任者が国民に直接説明し、同意を求めることも考えてみるべきではないか。
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
◐http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2013/12/11/2013121101366.html
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