http://www.asyura2.com/13/cult11/msg/600.html
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「詳しく吟味すると、日本の数値を高く見せるために、いろいろなトリックが仕込まれているのがわかる。
たとえば、ベラルーシの飲み物の基準が10ベクレルになっているが、これは水道水の話で、牛乳の基準値は100ベクレルだ。つまり、牛乳と水道水を「飲み物」としてひとくくりにし、高いほうの数値を出さずに低いほうの数値だけが書かれている。」
ありがとうございます。反原発派の姑息な情報操作のやり口が良く分かりました。
「放射線が目にしみる」から
http://greenlig.jugem.jp/?eid=26
「世界もおどろく日本の基準値2000ベクレル」にだまされるな
次の図を見たことがあるだろうか(図をクリックすると拡大)。
http://greenlig.img.jugem.jp/20110712_2159838.gif
これは、「世界もおどろく日本の基準値2000ベクレル」(http://kingo999.web.fc2.com/kizyun.html)という文書の一部だ。この毒々しい絵と数値を見た人は、
「えっ?日本の基準値ってこんなに高いの?」
「基準値以下でも危険なんだな」
と思ってしまうだろう。では、次の表を見て欲しい(図をクリックすると拡大。元の文書はこちらhttp://www.maff.go.jp/j/export/e_shoumei/pdf/malaysia_tuuchi.pdf)。
http://greenlig.img.jugem.jp/20110712_2159907.jpg
こちらを見ると、
「あれっ?日本の基準値って厳しいほうなのでは?」
となる。そう、日本の基準値はEUと同じなのだ。ヨウ素に関しては他の国より高いものがあるが、今問題になっているセシウムに関しては、外国よりも比較的厳しい。テレビでよく
「日本の基準値は厳しいほうです」
と言っている理由がこれだ。この文書の表現を借りれば、
「世界はそれほど驚いていない」
と言えそうだ(※1)。では、どうしてこういう食い違いが生じるのか。
それは、最初に挙げた図が、そのイラストからもわかるように、見た人を不安にさせるために書かれていると思われるからだ。
そもそも、基準値は国によって違うので、日本より高いところもあれば低いところもある。日本より低い数値だけを選んで資料を作れば、こういう資料はいくらでも作れてしまうのだ。日本よりも基準が緩い国の数値がいっさい出てこないのがその証拠だ。この資料だけを見た人は、日本の基準値が世界中でもっとも緩いと思ってしまうだろう。
詳しく吟味すると、日本の数値を高く見せるために、いろいろなトリックが仕込まれているのがわかる。
たとえば、ベラルーシの飲み物の基準が10ベクレルになっているが、これは水道水の話で、牛乳の基準値は100ベクレルだ。つまり、牛乳と水道水を「飲み物」としてひとくくりにし、高いほうの数値を出さずに低いほうの数値だけが書かれている。
また、ベラルーシの食べ物(子供)を37ベクレルとしているが、これはベビーフードの基準だ。ベビーフードも食べ物には違いないと言われれば、まったくの嘘とも言えないが、あえてベビーフードとせずに「子供」と書くあたり、あまりにも恣意的だ。
さらに、WHOの水の基準を10ベクレルとしているが、WHOでは、「これらは、環境中に放射性核種が放出されているような、緊急時で汚染を受けている水供給に適用されるものではない。」としていて、原発事故のときに適用するものではない数値だ。(※2)
(http://whqlibdoc.who.int/publications/2004/9241546387_jpn.pdf)
WHOの文書では、原発事故時にはIAEAの基準を使うことと書かれているので、そちらを見るとセシウム137の基準は2000ベクレル/Kgと、日本の暫定基準の10倍だ。
(http://www-pub.iaea.org/MTCD/publications/PDF/Pub1467_web.pdf)
また、各国の平常時の基準値と緊急時の日本の暫定基準を比較している点もフェアではない。チェルノブイリ原発事故直後のベラルーシの基準は今の日本の暫定基準より高かったのだ(※3)。
最初に挙げた図は、「放射能について正しく学ぼう」(http://kingo999.web.fc2.com/)というサイトのものだが、公正性に欠けており、サイトのタイトルと内容が大きくかけ離れていると言わざるを得ない。
もちろん、現在の暫定基準値以下なら絶対に安全だというわけではない。ガンのリスクにはしきい値がないという立場に立てば、わずかであってもリスクが高まるのは確かだろう。だからと言って、偏った数値だけを羅列して人を不安にさせることが正しいとは思えない。
平常時に冷静に考えれば、日本が世界より何百倍も何千倍も基準値がゆるいなどありえないとすぐわかるのだが、今人々の心は不安であふれている。不安な人はますます不安になる情報を信じてしまう傾向があるようだ。
※1
実際には、日本が基準値を低く設定してしまったことで、これまで輸出できていたものが輸出できなくなってしまったという例もある。詳しくは「川勝知事“怒りの”コメント 静岡」に書いてあるが、つまり、EUが、「本来うちは日本より基準がゆるいけど、日本がそんなに基準を厳しくするなら、日本産のものには日本の厳しい基準を適用しちゃうよ」ということだ。
※2
ちなみに、中部大学の武田邦彦教授は WHO の水の基準値を 1 ベクレル/リットルとしているが、これはスクリーニングレベルの話で、本当はガイダンスレベルと比べるのが正しい。武田氏にこのような初歩的な知識がないとは考えにくい(?)ため、理解に苦しむところである。一般人にわかりにくい嘘を混ぜながら、自説に都合がいい数字を挙げていると言われても仕方がないのではないだろうか。上記文書でも最初は WHO の水の基準を 1 ベクレルとしており、その後修正された。上記文書と武田氏のブログで挙げている例が似ていることから、どちらかが他方を参考にしたのかもしれない。
※3
日本よりも基準値が厳しいとして引き合いに出されているベラルーシだが、チェルノブイリ原発事故直後の基準は、飲料水が370ベクレル、牛肉は3700ベクレルと、日本よりかなり高かったらしい。ベラルーシの汚染限度の変遷は、「食品の暫定基準に対する疑念と不安が絶えない事情」に詳しい。日本はまだ「緊急時」なので現在は「暫定基準」だが、将来的には基準値が下がっていくことが期待される。
<参考リンク>
反原発に世論を誘導するため情報操作しているサイト
◆放射能について正しく学ぼう
http://kingo999.web.fc2.com/
◆おかんとおとんの原発いらん宣言
http://okaton.blog.fc2.com/
◆放射能メモ
http://kingo999.blog.fc2.com/
◆SAVE CHILD
http://savechild.net/
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