http://www.asyura2.com/13/cult11/msg/826.html
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被曝の遺伝は朝鮮人しか起きない世界的にも希な現象です。
エンジニアの視点・本音−木村芳幸のブログから
http://engineer-view.asablo.jp/blog/2011/09/12/6100339
3.11東日本大震災から半年が経過したことになる。大震災と津波被害を受けた福島第一原子力発電所1−4号機での原子力事故での放射性物質の拡散により、東日本の広範囲に亘って放射性物質(現在の汚染はセシウムが主要核種)による汚染が生じた。この結果、各地のガンマ放射線レベルが震災以前の通常値より増加し、福島県内を中心に未だに増加したままの状態である(セシウム137の半減期は約30年であるから除染が適切に行われないと、震災以前の値より高い状態がかなりの期間続くと想定される)。この結果、多くの避難住民が我が家に帰れない状況が続き、いわゆる風評被害含めて牛肉をはじめとして食品に対する影響等被害は甚大という言葉だけではすまされない事態になっている。
今回の原子力事故については、大学、大学院で原子力工学を専攻し、長年原子力プラントの開発・設計に携わってきた一人として大きな責任を感じているものであるが(原子力ムラの住人の一人であったとも言える)、第一線から退いた身であるがゆえに、内部から見てきたことを言えることもあるし、一方的な原子力ムラに対する決め付けの批判に反論することも含めて、いろいろネット上やメディアの中で言われていることで、間違っていることは間違っていると意見発信していくことも必要でないかと思うようになった。
私が大学で学位を得て原子力プラントメーカに勤務を始めたのは、ちょうどアメリカのTMIの事故が起こった年であった。そうして、最終的には原子力の仕事からは離れていたが、メーカの仕事からリタイアしたのが福島第一の原子力事故の年であったというのも何か因縁を感じる。その意味で、少しでも世の中に役立つ情報を発信していくのが、原子力に携わってきたエンジニアとしての責任と義務ではないかと思う。
エンジニアというのは、純粋な科学者と違って現時点で正しいと考えられている科学技術知見に基づき、人類の発展にとって役立つという観点から、そこに自分なりの判断、考えを反映させた仕事(それが工学であると私は考えてきた)を実施するものである。エンジニアとしての視点とは、そこには合理的かつ人々にとって有益であるというジャッジが入ったものである。ただし、そのジャッジには政治的、イデオロギー的な視点が入る余地はないことを明言しておきたい。
何人の方が読んでいただけるのかわからないが、エンジニアとして私自身が正しいと理解していることを、わかりやすく発信していくつもりである。私の言うことをどう考えるかは、皆さん次第であるが、少なくとも私が正しいと考えることを誠実に述べていくつもりである。
福島第一の事故では、福島県を中心に極端な場合は東京や神奈川県の住民の中にも、特に子供の被曝が心配で沖縄や九州に子供を連れて転居するものがいるという。先日の新聞でも郡山市の妊娠中の元市役所職員が生まれてくる子供が心配で、夫は郡山で市職員を続けているのに、自分は退職し、夫婦が離ればなれで生活しているとの記事が載っていた。もちろん、こうした人達の方が圧倒的に少数で郡山市から子供や妊婦がいなくなったわけではないが、こうした記事がメディアで取り上げられ、そうした人もいることを知らされると暗い気持ちになってしまう。 子供の放射線感受性は大人より高く、被曝は注意すべきだと心配する親の気持ちはわからないわけではないが、テレビのニュースで小学生達を前面に立てて、政府役人と放射線対応が悪いと非難する場面を見る機会もあり(これは親が子供にやらせているのだが)、放射線の影響についてはすでに多くのWEBサイトやブログで説明されていると思うが、わかりやすくきちんと理解する場を設けないといけないと思うようになった。
そこで、まず最初に、子供たちの被曝を心配される人に対して
「放射線被曝による遺伝的影響について」正しい理解を得ていただくようこの問題から始めることにする。
<正しい理解のために>
1.放射線被曝による遺伝的影響
ここでいう遺伝的影響というのはわかりやすく言えば、
「うちの子供は10歳の女の子だが、このまま福島市で育てて、将来 結婚したときに赤ちゃんが産めるのか心配である。」
ということに答えることになるのである。
結論から言えば、 「心配する必要はなく、お孫さんを楽しみにしていてくださいというのが 答えである。」
放射線被曝による影響というものは確定的影響(大きな線量を短期間で被曝するとすぐに体に異常が生じ、最悪は死、部位、線量によって皮膚損傷、生殖能力不能や白血球減少等の障害がでること、すぐに出る影響なので急性障害ともいう)と確率的影響(すぐに影響がでるのでなく、統計を取ってみると被曝した人としていない人の間に違いが出てくるという影響、したがって何年、何十年後に被曝したことによる影響ではないかと考えられる癌発生等を代表とする効果で晩発性障害ともいう)があるというのをまず理解することである。そして、この後者の確率的影響についてはわかりにくいだけに、取り扱い方やそれに基づく対応の仕方で適切でない論調が散見されるようである。
まず、放射線も他のもの、たとえば薬のような化合物と同じで、量を注意しなければならない。どんなものでも、行き過ぎた量を一度に摂取してしまえば生命にかかわることは理解できる。生命維持に必要な塩でも大量に摂取すれば死んでしまうし、睡眠薬や風邪薬や胃腸薬だって大量摂取では生命に影響が出るのと同じである。これが、前記の確定的影響になる。ところが少量であると、その影響は表立って直ちに(官房長官発言と同じだが)出てこないから、後になって放射線被曝の影響なのかどうかがわからないのである。そこで、そのような場合は、その物質・事象の影響があるのかないのかは、沢山の人を長期に亘って調べる(これを疫学調査という)ことによって、影響が実際にあるのかないのか統計的な処理をして始めて確認するしか方法がないのである。 そこで、放射線被曝による人の遺伝的影響については、実験で確認できるわけではないので、広島・長崎の原爆被爆者、そしてチェルノブイリ事故の被爆者の疫学調査研究が信頼に値する研究例として取り扱ってよく、また、特に低線量領域については各地の自然放射線レベルの差異(たとえば東京と山口では花崗岩質の山口の方が自然ガンマ放射線レベルは2倍にもなるし、世界を見渡せば、インドやブラジルでは東京の数十倍のガンマ放射線レベルになる場所がある。先日はテレビで花崗岩、大理石の街であるローマは東京より放射線レベルが数倍高いことを実証していた。)で遺伝的影響に差異があるのかということなども参考になるであろう。
広島・長崎原爆被曝者調査による遺伝的影響
これについては(財)放射線影響研究所が長い間に亘って調査を実施しており、その結果をまとめると次の通りである。 1946年から1953年までの広島・長崎の妊娠例で相互に血縁関係のない両親から生まれた新生児約65,000人の調査の結果、重い出生時障害の発生率は0.91%、で、原爆放射線被曝の影響がない東京の赤十字病院での発生率0.92%と違いがない。また、被曝者の子供が大人になってから健康被害リスクが増大するかという調査も継続されており、2002年から2006年にかけて約12,000人を対象に実施した調査では糖尿病等の発症のリスク増加も認められていない。つまり、原爆による放射線被曝者の子供(被曝2世といわれることがある)にはその他のものとの違いはなく、普通に生まれ、普通に育っているということである。(私が子供の頃に原爆被曝者からは原爆の子供が生まれるというような誤った風説が流布したのだが、これは被曝者を2重に苦しめる全く根拠のない妄言であった。)
チェルノブイリ事故調査による遺伝的影響
旧ソ連のチェルノブイリ原子力発電所4号機の事故は、格納容器のない原子炉における炉の暴走と水蒸気爆発等により、今度の福島第一の事故以上に放射性物質を放出させた最悪の事故であったが、その放射線被曝による影響評価は国連の放射線影響を評価する科学委員会(UNSCEAR)の報告に詳しい。遺伝的影響を取り扱った報告はUNSCEAR2001REPORTの中にそれまでの調査がある程度まとめられている。 その要点は次の通りである。 「最も放射性物質による汚染を受けたベラルーシやウクライナ並びに多くのヨーロッパの国におけるチェルノブイリ事故に関連した遺伝的影響の調査結果によれば、ダウン症、先天的異常、流産、周産期死亡等の異常の発生頻度が事故により増加したという明確な証拠は認められない。」
国連科学委員会の見解
放射線影響に関する純粋に科学的な評価結果を示しているのが、国連科学委員会の報告である。そこには、科学的立場で種々の調査結果を整理し、その時点で評価を報告書としてまとめている。最新の報告では2010年のレポートがあり、その中では遺伝的影響については以下のように述べている。 「癌に関する調査研究と違って、これまでの疫学的調査結果は人の放射線被曝による遺伝的影響を明確に示すものはない。この種の調査のもっとも大規模で包括的なものは日本の原爆被曝者に対するものである。その中でもまた他の調査でも放射線被曝による遺伝的影響(遺伝的障害の自然発生率に対する増加)は観測されていない。したがって、放射線被曝に対する遺伝的障害のリスクを直接にこれらの調査研究からは評価することはできない。ただ、もともと自然発生率がかなり高いので、放射線被曝によるわずかな増加を検出すること自体が難しく、遺伝的影響のリスクが全くないということを確認できるわけでもなく、こうした調査結果はリスク評価の上限値を与えることに役立つであろう。」
具体的には1グレイ(1シーベルトと同等)の親の被曝で先天性異常の発生リスクを約0.002(0.2%)としている。 つまり1シーベルト被曝することにより、自然界に通常ある6%程度の先天性異常発生頻度が0.2%程度増えると安全サイドに考えていくとしている。
以上が、現在の放射線被曝による遺伝的影響についての世界で認められている科学者、技術者の見解である。 このことから、最初の問いに対する回答を私は導き出している。つまり福島の市内で子供を育て、その子供が親になったとき、生まれた赤ちゃんに何らかの先天的異常が生じることについて心配する必要があるかどうかについて、そんな心配をする必要はないということである。 今回の事故により福島市内の放射線被曝の積算線量推定は、場所によりもちろん異なるのであるが、文部科学省の発表ではこの1年間に10ミリシーベルト程度(インドやブラジルの自然放射線量が高い地域と同程度)とみなしてよく、これが仮に子供が赤ちゃんを産むようになるまで20年間続いたとして、
10ミリシーベルトX20年=200ミリシベルト=0.2シーベルト
の積算被曝量になる。この結果、赤ちゃんの先天性異常が生じるリスクは、影響が積算線量に比例するという仮定(この仮定は放射線の確率的影響リスクは被曝線量に比例するという安全・規制を考える上での世界で認められている考え方)で評価すると、
0.002X0.2=0.0004=0.04%
つまり、福島市に住むことによって、生まれてくるあなたの孫に先天性異常が生じる可能性が、0.04%増えること心配しますかということで、私の答えは、私はこのリスクは無視できるリスクと考える。なぜなら、上記のようにもともと6%程度の自然発生率があるので、その変動の中に納まる無視できる大きさであるからである。また、原爆被曝者含めた放射線被曝者の調査結果、インド等の自然放射線レベルの高い地域で人に対する遺伝的影響の調査結果がいずれも影響を認めていないこともリスクを無視できると考える根拠である。したがって、心配する必要はなく、孫を楽しみにしてくださいということなのである。
最後に、放射線影響に関してよく間違って使われる考え方について注意を喚起しておきたい。つまり、確率的影響については、例えば、上記の0.04%という値を使って、「福島市では毎年1万人の赤ちゃんが生まれるので、放射線被曝の結果、4人は先天性異常が増えるのです。」というような使い方をすることである。これは、確率的影響のリスク評価についての間違った使い方で、リスクを確率的に取り扱っているのでなく、確定的に取り扱っているのである。0.04%という数字は毎年4人増えると言っているのではなく、「毎年600人程度の異常が発生している中で、増えるか増えないかわからない程度のリスクしかないですよ。」と言っているのであって、リスク評価値は我々の行動、評価にあたって、そのことが、自分たちの行動を考える上での便益とのバランスを考える上での指標としてとらえなくてはならないということである。(このことについては、次回にも説明したい。)
<参考リンク>
■「韓国人は永遠に日本から賠償金を受け取る権利がある!?」 日韓共同研究で韓国人への原爆保証の道を開(U-1速報)
http://www.asyura2.com/13/senkyo150/msg/104.html
■韓国の全教組、「韓国人の95%が狂牛病に感染しやすい遺伝子を持っている!」「10人中7人が狂牛病になる!」とデマ流す
http://www.asyura2.com/13/senkyo149/msg/113.html
投稿者 会員番号4153番 日時 2013
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