http://www.asyura2.com/13/cult11/msg/596.html
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「んー、グロ画像(と一般的には言われているようなもの)を見たり見せたりしながら「うわー、いやー、劣化ウラン弾こわいー、こんな子供持った人かわいそー、こんな子供持ちたくないー」「アメリカ許すまじ」とか言ってるだろう人たちに、
死ね。
と、俺が滅多に思ったり口にしたりしないようなことを言ってみたくなる・・・」
(愛・蔵太氏)
愛・蔵太さん、福島関連の奇形児デマを流している人間たちは、実はイラクの劣化ウラン弾関連の奇形児情報を垂れ流していた連中のようです。
これをネタに講演会開いてカンパ集めする人間もいるようです。
「奇跡の水」とか怪しげなサプリを売りつける輩もいます。
そんな人間に騙される人たちって可哀想ですね。
愛・蔵太の気になるメモから
http://d.hatena.ne.jp/lovelovedog/20050702/p1
■[劣化ウラン弾]「劣化ウラン弾のせいで奇形の子供が」という画像は本当か
(2011年3月30日追記)
「放射能 奇形」で検索してこの記事(エントリー)にたどり着いたかたは、「放射線 催奇形性」で検索しなおしたほうが、より有意な検索結果が出るかもです。
今日もまた劣化ウラン弾の「憑きもの落とし」をします。
今回はリンク先などに、一部ショッキングな画像などがありますから注意してくださいね。
まず、こんなところなど。
→随想 吉祥寺の森から:放射能半減期45億年 劣化ウラン弾
(http://blog.livedoor.jp/mediaterrace/archives/25483499.html)
特定のイデオロギーを持った集団に(多分)属さない、ごく普通の人が「劣化ウラン弾こんなに危険」と宣伝(?)している典型的なところだと思いますが、俺視点ではいささか原因が劣化ウラン弾とは特定できないようなものを「劣化ウラン弾のせいだ」と言っている人に釣られすぎていたり、二次情報にあおられすぎているかな、という感じです。
たとえば、
こちらのウェブサイトで正視に耐えないあまりに悲劇的な放射能汚染の障害児、奇形児が報じられている。ぞっとするので勇気のないひとは見ない方が良い。
そこで見られる画像と劣化ウラン弾(放射性物質)との因果関係は、医学的に証明できていることではないし(フセイン政権下の、反米プロパガンダのための写真と言われても明確な反論は難しいのでは)、奇形そのものが増えているかどうかもよくわからないというのがどうにも。
「写真は嘘はつかない」とか思っている人は、まぁ以下のところで見られる写真でも見て落ち着け、と。
→衝撃! 戦慄! これが劣化ワラン弾の恐怖だ!
(http://d.hatena.ne.jp/lovelovedog/20020701)
コメント次第で何とでもなるもんです。
ちなみに、引用されている「Extreme birth deformities」の翻訳は以下のところにありますが、
→Gulf war syndrome birth defects in Iraq extreme birth deformities from depleted uranium ammunition(DUによる重篤な先天性の奇形)
(http://homepage1.nifty.com/KASAI-CHAPPUIS/ExtremeBirthDeformities.htm)
まず、こんなテキストなど。
アメリカ軍が湾岸戦争の時に使った劣化ウランの放射能の影響で、ガンや白血病で死ぬ人が17倍(2000年)に急増しました。新生児の3%が先天的な奇形児です。13%の子供が5歳までに死亡します。
ええと…日本の場合…。
→よく見掛ける小児の先天性疾患
医学統計による、毎年の出生新生児の先天性疾患発生率は約2〜3%あり、それは新生児の長期病養、障害、死亡の主な原因の一つである。染色体異常、単数DNA遺伝病、複数DNA遺伝病、変型胎性遺伝等の理由からなり、 三分の一は原因不明による。
まぁ、イラクの「幼児死亡率」は高いほうだとは思いますが、世界で一番高いわけではありません。
ここに表があったりしますが(4番目の表)
→ACCU:アジア太平洋の識字状況
(http://www.accu.or.jp/shikiji/overview/ov04j.htm)
アジアだけでも、1000人あたり130人(13%)のラインを越える国は、アフガニスタン(260人)を筆頭にけっこうあります。もっと悲惨なのはアフリカ(南アフリカ)地方なんですが。
この表のコメントを引用したくて。
4. 母親が読み書きできると、5歳以下の幼児死亡率が低いという傾向がみられます。
…イラクの人たちに必要なのは、「女性の識字能力を高めること」なのでは。
→財団法人 国際金融情報センター|各国の概要(イラク)
教 育 中等学校就学率31%(98年)
識字率(男子55%、女子24%)(2001年推定)
まぁ、こんなことを言っている人もいますので、
→文化 インタビュー イラク現地報告 イラクの人は占領を納得してない 写真は私の心 感じたままを伝えたい 写真家・佐藤 好美さんに聞く
湾岸戦争前は識字率は90%だったのに、今は学校に行っていない子供たちが大勢います。外国からの支援は何も届いていない。病院には薬がない。貧しい人たちはどこまでも貧しくなり、食べるものもない状態に陥っている。世界の支援金はどこに消えたんでしょうか。
ちょっと「イラクの人の識字率」については、正確なデータを知りたいところがあります。
外務省のサイトを見たら、イラクの基礎データは「改訂作業中」でした。
→外務省ホームページ(日本語)-各国インデックス(イラク共和国)-
それでは、個々の画像などを順番に見てみます。画像やコメントを見たり読んだりする際には、あまりドキドキしすぎないように、です。
まず、単眼症だとこんなのとか、
→X51.ORG : 単眼症の幼児が生まれる ロシア
(http://x51.org/x/05/02/2356.php)
サンクトペテルブルグ病院の婦人科医イワン・リルチコフ医師は次のように語っている。「非常に特殊なケースですが、しばしば起こりえることです。こうした奇形が発生する経緯は様々です。発生後、凡そ一週間で眼と脳が形成されますが、その際に妊婦が強い化学物質や薬物を摂取した場合には胎児にも大きな影響が与えられます。例えば妊娠中の女性がテトラサイクリン(抗生物質)を摂取することは本当に危険です。ほんの少しの量でも胎児の歯、骨に作用し、胎児の奇形を引き起こすことがあります。
そこのコメント欄では、こんな感じ。
単眼症の原因は母親のビタミンAの不足らしいですよ。動物実験で妊娠中の母親に一切ビタミンAを与えなかったところ、全て単眼症の子だったらしいです。
ということで、こんなテキスト。
→正常分子栄養学_7/8
(http://plaza.harmonix.ne.jp/~lifeplus/bunnsi/no7.html)
最近、奇形で眼球が無い、単眼症のお子さんがすごく多いんです。
奇形がすごく多くなっています。
単眼症とか生まれた時から脳が無い、無脳症とか、内臓などが全部透き通って 見えて生まれてすぐ死んでしまう透明症とかなどですが、その単眼症の原因になるのがビタミンAの不足です。
動物実験で妊娠した11頭の豚にAの入っていない餌をずっと与えたら、全部の豚が眼球の無い子豚を生みました。
以下のページの、
→Gulf war syndrome birth defects in Iraq extreme birth deformities from depleted uranium ammunition
(http://homepage1.nifty.com/KASAI-CHAPPUIS/ExtremeBirthDeformities.htm)
4番目の写真のコメントなどを見ると、こうなってますね。
両目が形成されていない。写真では、やや透きとおったような肌の様に見える。近くでフラッシュをたいて撮影したためかも知れないが、うまく説明できない。
…イラクの(一部の)人の間に、ビタミンAその他のビタミンが足りてないせいだけなのでは。
ちょっと目で見た印象が衝撃的すぎるので、「劣化ウラン弾のせいで」と言われるとそんな気になっちゃうのですが、医学関係、特に産婦人科の人はもう少し冷静な判断ができるんじゃないでしょうか。というか、しています。
次に、「水頭症の子供」。
水頭症だと、
→「水頭症患者の社会的不利益」についての調査
水頭症は新しい病気ではなく、また稀少病というわけでもないのに(厚生省の難治性水頭症研究班の1995年の発表では「新生児の約2,000人の一人」というデータがある)、それまでわが国にはこの病気に悩む患者の組織が存在しなかった。
大きい病院だと、年に何例か見る機会はあるくらいの確率です。
あと、「放射線による催奇形性」で、何らかの因果関係があると確認ができているのは、水頭症じゃなくて小頭症です。
→原子力百科事典 ATOMICA(胎児期被ばくによる影響)
着床後の早期、とくに各種器官形成が起きている時期に被ばくすると、線量にもよるが、新生児奇形の生まれてくる可能性がある。しかし、注目すべきはヒトで放射線による明確な奇形の発生は、原爆被ばくによる小頭症を除いては、知られていない。
少しテキストの量が多くなりすぎたので、あとは手短に。二分脊椎症。
→日本二分脊椎症協会ホームページ
→二分脊椎症の予防に関するホームページ
(http://www.asahi-net.or.jp/~wc4n-szk/sb/sb_yobou.htm)
予防するにはまず原因がわからないことにはどうしようもありません。しかし、二分脊椎の原因はまだはっきりとしていません。
要因が明確になっていませんので、劇的な予防策もありません。
ただし、近年になって、お母さんが「葉酸」という成分を摂取すると、二分脊椎の発症率は下がると言う研究結果が出され、厚生文部省などでは適量の葉酸摂取を推奨しています。
ただし、葉酸を取れば二分脊椎にならない のではなく、二分脊椎のなる可能性が減る だけです。
葉酸って?
ビタミンB系列の栄養素です。主な供給源としては、緑葉野菜、オレンジなどの果物、豆類などが挙げられます。
少しまとめると、「イラクの人とかのかわいそうな子供(奇形の子供)」については、
1・イラクの新生児における奇形発生率や幼児死亡率は多すぎるということはない
2・新生児の奇形も、不幸なことではあるが、パターンとしてはものすごく珍しいものではない
3・その原因は「劣化ウラン弾」(あるいは放射線)のせいとは、とても断定できない
また、改善方法としては、
1・女性の識字率をあげる
2・妊娠時の栄養(特に種々のビタミン類)を十分に取らせる
などが効果的のように思えます。
しかし、こういう出生時からハンデを負った子供とか、その親が連携している(連携する目的で開いている)サイトを少し覗いたのですが、画像的にショッキングなのがないかわりに、関係者のかたがた、特に専門知識を持つ医者の語りと職業の姿勢には、『ブラックジャック』を最初に読んだときぐらいの感動というか、人はこのように生きなければいけないよなぁ、と素朴に思ってしまいました。
んー、グロ画像(と一般的には言われているようなもの)を見たり見せたりしながら「うわー、いやー、劣化ウラン弾こわいー、こんな子供持った人かわいそー、こんな子供持ちたくないー」「アメリカ許すまじ」とか言ってるだろう人たちに、
死ね。
と、俺が滅多に思ったり口にしたりしないようなことを言ってみたくなるぐらいに素朴に。
これは以下の話に続きます。
→http://d.hatena.ne.jp/lovelovedog/20050710#p1
→http://d.hatena.ne.jp/lovelovedog/20050824#p1
→http://d.hatena.ne.jp/lovelovedog/20050920#p3
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