http://www.asyura2.com/13/cult11/msg/740.html
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数日前、大手新聞に載った深刻な統計資料。
1.過去25年間において、アメリカ合衆国での抗鬱剤の消費量は4倍に増えた。
2.過去22年間において、イギリス国内の抗鬱剤の消費量は5倍に増加。
3.ドイツでは日に平均17万人が精神疾患を理由に欠勤する。
自力で活力を生み出すことができないままストレスを受け続けるとどんどん気が負けて元気を失い、クスリに頼り、うつろな目をして診療所に通うはめになる。よって自滅のスパイラル。どれも日本の年間自殺者数3万人に劣らぬ悲惨さを物語るデータといって過言でないだろう。病める超先進国の国民は東西冷戦の勝利者とはとても思えないところまで堕ちている。
東日本大震災&津波をみてハルマゲドンだ、ノアの箱舟だ、自然界からの逆襲だ、などとびっくらこいている愚かな民。同じ先進国に住む民衆の個人事情を少し観察すれば冷戦終了から20余年の間に、心の闇はとっくに洪水を起こし氾濫し、もう取り返しのつかないところまで市民社会を蝕み、その漏洩した狂気はいつ世界を崩壊させる力につながってもおかしくないということにいいかげん気付くことができるだろう。
思えば911のツインタワー崩壊の際も、私は「インド・シナの25億の農奴が一般市場に開放され人間と同じ土俵で競争をはじめるという資本主義経済史上最大の戦闘が火蓋をきった今になってホームランド・セキュリティに前代未聞の危機が!なんて能天気なことをいってんじゃねえよ」と批判したものだ。根源的な災いのもとというものはマスコミがとりあげる事件やスキャンダルの水面下で何事もなかったように堂々と進行しているのだ。
え〜?それにしても抗鬱剤が5倍ってそんなに壊滅的な社会問題なの?などときくべからず。抗鬱剤っつうのは一言でいうと『それを飲まないと犯罪者か浮浪者になる以外の選択肢がない』者を社会に無理矢理つなぎとめるためのドラッグで、言い方をかえると本来、服役中か乞食か世捨て人みたいになってるはずのやつが社会の中で五倍に増長したということだ。ならず者が5倍。実際にそれが人口の中でどれほどの計算になるかというと政府の推定ではたとえばアメリカ国民では13%が抗鬱剤を常用していて、抗鬱剤を避けながら不安神経症にさいなまれるものはざっと20%という。
つまりは現在5人に1人が精神を病んでいるのだ。40人の教室で8人までがノイローゼ認定。同じクラスに戸川純と、ハウス加賀谷と、華原朋美と、大槻ケンジと、蛭子能収と、小島よしおと、鳥居みゆきと、松尾伴内が全員集合。そこだけが特殊学級なのではない。どこの学級もこれと同じ状態で、必ず8人の選ばれし(ピーィィィィ)が座っているのである。
しかも、ここに精神病の路線で与太ることを拒否し、薄ら笑いを浮かべて負け組を気取ってはマリファナとコカインの消費量を爆発的に増加させる層が加わる。この層にさらにコンバインされるのがトレーラーやプロジェクトに住む絶対弱者こと最貧層と、乞食系移民の奴隷階級である。まともに機能する市民が足を引っ張られずにひたすら前進することはもはやありえない話なのである。
よって911など陰謀でもなんでもない。起こるべくして起こった自虐への序章である。アメリカはいまのところかなり無理のある住み分け政策によって新たなヒエラルキーを構築する努力をしているようだが、これがどうなっていくかというのはまた別の機会に譲る。
こんな時代に、ガッツポーズをしているのが、誰であろう?それこそが病んだ人々を健全に導くことを謳い文句にしているフィットネスや心療業界の人々である。
アメリカでは従来の心理カウンセラー、セラピストなる偽善と虚飾を身にまとった白々しい占い師のかわりに、ライフコーチなる職種が台頭してきた。クライエントの性格的な問題から学業・職業における実力の向上、さらには人生プランにわたるまで相談を受け、アドバイスを提供することで快適に生きていただくためのお手伝いをしますなどと謳い文句を掲げては企業や大学と契約を結び、それらに寄生するコーチ様、および彼らの派遣会社。どれだけ成果があがったかに関わらず高額な費用を相談料としてまきあげるコーチ業は今では1000億円ビジネスといわれるだけあって日本にもアメリカからのパラレル輸入が顕著になってきた。われらが山師の山ちゃんこと苫米地もライフコーチ日本版のアドバルーンに笑顔で乗っかってはまるで自分が中心人物とでもいいたげに目立ちながら手を振りかざす。ぷぷっ。
実際に苫米地英人はコーチとしてどれだけの成果をあげてきたのか、私にはわからない。ある程度の実績があるからこそ、弟子筋の和製コーチまで引き連れて威張ることができるのだろうな、という希望的観測での想定はあるものの、どこまで本当かは実に不明だ。
その苫米地は、現在(米・英・独・日に代表される)超・先進国が上に書いてきたような事実に基づく意味での精神疾患のメッカに変動をとげてきたことを鼻でせせら笑っているようである。彼はこういう。「ウキキッ!鬱病などバカのとらわれた妄念だ。俺に・・・ウキキキ・・・・かかれば・・・ウキキキッ・・・・そんなものは・・・・ウッキキキ・・・・・一瞬で・・・・キキッ・・・・完治する」
なんだかわからんが、とにかく物凄い自信だ・・・・・苫米地さん。
というわけで、私は天才脳機能学者で認知心理学者でもあるカーネギーメロン大学PHD苫米地氏が唱える「不安神経症、鬱病、ノイローゼ(どれも原理は同じ)を治すメソッド」がどういったものなのか、ガチンコで査定してみることにしました。
なにせウキキキなどとうるさいので、余計なところは省き人間の言葉に直してみると概要は以下。どうせ学術的に掘り下げて説明すると一般読者がわからないだろうから、かなり簡略化したなどと苫米地は生意気を言っているが、どういう言い方をしても真実への進路の方向性と、全容における抽象と捨象の相対関係は同じであるので、特に問題にはならない。
苫米地は鬱のメカニズムをこう解説する。(アキャキャッ!ウッキー!を処理するほうが本論を把握するよりずっと面倒くさかった by チベットよわー)
「不安が生産されるのは旧脳である大脳辺縁系、つまり情動を司る機能体においてである。海馬に保存された過去の記憶の中にあるストレスを呼び起こす要素を持つ嫌悪データが、扁桃体で蘇りその不安的な情動・感情を増幅し、それが側頭葉に転写される。」
簡単にいうと、この「海馬」と「扁桃体」の連携プレーが脳思考で得られた負の情報を負の情動に換えさらに増幅操作して脳に送り返すおかげで人は不安にとらわれ、治療を必要とするくらいの疾患にさいなまされるのである。よって思惟が情動に影響を受け負けている状態を逆転するために「余計な不安を感じている情動を消せ」という処方箋を苫米地は投げてくるわけ。
これって・・・・なんなんだろうね。私は80年代大阪の漫才師『まるむし商店』のお決まりのネタを思い出してしまった。
「最近、子供の自殺などが増えています。悩みを持つ子供にどう助言するべきかね?」
「悩むな。以上」
吉本興業の芸人と同じことをいって、スーパー脳機能学者などと嘯く詐欺師の苫米地はいつでも切り札のように「実体のないものにとらわれるな。心などというものはそもそも無いのだから無いもので争うことがばかげている」と言って逃げる癖がついているようだ。こういう思考方法自体は決して珍しくはなく、心理学+仏教を看板にあげたネオアカは必ずといって口にしてきたことである。
一般の精神治療でとられてきた方法(投薬)はどうなのかといえば、苫米地のあげる大脳辺縁系云々よりむしろ前頭前野とループ構造をなす中脳周辺、間脳により機能の集中した神経伝達系をターゲットにしている。いわゆる抗鬱剤が行うことは、セロトニンを発生させ情動の働きを無理矢理コントロールし、しいては左前頭を活性化するのである。はやい話が合法のシャブを打って気楽にすることがその実である。無論、クスリで得る幸福感は、クスリが切れた時点で無くなり、ゼロになるどころか情動系を操作しているため幸福感を増幅して体感しようとする作用に引っ張られる分、より鬱を増して感じるはめになり、投薬をはじめる以前と比べて確実により強度の強い鬱を取り込んだという結果になるのである。
クスリを使用しないで鬱を治すというのが絶対条件であることがわかるだろうが、苫米地のいう情動無化というのがそれにあてはまるとはとても思えない。一度そんなメソッドで鬱から脱却した人間というのを見てみたいものである。「ただの脳内情報処理の問題だからこだわるな、忘れろ、消せ」とその脳内情報処理が物質に互換されていることを前提として話す人間が言い出しても説得力はない。
苫米地は海馬に記憶が保存されるのは最長で6ヶ月だと断定し、その間に否定的な記憶を消去すれば、それから延々とトラウマをひきづることはなくなるという仮説を持っている。これは考え方自体が既にエラーだ。記憶とは体験した記憶でろうと、それを思い出している記憶であろうと、又それに修正を加えようとしている記憶であろうと、記憶は記憶として更新と再登録を繰り返していくのだ。つまり保存する期間が一週間であろうが6ヶ月だろうがそんなものは全く意味をなさない。
忘れようとする消極性こそが鬱の敵だというのが真実である。逆上がりができない、という過去の屈辱を払拭する方法は逆上がりができるようになることであり、逆上がりができないことを忘れたり、それに屈辱を感じる情動パターンを消去したりすることよりずっと確実であり、真である。トラウマは克服すること、克服するための変化によってはじめて脳裏から遠ざかるのである。その戦闘を無視して鬱を退治するのはおそらく無理である。
先進国で異常な増加をみせている鬱の人々。1面記事にも3面記事にも隠れているが、実際は殆ど、緊急事態といっていいほどの有様である。これからもサンディーフックのような事件は起こるだろう。医療は役にたたないし、治療利権に群がる輩が出てくるだけだ。
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